更新日:2023年04月10日
公開日:2020年06月10日
介護職に就いてまもない方または既に働いている方で利用者との会話で話題に困ったことはありませんか?
「どんな会話をしたらいいんだろう」「今話しかけたらまずいかな?」など気を遣ったり様子を伺っているうちにタイミングを逃してしまうなどということがあるはずです。
そんな方のために本コラムでは会話の話題について
■会話の前に注意すること
■話し方ポイント
■聞くときのポイント
■参考にしたい話題 を紹介していきます。
利用者だけではなく、ご家族やスタッフと会話をするときにも参考にしてみてください。
はじめに、会話をする前の注意点について解説していきましょう。
あいさつ程度ならまだしも、なにかしている際中で急に話しかけられると誰でもビックリしてしまいますよね。
高齢者であると余計に心拍数が上がってしまったり、むせこんでしまったりもあるかもしれません。
では、話しかけるときにどんなことに注意したらいいのでしょうか、1つずつ見ていきましょう。
例えば相手が食事中の場合、話しかけられることによってむせこんでしまったり、その後の食事が進まなくなる可能性があるので控えたほうが良いでしょう。
また、疲れた様子が伺えるときは転倒リスクが高まるおそれがあります。
歩いているときもつまずいて転倒してしまうれがあるため注意。手すりが近くにあることを確認するか、いつでも支えられる状態にいることを意識しましょう。
このように、利用者がどんな状況にいるのかを判断してから会話を始めると良いでしょう。
利用者によって話してはいけない禁句ワードがある可能性があります。
そのワードを出してしまうことで心に傷を負ってしまったり、嫌なことを思い出させてしまい気持ちを閉ざしてしまうことも。
そうならないように、入居の際の聞き取り(アセスメント)で家族に聞けることを聞いておくと良いでしょう。
アセスメントについてはこちらのコラムで詳しく紹介しています。
■「ケアマネ必見!アセスメントのコツ&アセスメントシートの書き方まとめ」
急に大きな声で話しかけられると、利用者でなくても誰でも驚いてしまいます。
そのため、話しかけるならば落ち着いた声でゆっくりと、そして徐々にその人に合わせて会話のテンポや声の大きさを変えていきましょう。
ここまで、話しかける前の注意点について話してきました。
それでは次に、実際に会話をしていく時のポイントを解説します。
まずは話し方のポイントについて1つずつ見ていきましょう。
利用者のなかには耳が遠い方がいると思いますが、その方と話すときには耳元で大きな声でゆっくり話しましょう。大きな声といっても落ち着いた声ではっきり話すというイメージです。
耳が遠くなっている多くは老化が原因ですが、聞こえないとから言葉も理解できないと勘違いしてしまうこともあります。そのため、高齢者のことをよく理解しておくことも大切です。
会話によって声のトーンを変えることも気にしながら話してみてください。
例えば、フラットに「それは悲しいことですね」と言った場合と、声のトーンを下げて切なげに「それは悲しいことですね」と言った場合。
確実に後者の方が共感していると捉えられるでしょう。
まず、利用者は人生の先輩だということを忘れないようにしましょう。
その先輩である方のお世話をするわけなので、決して赤ちゃん言葉などは使ってはいけません。
例えば、自力で歯磨きできなかった方が歯磨きできたときに「○○さんえらいですね、よくできましたね」などまるで子供を褒めるような言い方ということです。
言っている方は悪気は無いとしても、言われている利用者は悲しく、みじめな気持ちになってしまうこともあります。
このことから、言葉の選択にはしっかり注意しておくことが大事となります。
言葉もそうですがより多くの情報を伝えるのが非言語である「態度」です。
これは顔の表情や動作、目の動き、手の動き、足の動きも交えて伝えたいことを表現し、相手に伝えるコミュニケーション方法です。
例えば、利用者が話し出したら少し前のめりになったり、あたたかいまなざしを向けることで「あなたの話に興味があります」という表現になるということです。
また、利用者のADL(日常生活動作)はそれぞれ異なるため、口から言葉を発することがうまくできない方もいます。
その方のためにも非言語コミュニケーションを取り入れたり、メモを使って会話する方法も取り入れてみることも必要です。
コミュニケーションに関してはこちらのコラムもご覧下さい。
■「詳しく解説!介護のコミュニケーションで大切なこととは!?」
次に、利用者の話を聞くときのポイントについて1つずつ見ていきましょう。
聞く姿勢が高く目線も上からになると、上から目線で偉そうに話を聞いているように思われたり、怖がられてしまうことがあります。
そのため、話を聞くときは目線を合わせるか少し下から見上げるようにし、顔の表情がしっかり見えるようにしましょう。
また、顔の表情が見えることで話したい雰囲気かどうかも見分けることができます。
話を聞くときは、利用者の話に真剣に耳を傾ける「傾聴」が基本的な姿勢です。
利用者に起こった出来事を自分に立場を変えて共感しながら聞くことで、「その後どうなったんですか?」などといった会話が自然と広がり相手が話を続けやすくなるでしょう。
しかしその際、興味があるふりをするのはよくないです。
嘘をつくと表情に出るなどすぐに相手に伝わってしまうので、逆に信頼関係を崩しかねません。
また、話の最中で反応がなにもないと本当に話を聞いているのかわかりません。これは介護職でなくてもあり得ることです。
「聞いている」ということがしっかりと相手に伝わるように、声をだしてあいづちをうったりうなずくことが重要になります。
相手の話を繰り返すことで、「しっかり聞いています」ということを伝え安心感を与えることができるでしょう。
例えば、利用者が「昔○○をしていてねぇー」と話したとしたら「○○さん昔○○をしていたんですね」など、しっかり聞いているということを表現します。
また、繰り返すことで相手のことをよく知れたりフレーズを覚えるため、次に会話するときの話題にも取り入れやすくなるでしょう。
ここまで会話のポイントについてお伝えしてきました。
続いて、認知症の方や視覚に障害がある方との会話について見ていきましょう。
認知症の方は脳の委縮などによる記憶障害が原因で物や人の名前が出てこない、妄想やせん妄がおこる、重度になると介護を拒否したり言葉を完全に発さなくなるなどの特徴があります。
症状の差はあるものの多くの方が不安を抱えながら生活しており、常に「自分と話してる人は誰だろう」「ここはどこだろう」という状況にいます。
そのためコミュニケーションを取る際は、以下のことに気を付けましょう。
・笑顔でゆっくり話す
・不安なことを聞いて共感する
・言っていることを否定しない
・手を握るなどのスキンシップを交える
上記を意識しながら会話するだけでも、認知症の方が抱える不安感は和らぐでしょう。
視覚に障害がある方は言葉が大切な会話の頼りとなりますが、いくつか注意しなければならないことがあります。
はじめに、いきなり話しかけることはしてはいけません。
なぜなら、視覚からの情報が得られない障害者にいきなり話かけることは、健常者が後ろから誰かに驚かされることと同じだからです。
まずは「ここにいますよ」という気配を感じとってもらったあとに、ゆっくりと話しかけましょう。
また、「あれ」や「これ」などの指示語は適さないので、必要なことを具体的な言葉で説明することが大切です。
さらに、一回に話す内容量が多すぎたり、回りくどい言い方も理解しづらいことがあるので気を付けましょう。
それでは最後に、利用者との会話がなかなか続かない方へ、参考になるような話題をまとめたので見ていきましょう。
利用者と会話をするなかで話が広がらなかったり会話が思うように弾まないと感じる方も多いでしょう。
そんな方へ、どんな話題を持ちかけたら利用者との会話がうまくいくのか1つずつ解説していきます。
■趣味や興味のあること
利用者だけでなく誰であっても、自分の趣味や興味のある話題が出ると話したくなりますよね。
また、共通の話題に共感できる人がいてくれると会話が盛り上がったり相手への安心感も高まるでしょう。
■若い頃の話
例えば、女性の方であれば昔流行した洋服や髪型など、男性だったら乗っていた車の話やスポーツの話などがあります。
昔と今を比べてみたり、若い頃を思い出すことで記憶をたどろうと頭が働くので脳の活性化にも繋がるでしょう。
■ 好きな芸能人の話
利用者の年代であればやはり演歌歌手や舞台俳優などが好きな方も多くいるでしょう。
その話題から、演歌を一緒に歌ってみたり舞台セリフを言ってみたりすることでさらに会話が広がります。
また、好きな芸能人の写真をスクラップしてまとめたり、歌詞カードなどを一緒に作ることで手先を動かしながら楽しむことができるでしょう。
■ 生まれ故郷の話
利用者がどんなところで生まれ育ったか、故郷の有名なものは何があるかなど詳しく聞いていくうちに会話が広がります。
そこから名物を当てるゲームなどのちょっとしたレクリエーションにも繋がってくるでしょう。同郷であればさらに話が盛り上がるかもしれません。
介護における利用者との会話の話題についてお伝えしてきました。
利用者からの情報だけではなく、職員や利用者の家族がいる場合は協力し合い、情報共有することで普段の会話もより実りあるものになるでしょう。
また、自身が「会話をしよう」「内容には気を付けよう」と身構えることにより、相手も会話しにくい雰囲気になりかねません。
普段のなにげない会話を通して、利用者・家族そして職員との信頼関係を築いていくことが今後の利用者の生活にも深く関わってくるでしょう。
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