介護ローソンについて
ローソンと聞くと、街の至る所で目にするお馴染のコンビニエンスストアですよね。
この(株)ローソンが、2015年4月に介護事業を手掛ける(株)ウィズネットと業務提携した次世代コンビニをさいたま市でオープンさせました。
“みんなと暮らすマチを幸せにします”との企業理念を掲げ小売業を展開するローソンが、認知症グループホーム、介護付有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、ヘルパーステーション、デイサービスセンター、小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業所、訪問看護ステーションなどの運営管理を主に事業展開するいわば介護業のプロであるウィズネットと提携し、お互いの持つ専門性を生かした新しいサービスの展開を行うとあって、少子高齢化が進む日本においてコンビニエンスストアの新しい形になるのでは?と世間の注目を浴びています。
ローソンは、都市部を中心に地域に密着した介護事業所と連携した上記のような介護拠点併設型店舗を2017年までに30店舗展開することを目指しています。
ウィズネットと提携した店舗の特徴
1)ローソンにウィズネットが運営する居宅介護支援事業を併設し、ケアマネージャーまたは相談員が常駐して介護相談等に応じる
2)サロンスペースを設置し、介護予防運動情報や自治体、地域のサークル・イベント情報等を提供、元気な地域コミュニティを応援する
3)ローソンでは従来から陳列している標準的な商品に加えてシニア層にも喜ばれる商品(菓子や日用品、雑誌、書籍、介護関連商品)の品揃えを拡大する
4)ウィズネットの配食サービスと連携し、注文があればローソン商品を届ける買い物サポートを行う
ローソンの狙いと消費者のニーズ
ローソンがこのような介護拠点併設型店舗の展開に乗り出した背景には、わが国における超高齢化社会の進展にあると言えるでしょう。段階の世代が75歳を迎える2025年には、今以上に介護サービスの需要は高まると同時に、介護の担い手が不足することが予想されています。何らかの介護が必要となった高齢者が住み慣れた街で在宅生活を維持するためには介護保険で利用できるサービスに留まらず、生活場面におけるニーズに則したあらゆるサービスを活用していく必要が生じるでしょう。そこで、地域を拠点として事業を展開しているローソンと介護事業所が強みを発揮するというわけです。
ローソン側には、すでに配食等で顧客と配送網を構築しているウィズネットと連携し配食に加えて必要な自社商品を併せて購入してもらえることで販売促進に繋がりますし、ウィズネット側には地域の拠点であるローソンを窓口として気軽に介護問題の相談を受け付けることができ、自社が提供する介護サービスを求めている顧客の開拓に繋がるというメリットがあると予想されます。
また、この店舗を利用する消費者側からしても、従来と同じような手続きの中で日用品や介護用品など必要な買い物のサポートを受けることができ、行政に相談に行くよりも身近な場所で専門家に介護問題を相談することができるわけですからメリットが大きいでしょう。しかも、地域密着型介護事業所となると地域の介護情勢や社会資源にも詳しいですから相談するにも心強いですね。
ローソンの玉塚元一社長は、“10年後には介護が重要な社会になっている。介護ヘルパーや介護をする家族が増える。この事業を進める中で地域に貢献し、情報拠点となることが大事”と介護拠点併設型店舗の存在意義を唱えているそうです。ぜひ、さいたま市の1号店が成功モデルとなり全国に拠点を拡大してもらいたいものですね。
※掲載情報は公開日あるいは2023年04月09日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。