増える高齢者人口
現在の日本における65歳以上の高齢者人口は、3384万人(平成27年9月15日推計)で、総人口に占める割合は26.7%となっています。高齢者の総人口に占める割合は、昭和25年(4.9%)以降一貫して上昇が続いており、60年に10%、平成17年に20%を超え、平成27年の数字は人口・割合共に過去最高です。今後ますますこの数字は高まっていくことが予想され、「団塊の世代」が75歳以上となる2025年には3,657万人に達すると見込まれています。
介護職員のニーズも増加
厚生労働省が発表した「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」によると、「2025年度に介護職員が約253万人必要になるが、供給の見込みは約215万人で、37.7万人不足する」ということが言われています。2017年は94%となっている介護職員充足率は、年々低下し、2020年には91%となり、2025年には85%まで下がってしまうそう。介護サービスの需要に対して、人材の供給が追い付いていないのが現状です。
高齢者の数は年々増え続けているので、介護職員のニーズもそれに伴って増大していくことは間違いありません。
都市部で介護職員は不足する
2025年度の介護人材需要推計を都道府県別で見ると、最も充足率が低くなる事が予想されているのは宮城県です。充足率69%、1万4136人が不足すると予想されています。続いて、群馬県73.5%、埼玉県77.4%、栃木県78.1%と関東の県が並びます。
充足率が最も高かったのは島根県で、98.1%です。東京都は充足率85.3%と全国平均程度になると予想されていますが、人口も多いので、不足数は3万5751人と全国で最も数が多いです。また、首都圏は人件費も地価も高いので、需要に合った介護施設を作ったり、人を雇ったりすることが簡単にできません。
高齢者人口の増加が見込まれる都市部での介護職員不足が懸念されています。
介護士には今後、より専門性が求められる
介護福祉の分野は現在でも需要が高い職業ですが、今後はさらに高まっていくことが予想されます。ただ、誰でもいいというわけではありません。介護を受ける側も、より質の高いサービスを受ける事を望んでおり、そこにはより専門性が求められます。介護福祉の分野の中でも、介護福祉士は高い技術と知識を持つ人材として、上位資格として位置づけられています。介護福祉士としてのスキルアップのハードルも高くなっています。介護福祉の分野への就職を考えている方は、専門性を持つという意識を持つと、今後活躍できるかもしれません。
※掲載情報は公開日あるいは2023年04月09日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。