更新日:2023年02月13日
公開日:2019年12月05日
介護福祉士からのキャリアアップとして、「介護支援専門員」通称「ケアマネージャー」の資格取得をお考えの方も多いと思います。
介護士や看護師からケアマネージャーに転身した場合、給料は上がるのか下がるのか、どのくらい変化するのかというのは気になる点ではないでしょうか?
今回はケアマネージャーの平均給料、2023年最新版の情報をお届けします。
また給料アップの方法や気になる今後の動向についてもわかりやすく解説していきます!
現在の給料に満足していないケアマネージャーの方も必見です!
介護支援専門員(ケアマネージャー)の給料は、下記の通りです。
介護支援専門員(ケアマネージャー)給料 | |
---|---|
所定内給与額 | 27万7千円 |
決まって支給する 現金給与額 | 28万7千円 |
年間賞与 | 64万8千円 |
年齢 | 50.9歳 |
勤続年数 | 10.2年 |
労働者人数 | 92940人 |
出典:賃金構造基本統計調査 職種第1表(2022年3月発表)|厚生労働省
まずはケアマネージャーの月収について、上記の表をもとにご説明します。
「所定内給与額」という項目は、残業や休日出勤時の支給分を含まない1ヶ月の給料です。
「きまって支給する現金給与額」は、超過労働時間分などを含めた給料と考えてください。
平均年齢50.9歳、平均勤続年数10.2年のケアマネージャーの平均月収は28万7千円となっています。
前年よりも1万1千円ほどアップしています。
手取りにすると約22万9千円と考えられるでしょう。
(手取り額は給与額面(総支給額)の約8割で計算しています。)
なお、この金額は残業代や各種手当が含まれた金額です。
また勤続年数なども加味された金額ですので、勤続年数が短い方やケアマネージャーになったばかりの方はもう少し低い金額が相場となるでしょう。
ケアマネージャーの年間賞与・特別給与額は約64万8千円で月給の2.2か月分相当です。
こちらは前年より2万8千円ほどダウンしています。
年二回(夏・冬)のボーナスとして支給する事業所もあれば、賞与ではなく一時金として支給する事業所もあります。
また介護労働実態調査によりますと、2000人以上のケアマネージャー(正職員)の約55.6%が「賞与の支給がある」と回答しています。
賞与なしと回答した労働者は約26%となっており、多くの事業所でボーナス(もしくは一時金)の支給があるようです。
(参照:令和3年度介護労働実態調査|公益財団法人 介護労働安定センター)
ちなみに同調査によるケアマネージャーの賞与額は、 およそ66万円。
賃金構造基本統計調査の賞与金額とは1万4000円程度の差がありますが、両方の調査結果からみてケアマネージャーの賞与額は平均60万円以上となる可能性が高いでしょう。
賃金構造基本統計調査の結果から年収換算した場合、ケアマネージャーの平均年収は409万円となる見込みです。
経験年数や各種手当の差は出てくるかと思いますが、年収350万円~400万円程度が相場といえるのではないでしょうか。
なお男女別で見た場合、男性の方が月4万円程度給料が高いという結果になっていますが、これは男性の給料設定が高くなっているというわけではなく、役職についていたり家族手当が支給されていたりするケースが多いのではないかと考えられます。
出典:介護従事者処遇状況等調査 第79表|厚生労働省(2022年3月発表)
上記のグラフは処遇改善加算(I)~(V)を取得している事業所を対象に行った平均給与額の調査結果で、常勤職員の基本給額、手当額、年間賞与を職種別に表したものです。
(千円以下切り捨て。年間賞与は、調査結果の一時金に×12(12か月分)で算出した数字です。)
基本給額、年間賞与ともに最も高い支給額となるのは看護職員です。
ケアマネージャーの給与は、年収で見ると看護職員についで2番目に高いことがわかります。
特に手当額は78,280円で、介護職員についで2番目に高い金額です。
施設ケアマネとして介護業務も行っている場合は別途手当がつくため、その分手当額が高くなっている可能性が考えられます。
こちらは後で詳しくお伝えします。
ケアマネージャーの給与額は、介護職種の中では高水準といえるでしょう。
介護福祉士からケアマネージャーになった場合は収入アップする可能性があります。
しかし、経験年数に応じて給与額が変わることや、看護師の方は収入が下がる可能性があることを理解しておきましょう。
ケアマネージャーの給料についてお伝えしてきましたが、これらはあくまで平均値です。
働き方や勤務先によって、お伝えした金額より多くも少なくもなるでしょう。
ではケアマネージャーが給料をアップさせるにはどこでどのような働き方をするとよいのでしょうか?
ここからは給料アップの方法についてお伝えしていきます。
ケアマネージャーの給与額を左右する最も大きな要因は、「働き方」とそれに伴う「手当」といってよいでしょう。
まず注目すべきは働き方です。
ケアマネージャーの働き方には「施設ケアマネ」と「居宅ケアマネ」がありますが、結論からいうと施設ケアマネの方が給与は高くなる傾向にあります。
施設ケアマネは介護施設に勤務するケアマネなので、介護(看護)業務と兼任するケースも多いためです。
ケアマネージャー業務と兼任して介護業務を行うと、基本給に加えて各種手当がつく可能性があります。
例えば介護福祉士資格や看護師資格など所有資格に応じた資格手当です。
また介護職員として夜勤をすれば夜勤手当がつきますし、処遇改善手当も支給されます。
これは施設ケアマネならではといえるでしょう。
給料はできるだけ高いほうがいい、介護(看護)業務を兼任してもいいという方は、給料アップに直結しやすい施設ケアマネの働き方がおすすめです。
ケアマネージャーの給料は経験年数を重ねるごとに増えていくといえるでしょう。
【経験年数別】介護支援専門員の給料 | ||
---|---|---|
所定内給与 | 年間賞与 | |
0年 | 24万7千円 | 30万9千円 |
1-4年 | 25万5千円 | 55万4千円 |
5-9年 | 26万8千円 | 63万円 |
10-14年 | 26万9千円 | 63万3千円 |
15年 | 29万9千円 | 73万4千円 |
出典:賃金構造基本統計調査 職種第14表(2022年3月発表)|厚生労働省
上のグラフは、経験年数で給与額を比較したものです。
垂直に入っているラインは全体平均(勤続年数10.2年)の数字です。
経験年数が5年未満のケアマネージャーの給料は月給・賞与ともに平均に満たない金額です。
年収にすると平均より16~50万円程低い金額となるでしょう。
5~9年目で全体平均をやや上回る金額となります。
15年以上になると所定内給与29万9千円、年間賞与は73万4千円という調査結果となっています。
経験年数を重ねることで、月収は5万円以上のアップ、年収400万円超えも期待できそうです。
経験年数を重ねながら、主任介護支援専門員の資格を取得してステップアップを図るのも一つの方法です。
主任介護支援専門員は介護支援専門員をまとめる役割を担う、いわばケアマネージャーの上位資格です。
ケアマネージャーとしてのキャリアが5年以上あれば取得要件を満たします。
主任ケアマネになると地域包括支援センターや特定事業所加算を取得する事業所など働く場所の選択肢が増えたり、管理職を任されたりすることもあるでしょう。
給料アップのために取得を目指す方は少ないかもしれませんが、資格を取得することで活躍の場、業務範囲が広がり、結果的に給料アップが期待できます。
<詳しくはこちら>
コラム「主任介護支援専門員 ってどんな資格?」
さてここまでケアマネージャーの給料についてお伝えしてきましたが、そもそもケアマネの収入はどこから出ているかご存知でしょうか。
ケアマネージャーの報酬は居宅介護支援費として介護保険から全額支払われています。
もし事業所や施設などに所属せずに独立してケアマネージャーの仕事をしている場合には、この居宅介護支援費がそのまま収入となるということです。
他には居宅介護支援費以外に、委託料というものが入ることもあります。
例えば、地域包括支援センターからケアマネジメントを委託されたり、要介護認定のための認定調査の依頼を自治体から委託されたりした場合です。
こういった場合に委託した自治体から委託料が支払われています。
この通り、ケアマネージャーの給料はそのほとんどが居宅介護支援費であるといえるでしょう。
先述のようにケアマネの給料は居宅介護支援による介護報酬が出どころとなっているのですが、居宅介護支援の分野は介護保険サービスの中でも赤字が続いています。
そのため「ケアマネージャーの給与水準はなかなか上がらない」といわれており、「質を求められ負担ばかりが大きくなる」という不満も出ています。
そういったことを背景に、少しずつではありますがケアマネージャーの処遇改善は進められています。
金額は大きくないものの毎年着実にケアマネージャーの平均月収(年収)は上がっています。
2021年度の介護報酬改定においては、ケアマネージャー一人当たりの担当者数の区分が新設されるなど居宅介護支援の分野にも変化がありました。
ケアマネージャーは、今後も進む高齢化社会の日本において求められる職種であることは間違いないでしょう。
2018年に資格取得の要件が変更されたことで合格率は3割以下の狭き門となっていますが、介護職からのステップアップをお考えの方はぜひ前向きに検討してみてください。
ケアマネージャーの給料については以下の通りです。
・平均月収28万7千円
・年間の平均賞与額は64万8千円
・平均年収409万円
・給料アップを狙うなら居宅より施設ケアマネ
・経験年数を積むことで昇給が期待できる
ケアマネージャーの仕事内容や資格取得方法などについてはこちらに詳しくまとめております!ぜひ併せてお読みください!
コラム「介護支援専門員とは」
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コラム「介護支援専門員(ケアマネージャー)気になる仕事内容と魅力とは!?」
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※掲載情報は公開日あるいは2023年02月13日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。