更新日:2023年04月11日
公開日:2020年09月10日
「介護職は辞める人が多い」
「介護業界は離職率が高い」
このような話を聞いたことがあるかと思います。
実際のところはどうなのでしょうか。
今回は
・介護職の離職率
・離職理由
について調査しました。
上位5位の離職理由と、おすすめの職場をご提案しています。
これから介護の仕事を始めようと考えている方、転職先選びに失敗したくない方はぜひ参考にしてください。
1年間(平成30年10月〜令和元年9月まで)の訪問介護員、介護職員(2職種計)の離職率は15.4%。昨年度と比較して離職率は横ばい傾向です。
出典:令和元年度 介護労働実態調査結果|介護労働安定センター
一方、平成30年度の国内労働者全体の離職率は14.6%。
男性:12.5%
女性:17.1%
一般労働者:11.3%
パートタイム労働者:23.6%
と発表されています。
出典:平成 30 年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省
産業別にみた離職者数は卸売業、小売業が 約121万人と最も多く、次いで宿泊業、飲食サービス業が約117万人、 医療・福祉が 約113万人です。
離職率では宿泊業・飲食サービス業が26.9%、生活関連サービス業・娯楽業が23.9%ということを考えると、際立って介護職の離職率が高いというわけではないことがわかります。
出典:令和元年度 介護労働実態調査結果|介護労働安定センター
こちらのグラフは介護労働安定センター「介護労働実態調査」による、前職(介護関係の仕事)をやめた理由の調査結果です。
興味深いのは国内労働者全体でみる離職理由との違いです。
出典:平成 30 年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省
上記グラフは職種を問わずに国内労働者全体でみた場合の離職理由です。
男性の上位3位は
「定年・契約期間の満了」16.9%
「給料等収入が少なかった」10.2%
「労働時間休日等の労働条件が悪かった」10.0%
女性の上位3位は
「定年・契約期間の満了」14.8%
「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」13.4%
「職場の人間関係が好ましくなかった」11.8%
となっています。
介護職の離職理由2位である「結婚、出産・育児」はわずか3.9%で「介護・看護」に次いで低い理由となっています。
一方男女ともに離職理由の1位となる「定年・契約期間の満了」が、介護職では下位のわずか3.7%という結果でした。
このことから介護職は結婚、出産・育児とは両立しづらい仕事である可能性が考えられます。
また60歳以降も働ける環境であることや、さらに他職種に比べて「定年まで働き続ける」という意識は低く、よりよい職場へ転職をしやすい業界であると考えられます。
では介護職の離職理由の上位5位、
1位:職場の人間関係に問題があったため
2位:結婚・出産・妊娠・育児のため
3位:法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため
4位:自分の将来の見込みがたたなかったため
5位:このほかにいい職場があったため
こちらをひとつずつみていきましょう。
どんな職種でも起こりうる問題ですが、介護業界では離職理由の1位に挙がっている人間関係。
介護業界は特に女性職員が多いため、人間関係の問題が表面化しやすいのかもしれません。
特に施設介護の場合は、黙々と個人で行う仕事ではないため、職員同志の協力が不可欠です。
苦手な人ともコミュニケーションをとりながら業務を進めていかなければいけませんし、2人きりで夜勤をする場合もあるかと思います。
また職員同士の問題だけでなく、利用者との相性からくる問題もあるでしょう。
なかなか避けられない人間関係のトラブルやストレスで離職を考える人が多く、堂々の1位となっています。
・人間関係を1から築けるオープニング施設
・スタッフの多い大規模施設
・マイペースに働ける訪問介護
特に女性に多い理由となっています。
現状、結婚や育児をしながら夜勤や変則的なシフトで仕事をすることは難しいという判断から離職する方が多いのだと考えられます。
そして介護業界ではまだまだ産休・育休や介護休暇を取りづらい環境であることがうかがえます。
たとえ制度はあったとしても取得できなければ意味がありません。
人手不足の職場では急な休みやシフト変更も申し出にくいでしょう。
多くの方が現実的に仕事と家庭の両立ができないと感じて退職を選ばれています。
・産休・育休制度を利用できる、かつ取得率の高い施設
・ママさん介護士が多数在籍している施設
人手不足のなか、時間に追われ、介護事故の不安も感じながら働く職員さんにとっては、どれだけ改善を求めても変わらない運営のあり方や、何も動いてくれない上司、現場を見ようともしない経営者・・・・
色々な不満やストレスを抱えて転職を決断されるのではないでしょうか?
介護職は業界内での転職も多いので、多数の事業所を経験されている方は前職と比較することもあるでしょうし、同僚から他事業所の話を聞いたりすることもあるかと思います。
また都会に限らず地方であっても、比較的求人は多く転職しやすい業界です。
不満を抱えながら働き続けるよりも、「さっさと辞めて転職しよう!」と考える方が多いのかもしれません。
・定期的な面談やミーティングなど話をする機会がある事業所
・人材育成・教育に力を入れている事業所
・小規模でアットホームな施設
将来を考えての離職は、特に男性に多くみられます。
介護職は低賃金、キャリアアップの道筋が少ないといった問題があります。
処遇改善制度が新設されるなど年々改善の動きがあるとはいえ、他産業と比べるとやはり基準を下回っている状況です。
男性の場合は、家族を養うための経済力が必要と考える方が多いのではないでしょうか。なかなか昇給しない、管理職につけない・・・と将来への不安を感じて転職されているようです。
・評価制度を設け、定期的な昇給がある事業所
・キャリアアップの道筋がある事業所
・資格取得制度、研修制度が充実している事業所
もっといい条件の職場を探して離職する方が介護業界に多い理由は、やはり他職種よりも転職しやすい業界というのが大きいのではないでしょうか。
有効求人倍率を見ても、他の業界と比較して圧倒的に高くなっています。
特に経験者であればすぐにでも来て欲しいと望まれる事業所は少なくありません。また職員同士の横のつながりも多いため、紹介で入職しやすいこともあるでしょう。
給料面やシフト面、人間関係…人それぞれに「いい職場」の定義は違うと思いますが、経験を積んで「今よりももっといい条件のところで働こう!」と転職される方が多いようです。
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介護職は辞める人が多いというイメージが強いですが、離職率だけでみると、決して他の業界に比べて高いわけではないことがわかりました。
離職の理由はさまざまですが、他職種と離職理由の上位が少し異なるのは、介護業界が転職しやすい業界だということも関係しているのではないかと思います。
転職を成功させるためには入職前の見極め、情報収集が肝心。しかし入職してからでないと見えてこない問題というのも確実にあります。
特に人間関係や経営方針・運営への不満のような部分です。
仕事は長く続けられることが何よりですが、どうしても合わない、辞めたいと感じた場合には無理せず転職も検討してみてくださいね。
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