高齢者の疾患の訴えにどう対応する?

更新日:2023年04月09日

公開日:2020年04月16日

高齢者の疾患の訴えにどう対応する?

高齢者の疾患

高齢者は、複数の疾患をもっている場合が多いです。例えば、心臓、脳、内臓、骨や関節、目など、複数個所に疾患を抱えています。ですから、高齢者自身にもどこの調子が悪いのか、はっきりとわからない場合があります。さらに、こういった説明の苦手な方もいらっしゃいます。
なんとなく痛い、なんとなくだるいなどと言われても、言われた方も困ってしまいます。このような訴えがあった場合、体の不調がどこからきているかを判別するのは、お医者様でも、なかなかに難しいことです。
しかし、訴えている本人は、やはりつらいのです。体が不調なのは、高齢者でなくても悲しいことです。しかも、最近の医学でわかってきたこともあります。体の不調は、疾患だけで起こるのではないのです。

現代の疾患以外の病気

1つは、「薬の副作用」です。薬には、目的の効果の他に必ず副作用があります。主だったものに眠気やめまいなどがあります。複数疾患を抱えた高齢者の多くは、投薬も複数になります。そのため、薬飲み合わせによっては、副作用が強く出て、不調が起こることがあるようです。
薬の副作用とは思わずに、病院でさらに不調を訴えることで、薬の効果がないと判断されます。すると、薬が強くなったり、薬を増やされたりすることがあります。すると、さらに副作用がひどくなって…という悪循環が起こります。ですから、中には、薬を減らすことによって、症状が改善した例もあります。
複数の病院にかかっているので、お薬手帳での管理が大切になります。しかし、中には、きちんと携帯していない高齢者もいらっしゃいます。薬の管理は、お医者様や薬剤師さんにきちんと行ってもらうようにする必要がありますね。

2つ目は、「気象病」です。読んで字のごとく、気象によって起こる不調です。例えば、寒暖差アレルギーはずいぶん認知されてきましたが、自然現象が私たちの体に影響を与えることも多いのです。曇りの日には頭が重い、雨が降ると古傷が痛む、寒いと関節がきしむ、などは、体験した方も多いと思います。
気象病は、天気が悪い日、特に雨やくもりの日に不調が起こることが多いようです。どうやら、気圧に関係があるようです。昔から、ぜんそくの子は低気圧が近づくと症状が悪化すると言われていました。それに近いものなのかもしれません。詳しいことは、まだまだわかっていないようです。

もう1つは、「心」です。何か心配事がある時に、お腹が痛いという子は多いですね。詐病の子もいますが、ほとんどの子は本当に痛みを感じています。そして、問題が解決すると、腹痛も消えます。人間の体は繊細なのです。大人も高齢者も、同じです。普段は元気な方が痛みを訴えて、さしたる原因が見つからない場合は、悩みを抱えている場合もあります。

病は気の持ちようでは治せません。治療と手当が必要です。

日本には、「病は気から」ということわざがあります。でもそれは、病気の原因が気のせいであるという意味では、決してありません。
体の不調は、誰にだって辛いものです。それでも、気持ちの持ちようによって、うまく病と付き合っていく方法があるということです。
医学の発達した現代の治療でも、体をいつもいい状態に保つことはできません。薬だけでは治せないものを、治せなくても癒すことができるのが、手をかけて世話してあげる「手当て」の力です。

※掲載情報は公開日あるいは2023年04月09日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。

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