知っておこう!入浴介助の基本とポイント

公開日:2020年07月03日

更新日:2020年07月06日

知っておこう!入浴介助の基本とポイント

介護をしていくなかで必要不可欠なケアの一つが入浴介助です。
入浴は体の清潔を保つだけではなく、リラックス効果や関節の痛みを和らげる効果もあります。
そんな重要な役割を持つ入浴ですが、介助をするには不安があるという方も多いはず。
そこで、このコラムでは入浴介助の手順や大切なポイントなどを詳しく解説していきます。
安心、安全に入浴介助をするための参考にしてみてはいかがでしょうか?

はじめに、入浴前におこなっておくことや必要なものなどを見ていきましょう。

入浴介助前に必要な声かけと準備

入浴前の声かけ
利用者に「お風呂の日」であることを事前に伝えておきましょう。
事前に伝えて心構えをしてもらうことが必要です。
なぜなら、突然伝えてしまうと心の準備が出来ていない不安感から、お風呂を拒否してしまう利用者もいるからです。
拒否された場合、無理強いをしてはいけません。
「今日は頭だけ洗う」場合によっては「次回にする」など、利用者に合った方法に変えましょう。
また、入浴される場合は排泄を済ませておいてもらいましょう。

準備すること

必要物品の準備
・着替え、必要な方にはオムツや尿取りパッド
・タオル(吸水性の高いもの) 大小用意しておくと便利です。
・爪切り 
・保湿剤や利用者に処方されている軟膏など
 
浴室の準備 
・お湯を溜める 38度~40度くらい 
・浴室や脱衣所を暖房器具などで温めておく 
入浴後に室温が低いとヒートショックが起こる可能性があります。
・体を洗うためのスポンジやタオル
・転倒防止のマットやシャワーチェア、簡易手すり
・水分補給用の水

介助者が準備するもの
・濡れてもいい服装に着替え、必要であれば撥水加工のエプロンをつける
・濡れても滑りにくいサンダルや靴を履く
・介護用のゴム手袋を用意(感染症を持っている方を対応するときや、排泄物を処理する際に使用します)

これらの準備ができていないと利用者を待たせてしまい、転倒などの事故に繋がる
可能性もあるのでしっかり準備しておきましょう。

また、入浴前には利用者の体温・血圧・脈などを測った後、呼吸や顔色などを見て入浴できるかの判断をします。看護士がいる施設であれば看護士と相談して決めましょう。

洋服の脱ぎ方

■上着の脱ぎ方

1.拘縮や麻痺のない腕から先に脱ぎます。 2.服を持ち上げ頭を通します。

3.もう一方の腕も脱ぎます。

1.拘縮や麻痺のない腕から先に脱ぎます。2.服を持ち上げ頭を通します。3.もう一方の腕も脱ぎます。

■ズボンの脱ぎ方

1.つかまりだちのできる手すりや椅子を置き立ってもらいます。バランスを崩したときにすぐ座れるよう後ろに椅子を用意しておきましょう。 2.立ってもらっている間にズボンを下げます。

3.一旦椅子に座ってもらい上着と同じで拘縮や麻痺のない足から先にズボンを脱ぎます。 4.そのあともう一方の足を脱ぎます。

1.つかまりだちのできる手すりや椅子を置き立ってもらいます。バランスを崩したときにすぐ座れるよう後ろに椅子を用意しておきましょう。
2.立ってもらっている間にズボンを下げます。
3.一旦椅子に座ってもらい上着と同じで拘縮や麻痺のない足から先にズボンを脱ぎます。
4.そのあともう一方の足を脱ぎます。
※下着と洋服は一緒に脱がず、別々に脱ぎましょう。
一気に脱がそうとすると首周りが苦しくなってしまったり、アザになる可能性があるからです。

次に、入浴する際の手順や大切なポイントについて解説していきます。

入浴介助の手順や大切なポイント

滑らないよう足元に注意しながら、シャワーチェアーに腰かけてもらいます。
その際、シャワーチェアーが冷えている可能性があるのでお湯で温めてから座ってもらうようにしましょう。
そして、足元からゆっくりシャワーでお湯をかけていき、温度を確認しながら少しずつお湯に慣れてもらいます。

ポイント:お湯をかける際に「背中流していきますね」などの声かけをしましょう。
急にお湯がかかると利用者はビックリしてしまします。必ず一声かけてから次の動作をしましょう。

ある程度体を温めたら、頭を洗っていきます。
指の腹でやさしくこすり、痒いところがないか聞きながら洗います。
シャンプーの流し残しがないように、すすぎはしっかりおこないましょう。

ポイント:シャワーヘッドに人差し指を引っかけ、温度を確認しながら洗っていくと急に水が出たりしたときにすぐに対応できますよ。

体はボディタオルやスポンジでやさしく洗っていきます。
高齢者の方は皮膚が乾燥しやすく傷つきやすいので、力を入れてこすらないよう注意しましょう。
また、皮膚の油分を必要以上に落としてしまわぬように石鹸はつけすぎないように。
汗をかきやすい場所(脇、乳房の下、肘や膝の内側など)は、特に洗い残しがないよう
に気をつけてください。
洗う順番としては顔→首→手→足→背中→お尻→陰部の順です。

ポイント:つま先からふくらはぎ、手のひらから二の腕へというように、体の末端から中枢に向かって優しく洗いましょう。

体を洗う際、介護士が洗った方が早いと感じてしまうこともあるかもしれませんが、あくまでも「できないところだけをお手伝い」するようにしましょう。
なかには自分で体を洗いたい気持ちがある方もいますし、介助者として利用者のADL(日常生活動作)を維持させることが大切です。
背中や頭など洗いにくそうなところをさりげなく手伝うようにしましょう。

浴槽の出入り方法

体を洗い終わったら、湯舟に浸かります。健常者であれば手すりをつかんでもらったり、体を支えてあげながらゆっくりと浴槽に入ってもらいましょう。拘縮や麻痺のある方であれば、シャワーチェアーを用意しましょう。■浴槽の入り方

1.シャワーチェアーを浴槽に横付けし、シャワーチェアーのひじ掛けを上げます。(ひじ掛けがないものもあります) 2.利用者が後ろに倒れないように横から肩を支えながら浴槽側の足からまたぎ入れてもらい外側の足も浴槽に入れてもらいます。このときシャワーチェアーからお尻が落ちないように気を付けてください。

3.利用者の両足が浴槽の底についたのを確認後、手すりがあればつかまって立ってもらいます。 4.介助者は片足だけ浴槽に入ったうえで、利用者が後ろに倒れないよう横から方とわきの下を支えながら、ゆっくりと座ってもらいます。

5.利用者の背中が浴槽の壁につくまで支えます。その際、湯舟につかれるまで手すりは離さないようにしてもらいましょう。 つかるときは浴槽の底に滑り止めマットがあると安全ですし、足で底を蹴って利用者が自分で位置を変えることができます。

1.シャワーチェアーを浴槽に横付けし、シャワーチェアーのひじ掛けを上げます。(ひじ掛けがないものもあります)
2.利用者が後ろに倒れないように横から肩を支えながら浴槽側の足からまたぎ入れてもらい外側の足も浴槽に入れてもらいます。このときシャワーチェアーからお尻が落ちないように気を付けてください。
3.利用者の両足が浴槽の底についたのを確認後、手すりがあればつかまって立ってもらいます。
4.介助者は片足だけ浴槽に入ったうえで、利用者が後ろに倒れないよう横から方とわきの下を支えながら、ゆっくりと座ってもらいます。
5.利用者の背中が浴槽の壁につくまで支えます。その際、湯舟につかれるまで手すりは離さないようにしてもらいましょう。
つかるときは浴槽の底に滑り止めマットがあると安全ですし、足で底を蹴って利用者が自分で位置を変えることができます。

のぼせてしまう危険もあるので、お湯に浸かる時間は5分程度にしましょう。

■浴槽からの出方

1.足を伸ばしている状態であれば曲げてもらいます。 2.手すりにつかまってもらい、入る時と同様に介助者が横から重心を支えながらゆっくり立ってもらいます。急に立ち上がると血圧が下がり転倒のおそれがあるので注意しましょう。

3.入るときに使用したシャワーチェアーに座ってもらい、外側の足から順番に浴槽から出てもらいます。 このときもバランスを崩さないよう補助しましょう。 4.その後上がり湯をかけて浴室から出ます。 出るときにも手すりをつかんでもらったりと体を支えながらゆっくり歩きましょう。

1.足を伸ばしている状態であれば曲げてもらいます。
2.手すりにつかまってもらい、入る時と同様に介助者が横から重心を支えながらゆっくり立ってもらいます。急に立ち上がると血圧が下がり転倒のおそれがあるので注意しましょう。
3.入るときに使用したシャワーチェアーに座ってもらい、外側の足から順番に浴槽から出てもらいます。
このときもバランスを崩さないよう補助しましょう。
4.その後上がり湯をかけて浴室から出ます。
出るときにも手すりをつかんでもらったりと体を支えながらゆっくり歩きましょう。

次に、入浴が終わった後はどんなことをおこなうのか解説していきます。

入浴介助後におこなうこと

血圧の変動でふらついてしまうこともありますのでタオルをひいた椅子に座って着替えてもらいます。
体や頭の水分をしっかりタオルで拭き取ります。ここもできないところだけ手伝いましょう。
足の裏は濡れたままだと転倒のもととなります。また、足の指の間が濡れたまま靴下を履いてしまうと蒸れて水虫の原因になってしまうのでしっかり拭きましょう。

靴下を履く際には爪が引っかかってしまうことがあります。
入浴後は皮膚や爪が柔らかくなりますので、爪が伸びていたら爪切りをしましょう。
皮膚科で処方されている軟膏や保湿剤があれば、入浴後の皮膚がきれいになったタイミングで塗ります。

洋服の着せ方

■上着の着せ方

1.拘縮や麻痺のある腕から先に袖を通します。 2.服を頭に通し、もう一方の腕を袖に通します。

3.背中の服をおろし、襟周りや袖回りを整えます。

1.拘縮や麻痺のある腕から先に袖を通します。
2.服を頭に通し、もう一方の腕を袖に通します。
3.背中の服をおろし、襟周りや袖回りを整えます。

ズボンの履かせ方

1.椅子に座っていただき、上着と同じく拘縮や麻痺のある足から先にズボンを通します。 2.もう一方の足をズボンに通します。

3.つかまりだちのできる手すりや椅子を置き立ってもらいます。 4.立ってもらっている間にズボンを上げます。

1.椅子に座っていただき、上着と同じく拘縮や麻痺のある足から先にズボンを通します。
2.もう一方の足をズボンに通します。
3.つかまりだちのできる手すりや椅子を置き立ってもらいます。
4.立ってもらっている間にズボンを上げます。

着替えが終わったら体調が変化してないかを確認し、しっかり水分補給をしてもらいます。

ここまでが入浴介助の基本となりますが、利用者の体の状態や浴室環境などで介助方法はそれぞれ変わります。
利用者1人1人に合った介助を心がけてください。

施設での入浴介助だけではなく、訪問入浴という働き方もあります。
ぜひこちらもご覧ください。

■「【高齢施設】訪問入浴とは?」

入浴介助で注意すること

・立ち上がる、座るの動作をしたら気分を聞く
入浴介助は血圧が上昇したり下降したりが激しい場面が多くあります。
こまめに気分を聞き、気分がすぐれないときにはすぐに対応できるようにしておきましょう。

・絶対に目を離してはいけない
少し目を離すだけで、滑って転ぶ、溺れるなどの事故に繋がるケースは少なくありません。常に利用者に気を配り、事故のリスクを減らしましょう。

・全身を確認できるチャンス
入浴くらいでしか全身を確認できるときがありません。皮膚の腫れ、発疹、傷、出血などの異常を発見したらすぐに看護士に伝えましょう。

・空腹時や食事直後の入浴は避ける
空腹時は血糖値が下がり水分も不足します。そしてそのまま入浴をすると貧血を起こすリスクが高くなります。
また、食事直後に入浴すると毛細血管が開き体の表面に血液が廻るので、消化に必要な血液が不足し、消化不良が起こりやすくなります。
その結果、胃腸の血液循環が悪くなり胃液の分泌、胃腸の運動が止まり食物の消化吸収が不良となるようです。
食後は1時間程度時間をあけて入浴するようにしましょう。

ここまで利用者が入浴する前提で話してきましたが、なかには入浴が嫌いな方もいますよね。
そんなときにはどう対応したらいいのでしょうか、見ていきましょう。

入浴が難しい方は

入浴に拒否があり入ることが厳しそうであれば、入浴の代わりに温かいタオルで体を拭く「清拭」をしてみてはいかがでしょうか?
特に汗をかきやすい脇、乳房の下、肘や膝の内側などは肌トラブルの原因になりやすいのでしっかりと拭きましょう。
清拭介助についてはこちらのコラムで詳しく紹介しています。
■「新人介護士は必見!清拭介助の手順と注意点をわかりやすく解説!」

頻繁に入浴できない方は「足湯」を!
体力的に頻繁に入浴できない利用者の方には足湯がおすすめです。
足湯であれば入浴のような体への負担も少ないので、簡単にお風呂の気持ちよさを感じられます。
また足湯には血行を良くしたりデトックスしたりする効果もありますので定期的におこなうと良いでしょう。

その他介助に関するコラムはこちらを参考にしてみてください。
■「介護と介助は何が違う?介助の種類・方法・ポイントをご紹介!」

入浴介助:まとめ

入浴介助についての手順や注意することなどをお伝えしてきました。
高齢者の入浴には、体を綺麗にすること以上に関節の痛みを取るなどメリットがあります。なかには入浴を楽しみにされている利用者もいます。しかし、介護士は細心の注意を払わなければ、大きな事故に繋がってしまう危険性があるのです。
事故の原因はいずれも小さなミスから引き起こってしまいます。
例えば「少し目を離したうちに転倒してしまった」「温度確認を怠ってやけどさせてしまった」などです。
入浴事故を起こさないようにするためにも、ポイントを知ったうえで安全に入浴介助をしていきましょう。

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