介護施設の施設長になるには?年収・仕事内容もまとめてご紹介!!

公開日:2020年09月15日

更新日:2020年11月06日

介護施設の施設長になるには?~年収・仕事内容もまとめてご紹介!!~

介護施設の施設長を最終的な目標としている介護職の方は少なくないはず。
しかし、施設長になるにはどのような資格やキャリアが必要なのか分からないという方のために、施設長の役割や仕事内容から年収について、また施設長になるために必要なことについてご紹介していきたいと思います。

介護施設の施設長とは?

介護施設の施設長とは?

施設長とは、介護施設を統括し管理する組織のトップに位置する管理職です。
役職名は施設によって異なり「ホーム長」「センター長」「管理者」などと呼ばれています。介護施設の施設長に求められるおもな役割は「介護施設全体のマネジメント(管理業務)」です。施設長がおこなうマネジメントは、利用者の管理から職員や運営に関わる管理まで多岐に渡ります。

介護施設における施設長の仕事内容とは

施設長の仕事内容とは?5つのマネジメント能力

介護施設の施設長は、介護の知識が豊富なだけでは務まりません。施設が滞りなく運営していけるように多岐に渡る業務をおこないます。たとえば、円滑に介護を提供できるように様々な調整をおこなったり、利用者家族への対応や入居者獲得のため営業をしたりします。また、スタッフの採用や労務管理、外部への対応などもおこないます。
万が一、施設で事故や災害などがあった場合はその対応や説明をする責任も担っています。

具体的な仕事内容は勤務する施設によって異なりますが、施設長としてのおもな役割であるマネジメントの内容についてご紹介したいと思います。
施設長に求められるマネジメント能力は以下の5つです。

■利用者管理■
利用者さんの既往歴や病歴などの健康状態とケアプランを理解したうえで、適切な介護サービスが提供できているかを確認する。
入居時や退去時のほか、状況に応じて利用者本人や家族との面談をおこなう。また、面談を通じで意向に沿ったサービスを提供できているのかを確認する。

■スタッフ管理■
介護スタッフの面接や採用、育成、保有資格や能力に応じた人員配置をおこない、問題が生じた際は人員配置を見直し変更します。また、現場の状況を把握するため、スタッフとの面談やアンケートを定期的におこないます。人事課など専門の担当者がいない場合は、スタッフの勤務状況や入社・退社など労務に関することも管理します。

■運営の管理■
施設が掲げる理念や運営方針に沿ったサービスを計画しスタッフに周知する。遵守すべき法令等を把握し、行政関係者との適正な関係を保つように努める。また、地域や行政、他事業所とのつながりや外部に向けた広報活動も積極的におこないます。

■収支管理■
利用者との契約業務、保険請求業務、各種経費の管理などをおこないます。
利用者さんが施設を利用する際に必要となるホテルコスト(家賃や食費、共益費など)や施設運営にかかる経費、介護報酬の請求、人件費などをしっかりと把握し施設管理をおこないます。

■行政管理■
介護保険事業について届出の内容に変更があった場合は、10日以内に行政機関の介護保険担当窓口に変更届を提出する。
そのほか、施設の運営に必要な書類(介護保険事業者事故報告書、消防計画など)の作成や提出など行政関連の手続きに漏れがないように管理する。


施設長として最も重要とされるマネジメント力は「スタッフ管理」です。
介護職の実務経験がない方が収支に関するマネジメントがうまく施設長に抜擢されることもあります。しかしこの場合、介護現場のことを分かっていないためスタッフからの不満が生まれることが多く、スタッフの離職に繋がり業績が悪化してしまうことも少なくありません。施設の経営が上手くいくかどうかは施設長にかかっているといえます。

施設長の年収ってどのくらい?

介護職の平均月給額・賞与額 グラフ

公益財団法人介護労働安定センターが2020年8月(令和2年)に発表した「令和元年度「介護労働実態調査」の結果」によると、2019年度の施設長の平均月給額は35万5425円、平均賞与額は74万8659円となっています。
一般職員(正規・非正規含む)の平均月給額は23万1135円、平均賞与額は58万1448円でした。

年収比較(施設長・一般職員)グラフ

年収で見てみると、施設長の年収は約501万円、一般職員は約335万円となっており、約166万円の差があることが分かります。

施設長の年収は働く地域や施設の規模によっても異なってきますが、介護施設で働く職種のなかでは最も高い年収額です。

参考:公益財団法人介護労働安定センター 令和元年度「介護労働実態調査」の結果

介護施設の施設長になるには?

施設長になるための必要資格や条件をご紹介!

介護施設の施設長になるには、一般的には介護職員からキャリアアップし施設長になる方がほとんどです。キャリアアップ例としては以下のような流れになるでしょう。

【介護スタッフ】→【副主任】→【主任】→【施設長(管理者)】
 介護施設の施設長になるための必須資格は決まっておらず、無資格でも施設長になることは可能です。しかし、介護施設の種類によっては必要とされる資格や要件は異なります。そこで、施設別に必要となる資格や要件につてまとめてみました。

必要な資格や条件は?

施設長になるためには、施設によって定められている資格や要件を満たしていることが必要です。それぞれの施設ごとに必要な要件をまとめたので見ていきましょう。

■特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームでは施設長と管理者それぞれの役割があります。

特別養護老人ホームの責任者である施設長になるには、厚生労働省が定める以下の(1)~(3)の資格要件のうちいずれか一つを満たさなければなりません。

(1)社会福祉主事の要件を満たす者
(2)社会福祉事業に2年以上従事した者
(3)社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者

引用:「施設長の資格要件等」

社会福祉施設長資格認定講習会とは、「社会福祉法人全国社会福祉協議会 中央福祉学院」が実施する講習会で、福祉施設の施設長に就任する際に必要な研修です。
講習会は、6カ月の通信授業と5日間の面接授業によって構成されています。
詳しくは「中央福祉学院ホームページ」にてご確認ください。

特別養護老人ホームでの「管理者」に関しては、資格要件はとくに決められていません。


■介護老人保健施設
介護老人保健施設の責任者は、施設長または管理者と呼ばれ「原則は医師であること」と定められています。しかし都道府県知事の承認を受ければ、医師以外の者が管理者になることが可能です。この場合、管理者は常勤であることが必須。実際、介護老人保健施設の管理者は医師以外の者がなっているケースが多い傾向にあります。


■介護療養型医療施設
介護療養型医療施設の管理者は、医療的処置が必要な要介護者の入居がほとんどなため、管理者は臨床研修を修了した医師でなければなりません。

厚生労働省によると、介護療養型医療施設の資格要件は以下のように定められています。
<医療法第10条>
病院又は診療所の開設者は、その病院又は診療所が医業をなすものである場合は臨床研修修了医師に、これを管理させなければならない。

引用:「施設長の資格要件等」


■グループホーム
グループホーム(認知症対応型共同生活介護事業所)の責任者は、常勤であることに加えて以下2つの資格要件をどちらも満たすことが必要です。

(1)特別養護老人ホーム、介護老人福祉施設、デイサービスなどの従業者または訪問介護員として、3年以上認知症高齢者の介護に従事した経験を持つ者
(2)厚生労働大臣が定める「認知症対応型サービス事業者管理者研修」を修了していること

「認知症対応型サービス事業者管理者研修」を受けるには・・・
認知症対応型サービス事業者管理者研修は各都道府県や指定都市が実施しています。

◇研修期間:2日間
◇受講資格:以下の要件をすべて満たすこと
(1)認知症介護実践者研修または痴呆介護実務者研修を修了している方(修了見込みの方も含む)
(2)以下の管理者または管理者に就任予定の方
・指定認知症対応型通所介護事業所
・指定小規模多機能型居宅介護事業所
・指定看護小規模多機能型居宅介護事業所
・指定認知症対応型共同生活介護事業所
・指定介護予防認知症対応型通所介護事業所
・指定介護予防小規模多機能型居宅介護事業所又は指定介護予防認知症対応型共同生活介護事業所
◇受講料:8000円

※受講に関する詳細は、お住いの都道府県または指定都市のホームページにてご確認ください。


■小規模多機能型居宅介護事業所
小規模多機能型居宅介護事業所は、通所や訪問、宿泊を組み合わせたサービスを提供する施設です。地域密着型サービスの一つで、在宅を中心とした生活をおこなうことが目的となっています。責任者の資格要件はグループホームと同じです。


■介護付き有料老人ホーム
有料老人ホームやデイサービス、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所などの施設長は、責任者になるための資格要件はありません。しかし、介護の知識や経験は求められるため資格保有者を優遇する事業所がほとんどです。

介護施設の施設長になるために「必要な能力」とは

介護施設の施設長になるために『必要な能力』

介護施設の施設長になるには、施設によって設けられている資格要件を満たすこと以外にも大切なことがあります。それは、施設長として求められる能力を備えていることです。施設長は、利用者の状況を把握することはもちろん、その施設で働くスタッフがスムーズに働けるように職場環境を整えることや十分な人員を確保すること、また経営に関することなど幅広い業務に携わります。

そんな施設長に求められる能力のうち最も重要になるのは「褒めるのが上手く人を動かせる能力」です。この能力に長けている人ほど責任者に向いているといえます。
施設長は、施設のスタッフや利用者、外部の方々など多くの人とかかわるため、コミュニケーション能力の高さが何よりも必要です。施設長に求められるコミュニケーション能力は、人間関係を良好に築くだけではありません。スタッフを褒めたり注意したり、スタッフの意識や仕事への姿勢を向上させられるようなコミュニケーションを取ることが求められます。

もちろん、施設長に必要なのは高いコミュニケーション能力だけではありません。コミュニケーション能力を中心として、人を観察する目や営業能力、経営や財務管理能力も必要となります。

まとめ

介護施設の施設長になれば、施設で働く職種のなかでは最も高い年収額を得られます。しかし、責任者になるには必要な資格や要件を満たすことが必要です。いま働いている施設で施設長を目指すのであれば、事前にどんな条件があるのかなど施設の資格要件について確認しておきましょう。また、施設長を最終的なキャリアアップの目標としている方は、まず自分にどんな能力が足りないのかを考え、必要になる能力を身につけておくことをおすすめします。

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