更新日:2023年07月13日
公開日:2020年07月22日
人員配置条件として出てくる「常勤換算」という言葉。介護職の方のなかには「常勤換算」という言葉は聞いたことがあっても、その意味や計算方法などは分からないという方は多いはず。常勤換算の計算方法は経営者だけではなく、働く介護職員も人員基準について知っておくことで「スタッフ数は足りているのか」「基準を満たしているのか」などが分かるようになります。とくに、働く事業所の「職員数が少ないのでは?」と感じている方は、コラムを読んで計算方法をマスターし職場が配置基準を満たしているのか確認してみましょう。
常勤換算とは、その事業所で働いている平均職員数を表します。
介護の質を保つために、サービス内容に合わせた人員配置基準を介護保険法で定めています。しかしながら、事業所で働く職員はすべての人が正社員で常勤勤務という訳ではなく、パートやアルバイトなど労働時間が異なる方もいるはず。
そのため、労働時間が異なる人をフルタイムと同じ一人として考えると、実際の現場では配置基準を下回ってしまうことになります。そうならないために、基本的に全従業員を対象とし雇用形態に関わらず労働時間で計算をおこない「常勤の人が何人働いているか」に換算した時の人数を示します。
常勤換算の詳しい計算方法については次をみていきましょう。
常勤換算の計算方法は、1カ月(4週間)の稼働時間をもとに、常勤・非常勤職員の勤務時間をすべて足し、常勤職員が働いたとして何人になるかを計算します。
常勤換算を算出する計算式は以下です。
「1か月間の稼働時間数」÷「常勤の1か月間の勤務時間数」=常勤換算人数
◆算出方法◆
常勤職員の勤務体制が「1日8時間、週5日」の場合
(ある事業所の従業員の例)
1週間 | 1カ月(4週間) | |
---|---|---|
Aさん(正社員) | 週40時間 | 160時間 |
Bさん(アルバイト) | 週40時間 | 160時間 |
Cさん(正社員) | 週30時間 | 120時間 |
Dさん(パート) | 週20時間 | 80時間 |
Eさん(パート) | 週15時間 | 60時間 |
(1)常勤の1カ月間の勤務時間数を計算します。
<計算式>
1日の時間数×1週間の勤務日数×週(4週で計算)=1カ月の勤務時間数
うえの計算式に当てはめてみると、
8時間×5日×4週=160時間
(2)全介護職員の1カ月の勤務時間数を足します。
160+160+120+80+60=580時間
※管理者や事務の職務に携わった時間は算定から除きます。
※サービス提供時間のほか、移動時間も勤務時間に含まれます。
(3)(2)を(1)で割って計算します。
580時間÷160時間=3.6(小数点第2位以下は切り捨て)
上記例の事業所の場合、3.6が常勤換算による人員数となります。
常勤換算の計算をしてみようとしたとき、有給休暇の方や産休中の方を計算に入れるべきか迷ってしまいますよね。常勤換算では、有休や出張の取り扱いはその人が「常勤で働いているかどうか」で計算が変わってきます。
常勤の場合は有休や出張も“勤務時間”として計算に含みます。しかしながら、非常勤の場合は計算に入れることはできません。常勤換算は、実際に仕事に従事している人数を計算するものです。そのため、非常勤職員の場合「本来の業務に携わっていない時間」は、常勤換算での勤務時間に含まれません。
しかし、常勤の場合でも長期出張や休暇の期間が1カ月を超えた場合は、常勤換算の計算から除きます。産後休暇や育児休暇を取得している方も長期休暇に該当するため、基本的には計算に含みません。育児休業明けで短時間勤務をしている常勤職員は、常勤換算の計算では非常勤職員と同じ「実際に勤務した時間」で計算します。
ただし、次の3つ条件をすべて満たしている場合は、常勤の所定労働時間数を週30時間とし、常勤として取り扱うことが可能になります。
1.)就業規則などに育児短時間勤務職員の勤務時間を明確に定めている。
2.)(1)に定められた育児短時間勤務職員の勤務時間が週30時間以上。
3.)事業所として、利用者の処遇に支障がない体制を整えている。
介護保険法で定められている人員配置基準は、事業所の種類によっても異なります。
事業所における介護職員の人員配置基準を見てみましょう。
【訪問介護事業の配置基準】
訪問介護事業所の訪問介護員の基準は、以下の資格を持つ者で常勤換算2.5人以上必要です。(サービス提供責任者含む)
・介護福祉士
・介護職員実務者研修修了者
・介護職員初任者研修修了者
・旧介護職員基礎研修修了者
・旧ホームヘルパー1級および2級
・看護師および准看護師
・生活援助従事者研修修了者
【通所介護事業(デイサービス)】
通所介護事業所における介護職員の配置基準は、利用者の人数によって異なります。
通所介護(デイサービス)では、利用者が15人までは専従の介護職員が1人以上必要です。利用者の数が15人から1人でも増えれば、5人おきに専従1人以上が必要となります。
【訪問入浴介護(介護予防訪問入浴介護事業)】
訪問入浴介護事業における介護職員の配置基準は、事業の規模によって異なります。
利用者1人に対して2名以上の介護職員が必要です。
また、介護職員もしくは看護職員のうち1名以上は常勤職員でなければなりません。
<人員配置基準を違反すると・・・>
人員基準を違反すると、不正行為とみなされ「指定取消」「営業停止」「新規受け入れ停止」など、行政処分が科せられます。介護事業所が指定取り消しなどの処分を受けると、少なくとも5年~10年は介護事業を行うことはできません。
今働いている職場の常勤換算数や人員配置基準を確認してみたら「人員基準を満たせていない」という方は、早めに退職し転職することをおすすめします。
人員基準を下回っているのにもかかわらず、事業を続けている場合「介護報酬の不正請求」「虚偽報告・申請」「法令違反」などをしている可能性が高いといえます。指定取消などの行政処分を受けた場合、利用者にも不利益を与えるだけでなく、働いている職員の働き口も失ってしまうことになります。そうならないためにも、しっかりとリサーチをしたうえで職場を探すことが大切です。
しかし、転職をするにしても働きながら次の職場を探すのは大変ですよね。ただでさえ体力のいる仕事のうえ、スキマ時間に求人探しや気になる求人の事業所をリサーチするなど、転職をするとなると、やることが増えてしまいます。
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常勤換算の計算方法は、一見難しく感じますが計算方法はそれほど難しいものではありません。人員基準を違反している施設で働かないようにするためにも、常勤換算の計算方法をしっかりと覚えておきましょう。人員基準の違反が続いているようなら、仕事を失ってしまう前に転職を考えてみてください。
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※掲載情報は公開日あるいは2023年07月13日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。