介護予防ケアマネジメントについて調べている方は、これからこの仕事に携わる方がほとんどではないでしょうか?
そこで、介護予防ケアマネジメントの基本について分かりやすくまとめてみました。
「欲しい情報がなかなか見つからない」「分かりやすい記事が見たい」「仕事内容が知りたい」という方は、ぜひご覧ください!
介護予防ケアマネジメントとは?
介護予防ケアマネジメントは、高齢者が介護を必要な状態になることを出来るだけ防ぎ、もし要介護になってもそれ以上状態を悪化させないように支援をおこなうのが仕事です。
介護予防ケアマネジメントの基本的な考え方や目的は下記の3つ。
◆利用者自身が可能な限り住んでいる地域や自宅において、自立した日常生活を送れるよう支援する。
◆利用者自身が目標を立てて、その目標達成に向けて必要なサービスを利用しながら、取り組めるケアプランを作成しサポートする。
◆介護予防ケアマネジメント事業の利用終了後に、利用者が家庭や地域でセルフマネジメントができるように支援する。
介護予防ケアマネジメントでは、利用者が目標達成するための「意欲」を引き出すことが重要です。
介護ケアマネジメントを担当できる人とは?
介護ケアマネジメントを担当するには、実施主体で働いていることやそれなりの経験や資格が必要となります。介護ケアマネジメントの実施主体や実施できる人についてまとめたので見ていきましょう。
介護予防ケアマネジメントは、
「訪問型サービス」
「通所型サービス」
「その他生活支援サービス」
「介護予防ケアマネジメント」
の4つの事業からなる「介護予防・生活支援サービス事業」の一つです。
実施主体は、各市区町村の地域包括支援センターや委託を受けた指定居宅介護支援事業所
となります。
介護予防ケアマネジメントを担当できるのは、以下の方々です。
・保健師
・社会福祉士
・主任ケアマネージャー
・ケアマネージャー など
地域包括支援センターで働いている3職種のほか、指定介護予防支援業務をおこなっている職員と決められています。
介護予防ケアマネジメントは、市区町村ごとに地域支援事業として実施しているため、実施主体によって制度の違いがあります。実施者は、各市区町村の制度の違いに対応して手続きやケアプランの作成をしなければなりません。
介護予防ケアマネジメントは対象者によって内容が変わる!?
介護予防ケアマネジメントは、受ける対象者の介護の必要度合いによって内容が異なります。介護予防ケアマネジメントの対象となる方は以下の3つ。1)要支援1、2の方2)特定高齢者(支援や介護が必要となる可能性が高いと判断された方)3)一般高齢者介護ケアマネジメントの対象となる方は、介護が必要ない方や予防できる方、また介護の度合いが低い方が対象です。介護予防ケアマネジメント事業の内容も対象者のカテゴリによって異なります。それぞれの支援内容について見ていきましょう。1)要支援1・2|予防給付
要介護状態にならないように、心や身体の状態を維持・改善することを目指します。要介護高齢者と同様にケアプランを作成し、介護予防サービスを利用できるように支援します。2)特定高齢者|介護予防
特定高齢者は、これから介護が必要になる可能性が高いと判断された方です。特定高齢者の生活機能の低下を早期に発見し、予防・改善することを目指します。本人の意向や生活環境なども考えたうえで、要介護高齢者と同様にケアプランを作成し介護予防サービスを利用できるように支援します。3)一般高齢者|介護予防
65歳以上のすべての高齢者で、介護が必要ではない方が対象です。これからも元気に過ごせるように介護予防に関するパンフレットや情報提供、必要な機関への仲介などの支援をします。「予防給付」は要支援の方を対象としており、要介護高齢者に対する介護保険サービスと同様にケアプランをたてて介護サービスを利用する事業です。また、「介護予防」は一般高齢者と特定高齢者を対象としており、要介護にならないように予防することが目的の事業です。 「介護予防ケアマネジメント」3つの種類
介護予防ケアマネジメントは、利用者の状況や意向、希望するサービス、基本チェックリストの結果などを考慮して、大きく3つのパターンに分けられます。
A・B・Cのパターンによってケアマネジメントの内容が異なるので、それぞれどんな特徴があるのか見ていきましょう。
◇ケアマネジメントA(原則的な介護予防ケアマネジメント)◇
介護予防支援と同じように、地域包括支援センターがアセスメントをおこないケアプラン原案を作成しサービス担当者会議をして内容が決定します。利用者との面接によるモニタリングは少なくとも3ヵ月に1回おこないます。利用者の状況に応じてサービスを変更できるように体制を整えておく。
◇ケアマネジメントB(簡略化した介護予防ケアマネジメント)◇
アセスメント(課題分析)からケアプラン原案作成までは、ケアマネジメントAと同じように実施します。サービス担当者会議は省略してケアプランを作成し、間隔をあけ必要に応じてモニタリング時期を設定します。利用者の状況などに合わせて簡略化したプロセスで介護予防ケアマネジメントを実施します。
◇ケアマネジメントC(初回のみの介護予防ケアマネジメント)◇
ケアマネジメントの結果、利用者本人が自身の状況や目標の達成などを確認し住民主体のサービスを利用する場合に、初回のみ簡略化した介護予防ケアマネジメントのプロセスを実施します。ケアプランは作成せず「本人の生活の目標」「維持・改善すべき課題」「その課題の解決への具体的対策」「目標を達成するための取組」などを記載したケアマネジメント結果を利用者に説明し理解を得たうえで、住民主体の支援の利用等を継続します。
利用者自身のセルフマネジメントになるため、その後は地域包括支援センターによるモニタリングはおこないません。
しかし、利用者の状況の悪化や利用者からの相談があった場合は、地域包括支援センターによるケアマネジメントに移行します。
担当者は、このパターンに沿ってケアマネジメントを実施します。
しかし、総合事業で実施しているサービスは、市区町村によって異なるため「Aのみ」「A・Cのみ」など実施パターンに違いがあります。
実施しているパターンについては、市区町村の制度を確認してみてください。
介護予防ケアマネジメントのプロセス
介護予防ケアマネジメントの流れは理解していても、実際にどんなことをするのか分からないですよね?そこで、それぞれの項目でどんなことをするのか分かりやすくまとめてみました。さっそく見ていきましょう。1)アセスメント (課題分析)
利用者の自宅を訪問し、利用者と利用者家族で面談をしてアセスメントを実施します。内容としては、生活機能が低下している背景や原因、課題の分析です。課題分析をすることによって、生活機能のどこに問題があり、困った状況になったのかを利用者や家族と認識を共有し必要な助言をおこないます。2)ケアプラン作成
アセスメントによって見えた「維持・改善すべき課題」を解決するために、もっとも適切な「目標・支援内容・達成時期」を含めた段階的に支援するための計画を作成します。3ヵ月~1年をめどに、利用者が思う「こんな自立した生活を送りたい」という生活の目標をたてます。また3ヵ月~半年をめどに、達成できることを目的とする目標を考えていきます。「最も効果的な方法はどれか?」「どこで誰がアプローチすると効果的なのか?」「時期はいつ頃までにするのか?」を考慮しプランを作成していきます。*ケアマネジメントCの場合、ケアマネジメント結果を作成する。3)サービス担当者会議
利用者が希望するサービスの担当者を集めて、介護予防ケアプランにおけるサービス事業者の役割を相互に理解し、地域の公的サービ スなどについて情報共有をおこないます。また、利用者やその家族の生活全体についてや課題の共有、生活機能を向上させるための目標、支援の方針、支援計画などを協議して、ケアプラン内容を固めます。*ケアマネジメントBの場合、必要に応じて実施する。*ケアマネジメントCの場合、実施しない。4)利用者への説明と同意
サービス担当者会議によって決まったケアプランを利用者に説明し同意(押印)を得ます。5)ケアプラン確定、交付
同意を得れるとケアプランが確定となり、利用者とサービス提供者に交付します。※ケアマネジメントCの場合、ケアマネジメント結果を利用者とサービス提供者(利用者同意のうえで)に交付します。(利用者から持参してもうことも可能)6)サービス利用開始
各サービス提供者よりサービスが実施されます。7)モニタリング
サービス利用開始後の実施状況を把握し、目標の達成状況の確認や支援内容が合っているか、新たな目標がないかなどを継続的に確認します。モニタリンでは、利用者や家族から直接ヒアリングするほかに、サービス提供者からも状況を聞きます。*ケアマネジメントBの場合、間隔を空けて実施する。*ケアマネジメントCの場合、実施しない。8)評価
ケアプランを実施後、設定した目標が達成されているかを確認します。また、必要に応じてケアマネジメントのパターン変更も含めた今後ケアプランを見直します。評価は、3ヵ月~半年に1回のペースで介護予防ケアマネジメント期間終了時におこないますが、運動器機能向上や口腔機能向上のプログラムを利用する場合は3ヵ月に1回実施します。*ケアマネジメントCの場合、実施しない。 さいごに
介護予防ケアマネジメントは、利用者や家族の思いや目標をくみ取れる力が必要となる仕事です。担当者は、利用者にとって最適かつ意欲が出る方法を考えなければなりません。利用者一人ひとりの状況や状態を考えケアプランをたてることは、簡単なことではないでしょう。しかし、利用者が目標を達成する姿やセルフマネジメントへの移行など、元気になっていく姿は介護予防ケアマネジメントのやりがいに繋がるはずです。
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