更新日:2020年06月13日
公開日:2019年06月17日
ロコモの略称で知られるロコモティブシンドロームってご存知ですか?ロコモは日本語では、運動器症候群と呼ばれ、身体を動かすのに必要な運動器が衰えることで、つまずきやすくなったり、歩きにくくなったりします。ひどくなると介護が必要な状態になったりもします。今回はロコモティブシンドロームについて説明し、予防法なども紹介します。
ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、骨・関節・軟骨・椎間板・筋肉などの運動器が衰えることによって、立ったり歩いたりという機能が障害されてしまうことを言います。進行すると一人で生活することが困難となり、介護を必要とする場合もあります。また、今は元気でも将来介護が必要になるであろう人のこともロコモと言います。将来寝たきりとならないために、できるだけ早期から対策をしておく必要があると言われています。
高齢者が介護を必要になる理由の一つとして関節の疾患や骨折が原因と言われています。転倒して骨を折ってしまうと骨がくっつくまで病院のベッドで寝たきりになってしまい、その間、どんどんと弱ってしまいます。
平均寿命とは、「生まれてから、亡くなるまでの全国民の平均の期間」であるのに対して、健康寿命は、「健康上の問題で日常生活が制限されることがなく生活ができる期間」と言われています。男性の平均寿命は80歳、健康寿命は71歳、女性の平均寿命は86歳、健康寿命は74歳とされています。誰もが、健康で生活をできる限り楽しみたいと思っています。そんな生活を継続していくためには、普段からの運動習慣が重要となってきます。
ロコモの発症には日ごろの生活習慣が大きく関係していると言われています。また、単一の原因だけでなく、色々な要素が絡み合って起こってきます。運動する機会や日々の活動量が低下すると、エネルギーが消費しきれずに体内に貯まって肥満になってしまいます。もしくは、食事の量が減ってしまい、痩せすぎてしまいます。肥満や痩せすぎになってしまうとますます運動することから遠ざかってしまいます。その結果、腰痛や膝の痛みが出たり、骨粗鬆症や変形性関節症などの運動器疾患にかかりやすくなってしまいます。運動器疾患になってしまうと更に動くことがおっくうとなってしまい、どんどん体が弱ってしまうという悪循環を繰り返してしまいます。
ロコモの対策・予防として足腰の筋力を維持することが大切です。特に大事なことは「毎日の生活の中に適度な運動を入れる」ことと「しっかりと栄養のあるものを食べる」ことが必要です。適度な運動は無理することなくできる軽い運動がおすすめです。いきなり激しい運動をしてしまうと体がついていけず、逆に体を痛めつける結果となりがちです。普段から運動習慣がない方は、軽いウオーキングから始めてみてはいかがでしょうか。一人じゃなく、友達や家族と話しながら楽しく行うのも長く続けるコツです。
毎日の食生活を見直すこともロコモ予防には必要です。ロコモ予防には骨や筋肉の材料となる栄養素を適切に摂ることが求められています。カルシウムやビタミンD、ビタミンKなどの栄養素は骨を強くする効果もあり、骨粗鬆症の予防としても最適です。肉や魚、牛乳からも良質な蛋白質は、筋肉を強くし、筋肉の衰えを防ぐ効果もあります。毎日の食事が偏っていないか、適切な量が食べれているか、一度ご自身の食生活を見直してみましょう。
ロコモティブシンドロームは毎日の心がけで、誰でも予防することができます。まずはウオーキングや簡単な体操など無理なく行える運動習慣をつけていきましょう。運動と同じように栄養のある食生活を継続することも大切です。偏食することなくバランスが良い食生活を意識しましょう。少しでもロコモになる不安がある人は早い段階から生活を見直すことをお勧めします。
※掲載情報は公開日あるいは2020年06月13日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。