更新日:2023年04月11日
公開日:2020年08月06日
介護職として働き始めたばかりの方、これから介護の仕事に就こうと考えている方のために、体位変換の基本についてご紹介したいと思います。「自分にできるかな?」と心配している方もいると思いますが、体位変換は「コツと注意点」を押さえていれば、だれでもおこなうことは可能です。
それでは、さっそく見ていきましょう。
体位変換とは、自分の力で身体の向きを変えることができない方の体位を変えることを指す言葉です。本来、身体が自由に動く人は寝ている間に無意識で何度も寝返りを打ち、身体の位置や姿勢を変えています。しかし、障害や高齢から身体を自力で動かせない方はうまく寝返りを打つことができないため、身体にかかる圧力を分散できず負担が大きくなってしまいます。
長時間、同じ姿勢のまま寝たきりでいると圧迫が身体の同じ部分に集中し、血液の流れを妨げてしまいます。その結果、床ずれ(褥瘡:じょくそう)や血行障害、疼痛(とうつう)、間隔麻痺などを引き起こしてしまうことも。血行不良は、床ずれの原因になるだけでなく全身の血液循環にも影響をおよぼすため、心臓や肺などの機能低下を招く原因にもなりとても危険です。
これらの症状を予防するためには定期的に体位を変えて、血液の流れを滞らせないことが大切。基本的には2時間以上同じ体制にならないように、こまめに体位変換することが重要です。
体位の種類は大きく分けて「立位(りつい)」「座位(ざい)」「臥位(がい)」の3つがあります。
体位変換には色々なパターンがあります。
たとえば、寝ている状態で身体の向きを変える「仰臥位→側臥位」や、寝ている状態から座る姿勢に変換する「臥位→半座位」、また寝ている姿勢から立つ「臥位→立位」など、基本のものから難易度の高い変換までさまざまです。
そこで、介護職初心者の方がまず覚える「仰向け→横向き」の体位変換の方法を分かりやすくまとめてみたので見ていきましょう。
体位変換の基本となる「仰向け」から「横向き」の体位変換方法について見てきましょう。
体位変換をスムーズにおこなうには、介助する際のコツを押さえておくことが必要です。
上記で紹介した「仰向け→横向き」の体位変換以外でも役立つ「スムーズにおこなうコツ」は次の3つです!
◎体位変換をおこなう前の声かけを忘れない!
体位変換をおこなう場合は、必ず利用者さんに声かけをおこない心の準備をしてもらいましょう。「横に向きに身体を動かしますね」など、どのように身体を動かすのかを伝えることはとても重要です。また、最初だけでなく体位変換中も「足を上げますね」と身体を動かすごとに声をかけること、そして「せーの」など掛け声をかけてあげることが大切です。とくに協力できる利用者さんの場合、掛け声をするとこで利用者さん自身も身体を動かそうとする意識をもち、力を入れられるため効率的な体位変換をおこなうことができます。
◎力任せにおこなわない!
体位変換は力任せに変えるのではなく、身体の構造を理解しておこなえば少ない力で体位を変えることが可能です。力任せだと、介護を受ける利用者さんに痛みを与えてしまうだけではなく、介助者も身体に負担がかかってしまいます。できるだけ、お互いの重心を近づけて動作することで楽に移動することができます。
◎ベッドと接する部分少なくする
体位変換をスムーズに行うには、できるだけベッドと身体が接している部分を少なくすること大切です。ベッドに接している部分が多いと摩擦も大きくなるため、より力が必要になってしまいます。摩擦を減らすことで、必要最低限の力で体位変換が可能になります。
体位変換をする際の注意点について見ていきましょう。
介護での体位変換の注意点は以下の4点です。
●利用者さんを急に体位変換させない
●無理に引っ張って動かさない
●ベッドの高さや力加減などを工夫し負担を軽減させる
●利用者さんに協力できる部分は協力してもらう
体位変換で大事なことは、介護職員のペースで急に体位変換させないことです。声かけもせず無理に引っ張り動かそうとすると、介護を受ける方は不安な気持ちになるだけでなく、身体の筋肉がこわばり思わぬ怪我の原因にもなりかねません。利用者さんに安心して介護を受けてもらうためにも、体位変換する場合は必ず利用者に声かけをおこない、今からどのように動くのかを伝えて心の準備をしてもらいましょう。
また、利用者さんを無理に動かそうとすると、介助者である介護職員の身体に負担がかかり怪我をする恐れがあり危険です。少ない力で介助ができるようにベッドの高さや力加減を工夫し、身体への負担を軽減させましょう。
利用者さんには協力できる部分は協力してもらいながら体位変換をおこなうことで、介助者の負担が軽くなるだけでなく、利用者さん自身が持っている能力を維持向上することにも繋がります。すべて介助するのではなく、できる部分は協力してもらい自立に向けた関わりをすることも大切です。
体位変換は、介護職の仕事内容のなかでも数時間おきにおこなうため頻度の高い介助といえます。介護職員の仕事は、体位変換以外にも腰への負担が大きいため、痛めてしまう方が多いのも事実。少しでも身体への負担を軽減させ、腰を痛めてしまわないためにも最初から負担の少ない介助方法を身につけておくことが大切です。
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※掲載情報は公開日あるいは2023年04月11日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。