更新日:2023年04月11日
公開日:2020年06月15日
「あれ、今日は全然食べてくれない・・・」
「飲み込みにくそうだな」
高齢者の食事を用意している介護職員、栄養士、調理師、在宅介護をする方々であれば、こんな経験が一度くらいあるのではないでしょうか?
介護食作りや食事介助に携わる皆さんに、役立つ介護食の資格をご紹介します。
本コラムでは、
■介護食の資格で学べること
■介護食の資格が役立つ場面
■代表的な3つの資格の特徴や違い
について解説しています。
介護に携わる多くの人が経験する食事作りや食事介助。
咀嚼力や嚥下機能が低下した要介護者の食事の準備は、簡単ではありません。
知識がなければ、介護食が一般食とどう違ってどんな工夫をすればよいのかわかりませんし、介助がうまくできなければ作った料理を食べてもらえないこともあるでしょう。
このようなお悩みを持つ方におすすめの介護食に特化した資格があります。
代表的な資格は下記の3つです。
・介護食士
・介護食アドバイザー
・介護食コーディネーター
介護食に関する不安や悩みは、正しい知識・技術を学ぶことで解決できますのでご安心ください。
現場で活躍できるスキルをつけたい方にもこれらの講座は必ず役立つでしょう。
では、3つの資格の違いについて解説していきます。
早速、それぞれの資格の特徴を一覧で比較していきましょう。
大きな違いとしては、介護食アドバイザー・介護食コーディネーターは通信で取得できる資格ですが、介護食士は、学校などの施設での受講が必要となる点です。
資格取得の難易度が最も高いのは介護食士です。
他の2つの資格に比べて期間も費用もかかります。
しかしその分だけ学習内容が深く、資格の権威性が高いため、介護従事者が知識習得・スキルアップのために取得するなら介護食士資格がおすすめではないでしょうか。
介護食アドバイザーは通信講座ですが、700日間長期学習サポートや無料質問サポートなど手厚いバックアップ体制があります。開業・就職支援といった、資格取得後のサポートまであるのが強みです。
介護食コーディネーターは他の2資格に比べてやさしく学べる講座です。
在宅介護をする方など、より大衆向けの内容になっています。
通信で学習可能、Webコンテンツも豊富で、すきま時間で学べる点が大きなメリットです。
ではそれぞれの資格の特徴を見ていきましょう。
介護食士は公益社団法人 全国調理職業訓練協会が設立した内閣総理大臣認定の民間資格です。
介護に携わる方の調理技術向上を目的とした資格で3級~1級まであります。
講習会を開講している学校や施設で(専門学校など)受講が必要です。
どの級も72時間のカリキュラムを受講し、修了試験に合格して資格取得となります。
◆開講施設
筆記試験と実技試験です。
どちらも60点が合格ラインです。
また修了試験を受けるには、講習会の出席率が80%以上でなければいけません。
約70,000〜90,000円
※学校によって異なります。
他の2資格との一番の違いは内容の充実度です。
各級で受講時間が72時間あり、学科・実技ともに深く学習できます。
また充実したテキストのもと、介護食に関することだけでなく医学的な知識や心理学、栄養学、食品学といった介護に関連した内容についても学びます。
●3級 資格不要(誰でも受講可)
・高齢者の身体的機能の特徴
・栄養素の知識
・食品や調理する際の衛生の知識
・おいしく、食べやすく、飲み込みやすい「介護食」の技術
学科(25時間)
・介護食士概論
・医学的基礎知識
・高齢者の心理
・栄養学、食品学、食品衛生学
実習(47時間)
・調理理論・調理実習Ⅰ
・調理理論・調理実習Ⅱ
●2級 介護食士3級を取得した方が対象
・医学的基礎知識
・高齢者の心理
・食材の衛生管理
・おいしく食べやすい「介護食」の普通食からの展開方法
・生活習慣病予防食
学科(16時間)
・医学的基礎知識
・高齢者の心理
・栄養学、食品学、食品衛生学
実習(56時間)
・調理理論、調理実習
●1級 介護食士2級を取得後、2年以上介護食調理の実務に従事した25歳以上の方が対象
・栄養状態の判定
・低栄養を考慮した献立作成
・食品と薬の関係
・身体機能低下や疾病を想定した献立作成、調理技術
学科(32時間)
・医学的基礎知識
・高齢者にかかわる制度
・栄養学、食品学、食品衛生学
実習(40時間)
・調理理論、調理実習
さらに詳しい情報は公式サイトを↓
◆介護食士
一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)が認定する介護食資格。
介護食に関する専門知識を総合的に学び、介護食を作る技術を備えていることを証明する資格です。
通信で受講可能なため、ライフスタイルに合わせてスケジュールを組めます。
700日間長期学習サポート(約2年間)や無料質問サポートなど手厚いサポート制度があり、独学が不安な方でも継続学習しやすいでしょう。
協会指定の認定教育機関にて介護食アドバイザーの全カリキュラムを履修し、修了試験に合格して資格取得となります。
正解率70%以上が合格ライン。
試験は在宅受験可能で、テキストを見ながら受けられるため丸暗記や制限時間の心配が不要。
難易度は低めです。
講座費用:約40,000円
試験費用:5,600円(税込)
・高齢者の心理
・栄養学の基礎知識
・介護食の基礎知識
・高齢期の病気と食生活
上記の範囲を、認定教育機関キャリアカレッジジャパンの通信講座にて履修します。
ミキサー食やきざみ食ではなく、軟菜食・ソフト食の作り方を習得できます。
●テキスト内容
第1章 高齢者の体と心
・老化による体と心の変化|高齢者がかかりやすい症状と病気
・認知症とは|高齢者との接し方 など
第2章 摂食・嚥下障害
・摂食・嚥下障害|誤嚥と窒息
・口腔ケア|口腔機能トレーニング など
第3章 高齢期のための栄養学
・栄養学の基本|高齢期の食と栄養 など
・介護食の作り方・食べさせ方
・介護食レシピ
さらに詳しい情報は公式サイトを↓
◆介護食アドバイザー資格取得講座
一般社団法人 日本味育協会認定の介護食コーディネーター講座はユーキャンで学べる介護食資格です。高齢者のための安全でおいしい手作り介護食の作り方が学べます。
50種類を掲載した介護食レシピ集もついていて実用的。
家族の食事作りや自身の老後に備えて受けられる方も多い講座です。
目安の学習期間は3ヶ月ですが、6ヶ月目までは添削や質問サポートなどのサービスを受けられます。
受講期間内に課題を提出し、修了試験に合格することで資格取得となります。
講座終了後に自宅で受験でき、期間中であれば何度でも再試験を受けられます。
テキストを見ながら自分のペースで試験にチャレンジできます。
約30,000円
・高齢者に必要な栄養知識
・食事介助
・衛生の基本知識
・介護食の調理法やコツ
上記の範囲を、ユーキャンの通信講座にて履修します。なお、嚥下食には対応していません。
●テキスト1
・高齢者に必要な栄養知識
・食事介助
・配膳のポイント
●テキスト2
・介護食の調理のコツや工夫の仕方
さらに詳しい情報は公式サイトを↓
◆介護食コーディネーター
介護食について学べる資格
・介護食士
・介護食アドバイザー
・介護食コーディネーター
をご紹介しました。
介護従事者、介護食に携わるお仕事をされている方が、本格的な知識と技術を身につけるのであれば、介護食士がおすすめです。
通信で学べてフォロー体制が充実しているのは、介護食アドバイザー。
より一般の方向けでのやさしく学べる講座は、介護食コーディネーター。
それぞれに特長があります。
より詳しい内容については公式サイトでご確認ください。
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※掲載情報は公開日あるいは2023年04月11日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。