期待される外国人介護士の現状と問題点

公開日:2020年04月17日

更新日:2020年06月13日

介護をする外国人

期待される外国人介護士の現状と問題点

介護業界の人手不足は深刻な問題です。特に、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、少子高齢化の問題が一気に表面化してくる「2025年問題」は今後日本が抱える最大の課題点です。
現在、深刻な介護人材の人手不足を解消するために、期待されているのが外国人介護士です。
日本はフィリピン、インドネシア、ベトナムなど東南アジア諸国と経済連携協定(FTA)を結び、外国人介護士候補を受け入れました。しかし、現状では当初政府が掲げていた目標の確保すべき外国人介護士人数は達成できていません。その背景には、外国人介護士を受け入れるにあたって様々な問題点があるからです。

言葉による壁

外国人介護士受け入れによって、一番懸念されているのが言語による壁です。
介護現場では、きめ細やかなサービスが求められます。要介護者の要望をしっかりと理解し、サービスに反映させるコミュニケーションスキルは必須です。要介護者、介護者、共に意思疎通が上手くいかなければ、ストレスとなり、介護どころの話ではなくなります。
また、外国人介護候補生は、規定年数以内に介護福祉士に合格しないと強制帰国させられます。介護福祉士の試験は当然すべて日本語で書かれており、難解な専門用語が並びます。日本人でも合格率60%前後程度であるにもかかわらず、外国人介護候補生は試験に一発で合格しないとならないのです。
日本語取得が難しく、帰国する外国人介護候補生は後を絶ちません。

ホスピタリティはいかほどに

介護サービスの中には、家事援助サービスも含まれています。文化・習慣の異なる外国人介護士が、日本人の食文化などを理解し、要介護者の望む家事援助サービスを提供できるか不安視されています。
一方で、外国人のホスピタリティ(おもてなしの心)を高く評価する意見もあります。特に、お年寄りを大切にする国で生まれ育ったフィリピン人のホスピタリティは世界に認められています。日本人が気づかないような点にもよく気づき、外国人介護士を受け入れた介護施設からは「大変満足」という声が上がっています。

日本人による反発

日本人要介護者やその家族から外国人介護士からサービスを受けるのは抵抗があるといった声があります。偏見などからトラブルに至るケースも増えています。
介護は信頼関係によって成り立っているので、お互いの文化的・歴史的偏見を解消することが早急に求められます。
また、同じく現場で働く日本人介護士からも不満の声が上がっています。日本人介護士は、外国人介護士の研修を行いながら、自分の業務も行います。なのに、給料はほぼ同じ。日本人介護士の負担が増大しており、日本人介護士の方が離職していくという新たな問題も生まれています。

課題は定着してくれるか

外国人介護候補生が無事、介護福祉士に合格しても、母国に帰国してしまうケースもあります。グローバル化が進み、日本企業が外国に多数進出したことによって、日本語が話せる外国人介護士の需要は世界でも高いのです。
文化的摩擦が生まれてしまう異国よりは、自国で働きたいと願うのは当然の考えではないでしょうか。
一方で、日本で定住して介護士として働きたいと考える外国人介護士も多数います。彼らをしっかりとサポートする制度が必要とされています。

これからの介護について

少子高齢化は日本だけの問題でもありません。欧米などの先進諸国も抱えている問題であり、そのうち、介護人材は争奪戦になります。
「人材補填のため安い外国の労働力を入れる」といった考え方では、確実に誰も日本で介護をしたいと思わないでしょう。
介護が提供するのは、商品ではなくサービスです。人と人との信頼関係で成り立つものです。その辺をしっかりと理解したうえで、外国人介護士の受け入れ政策をしていけば、日本の高齢者社会を助けるものとなるでしょう。

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