更新日:2023年04月10日
公開日:2019年07月22日
初めて転職をする介護職員さん。「退職は決まったけど、そのあとの手続きが分からない」「いつまでに手続きしないといけないんだろう」と悩んでいませんか?職場に迷惑はかけたくない。そんな方に退職後に必要な手続きを詳しく解説していきます。
退職をすると今まで加入していた厚生年金や健康保険の資格がなくなってしまうことは皆さんご存知でしょうか?
そのため、自身で様々な手続きをしなければいけません。
転職する介護職員さんのなかには【退職の翌日に新しい職場に入職する】または、少しのんびりするために【退職1ヶ月後に新しい職場に入職する】など働き始める時期は人それぞれです。
その人の状況により、退職の手続きの進め方も異なります。
自分に必要な手続きはどれなのか、しっかりと把握して確実に済ませましょう。
退職日の翌日に転職先へ入職する場合は、自分で手続きをする必要はありません。
基本的に全て会社が行ってくれます。
手続きのために転職先に提出しなければならない書類があるので準備しておきましょう。
下記の提出物は一般的に入職の際に必要です。
しかし、提出が必要なものは職場によって異なる場合もあるので事前に担当者に確認しておくとよいでしょう。
<転職先に提出するもの>
・雇用保険被保険者証
・健康保険資格喪失証明書
・健康保険被保険扶養者異動届 (扶養家族がいる場合)
・年金手帳
・源泉徴収票
翌日に入職すると失業期間がないので、失業手当の給付は受け取れません。
次の職場に入職するまで1日でも期間があいてしまうときは、自分で各種手続きをしなければなりません。
各種手続きとは、失業保険、年金、健康保険、住民税、所得税のことです。
手続きの種類ごとに期限があるので早めに行いましょう。
それでは、手続きの方法を詳しく説明していきます。
失業保険は受給するために以下の2つを両方満たしていることが条件になります。
(1)雇用保険の加入期間
在職中に雇用保険に加入していることが必須。
雇用保険加入者のうち保険に入っていた期間が退職日の2年間で通算12ヶ月以上あることが条件。
(保険に入っていた期間というのは退職した日から遡って、その月に労働した日数が11日以上ある月のことです。)
(2)働く意思と能力がある
そのなかでも特に以下の3つが該当しているかが必須
・就職したいという積極的な気持ちがある
・いつでも就職できる能力がある(家庭環境、健康状態など)
・積極的に求職活動しているが、就職ができない状態
以上2つの条件があるので誰でも失業保険を受け取れる訳ではありません。
対象者とはいえ、自動的に受け取れるわけではなく、必ず手続きをします。
退職後に離職票が交付され次第すぐ、居住地の管轄のハローワークで失業保険の申請をします。
失業保険とは働く意志はあるのに仕事がない状態の方が受給できる手当の事です。
退職後、起業したり専業主婦になる人は受給できません。
自己都合退職とは家庭の都合などを理由に、自分の意思で退職を申し出ることです。
その場合、失業保険給付期間はどう変わるのか見ていきます。
上の表のように、離職後ハローワークに行き、受給資格があることを確認して7日間は「待機期間」があります。
失業保険の給付日数は90日~150日で、申請から受給されるまでに最短でも2ヶ月7日(※)かかります。
受給の期限は退職日から1年間で、過ぎてしまうと残っている日数は貰えません。
また、満額受給できなくなる可能性もあるので、離職票が郵送されたら早めに手続きをしましょう。
(※)令和2年10月1日より自己都合退職の給付制限期間が原則「2ヶ月」に短縮されるようになりました。ただし2ヶ月の給付制限期間が適用されるのは「5年間のうち2回まで」と限定されています。5年間に2回以上の自己都合による離職をしている場合の給付制限期間は3ヶ月となります。
詳しくはお近くのハローワークや都道府県労働局にお問い合わせください。
「失業等給付を受給される皆さまへ」
手続きに必要なものは以下の通りです。
<必要なもの>
・雇用保険被保険者証
・離職票1(退職後会社から郵送)
・離職票2(退職後会社から郵送)
・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・印鑑
・写真2枚(直近3ヶ月以内、縦3㎝×横2.5㎝)
・本人名義の普通預金通帳
自己都合であっても正当な理由があると認定されれば、2ヶ月の給付制限がかからない場合もありますので、ハローワークで相談してみてください。
会社都合退職とは、経営破たんなど退職原因が雇用主側にあり、一方的に労働契約を解除されることです。
さらに、勤務地移転に伴って通勤困難になったり、何らかのハラスメント被害を受けたことなど、自分の意思とは関係なく退職を余儀なくされたときです。
では会社都合退職をした場合、失業保険給付期間はどうなるのか見てみましょう。
上の表のように、離職後ハローワークに行き、受給資格があることを確認してから7日間は「待機期間」があります。
失業保険の給付日数は、90日~330日です。
申請して7日間の待機期間が終わってから、手続きなどを含めて約1ヶ月後に受け取ることができます。
手続きに必要なものは以下の通りです。
離職票は、退職後10日以内に交付されるので郵送されたら早めに手続きを行いましょう。
<必要なもの>
・雇用保険被保険者証
・離職票1(退職後会社から郵送される)
・離職票2(退職後会社から郵送される)
・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・印鑑
・写真2枚(直近3ヶ月以内、縦3㎝×横2.5㎝)
・本人名義の普通預金通帳
職場で厚生年金に加入していた介護職員さんは年金の切り替え手続きをする必要があります。
年金の切り替えは
(1)国民年金
(2)家族の社会保険の扶養に入る
の2種類があります。
以下を参考に自分がどちらの手続きをしなければならないのか確認しておきましょう。
(1)国民年金は、退職後14日以内に居住地の市町村役所の国民年金窓口で手続きをしましょう。
<必要なもの>
・年金手帳
・離職票または退職証明書
・身分証明書(運転免許証など)
・印鑑
(2)家族の社会保険の扶養は、退職後早めに家族の勤務先で手続きをしましょう。
<必要なもの>
・国民年金第3号被保険者該当届
・世帯全員の住民票(被保険者と別姓の場合)
・源泉徴収票
・離職票または退職証明書のコピー
・失業保険や年金を受給している場合、受領金額がわかる物のコピーも
年金についてさらに詳しく知りたい方はこちらへ
健康保険の切り替えをする必要もあります。
健康保険の切り替えは
(1)これまで入っていた健康保険を任意継続する
(2)国民健康保険に加入する
(3)家族の社会保険の扶養に入る
の3種類があります。
加入条件があったり、居住地によって保険料が変わることもあるので自分にふさわしい方を選びましょう。
(1)これまで入っていた健康保険を任意継続する場合、退職後20日以内に会社か健康保険組合で手続きをしましょう。
健康保険組合の場合は郵送も可能です。
<必要なもの>
・健康保険任意継続被保険者資格取得申出書
・住民票
・1ヶ月分の保険料
・印鑑
(2)国民健康保険に加入する場合、退職後14日以内に居住地の市町村役所の国民年金窓口で手続きをしましょう。
<必要なもの>
・健康保険資格喪失証明書
・各市町村で定められた届出書
・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・印鑑
(3)家族の社会保険の扶養に入る場合、退職後できるだけ早く家族の勤務先で手続きをしましょう。
<必要なもの>
・健康保険被扶養者異動届
・世帯全員の住民票(被保険者と別姓の場合)
・源泉徴収票
・離職票または退職証明書のコピー
・失業保険や年金を受給している場合は、受領金額がわかるもののコピー
任意継続をのぞいて健康保険は年金と手続きが同じケースが多い為、同時に行うことをおすすめします。
住民税は、前年1月~12月までの所得で、その年に支払わなければいけない住民税の金額が決定します。
そして、6月~翌年5月までに後払いで納める仕組みになっています。
退職して1ヶ月以内に転職先に入職する場合は、転職先の給料から天引きしてもらうこともできます。
1ヶ月以内に入職しない場合は、退職月により支払い方法がかわります。
【1月~5月に退職する介護職員さん】
5月までに納めなければいけない住民税を、最後の給料から一括で支払います。
例えば、1月末退職の場合、2月に支払われる給料から2〜5月の4ヶ月分の住民税が引かれます。
人によっては1万円近く引かれてしまう場合もありますので、事前に住民税で引かれる額を確認しておきましょう。
【6月~12月に退職する介護職員さん】
翌年の5月までの住民税を最後の給料から一括で支払うか、分割して自分で納めるか選べます。
分割で支払いたい場合は、退職前に職場で普通徴収に切り替えてもらう必要があります。
そして、市区町村から送られてくる納付書で残りの住民税を払います。
所得税は、1年間の収入を想定したうえで月割りで給料から徴収されています。
なので、退職によって収入が低くなった場合などは、余分に支払った所得税を返してもらえます。
所得税の手続きは再就職する時期によって2つに分かれています。
【年内に再就職する場合】
年内に再就職をする場合は、転職先の職場が12月に年末調整の手続きをします。
前職場の源泉徴収票や控除証明書などの必要な書類を提出するのみで、自ら手続きに行く必要はありません。
【年内に再就職しない場合】
年内に再就職をしない場合は、翌年の2月中旬~3月中旬に確定申告の手続きをしましょう。
確定申告には、「源泉徴収票」「控除証明書(国民年金や医療費など)」「印鑑」などが必要なのでしっかり準備しておきましょう。
確定申告は、税務署で手続きをしますが、郵送やインターネットを利用することも可能です。
詳しい方法や条件などは以下のページをご覧ください。
介護職の退職手続きは、一般企業の退職手続きと変わりはありません。
これらの必要な手続きを行わないでいると、すべての失業手当が貰えなかったり、医療費全額負担になるなど損をするおそれもあります。
そうならないために、必要書類を揃え、スケジュールをしっかり立てておくことがスムーズに手続きを終わらせるポイントです。
退職手続きは大変重要な手続きです。自分はどの手続きをしなければいけないのかを把握し、期限内に終わらせましょう。
新しい職場が決まったら入職するまでに手続きをしなければなりません。
初めての転職ですと、何から始めたらよいのか分からないことも多いと思います。
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※掲載情報は公開日あるいは2023年04月10日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。