更新日:2023年04月12日
公開日:2020年11月09日
就労継続支援A型事業所に興味があり調べようと思っても、利用者側の情報が多く支援する側の仕事内容などについてはあまり載っていないですよね。
そこで、障がい福祉サービスの一つである「就労継続支援、就労継続支援A型事業所」について、また「仕事内容、求人事情、給料」など、A型事業所で働く従業員について調べてみたのでさっそく見ていきましょう。
就労継続支援事業とは、一般的な事業所で働くことが困難な障がい者に向けて就労機会の提供や生産活動、また知識や能力の向上に必要な職業訓練などの支援をおこなう事業のことを言います。
就労継続支援は「A型」と「B型」の2種類に分けられ、どのような人を対象とし、どのような支援をおこなうのかが違ってきます。就労継続支援は年齢制限や条件などが決まっていますが、利用期間の制限などはありません。
それぞれの特徴や要件について見ていきましょう。
就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結び給料をもらいながら就労継続支援を利用します。
就労継続支援A型の要件は以下です。
<就労継続支援A型の要件>
●対象年齢:18歳以上65歳未満
●対象者:雇用契約に基づいた勤務が可能で、障がいや難病によって一般企業での就労が難しい方
●支援の目的:雇用契約に基づきながら就労移行訓練を経て一般企業への就職を目指していく
就労継続支援B型は、事業所との雇用契約は結ばず通所して授産的な活動をおこない、工賃(賃金)をもらいながら就労継続支援を利用します。
就労継続支援B型の要件は以下です。
<就労継続支援B型の要件>
●対象年齢:50歳以上の方、障害基礎年金一級受給者
●対象者: A型の仕事内容が困難な障がい者、就労経験者で年齢・体力面などから一般企業で働くことが難しくなった方
●支援の目的:作業訓練を積み、就労継続支援A型、就労移行訓練、一般企業への就職を目指していく
※参考:厚生労働省|障害者の就労支援について
◎就労継続支援B型について、もっともっと詳しく知りたい方は以下のコラムをチェックしてみて!
「就労継続支援B型事業所とは?仕事内容から求人・給料までご紹介!」
A型とB型の支援の違いが分かったところで、就労継続支援A型事業について見ていきましょう。
就労継続支援A型の事業とは、雇用契約に基づいた就労が可能な利用者に働く場の提供や生産活動、一般企業への就職支援など必要なサポートをおこないます。
就労継続支援A型事業所で扱っている仕事例は以下
●カフェやレストランなど飲食店でのホールスタッフ・キッチンスタッフ
●パソコンによるデータ入力などのデスクワーク
●パッキングや値札付けなど倉庫での軽作業
●工業部品などの加工作業
●清掃業
●農作業
など、一般企業と変わりありません。
ただ、障がいや難病などを抱えている方が働くため、労働時間は4時間~8時間程度と短く賃金も一般企業での就職より少ないことがほとんどです。
就労継続支援A型事業所で働く職員はどのような業務をおこなっているのか、事業所での仕事内容について見ていきましょう。
まず、就労継続支援A型事業所では人員配置基準によって定められている「管理者・サービス管理責任者・職業指導員・生活支援員」が勤務しています。介護職から就労継続支援A型事業所で働く場合、サービス管理責任者や職業指導員、生活支援員として勤務することがほとんどでしょう。
就労継続支援A型の事務所で働くサービス管理責任者の仕事内容は以下。
<サービス管理責任者の仕事内容>
□個別支援計画の作成・アセスメント
□利用者との面談・モニタリング
□関係機関との連絡・調整業務
など、就労継続支援に関わる業務全般です。
◇サービス管理責任者について詳しく知りたい方は以下のコラムをチェックしてみて!
「サービス管理責任者とは?」
職業指導員と生活支援員の仕事内容は以下。
<職業指導員・生活支援員の仕事内容>
□作業の指導
□健康面の管理
□悩み相談役
□日報の作成
など、利用者と一緒に作業に取り組みながら必要となるサポートやサービス管理責任者の補助業務です。
職業指導員や生活支援員は、利用者の心身状況に応じた自立支援をおこないながら、サービス管理責任者資格の取得を目指します。
就労継続支援A型事業所での勤務に興味がある方が一番知りたいのは「求人がどのくらいあるのか」「給料はどのくらいなのか」ということではないでしょうか?
求人事情と給料事情について調べてみたので見ていきましょう。
ハローワークの求人検索で調べてみたところ「就労継続支援A型事業所」で検索してみると800件ほどの求人がヒットしました。しかしながら、全国で約800件と考えると決して多い求人数とはいえません。
サービス管理責任者として働くには資格の取得が必要になりますが、職業指導員や生活支援員であれば必要資格や免許、実務経験が一切無くても働くことが可能です。
しかし、前述したように求人数は豊富とは言えないため、無資格よりは事業所が求めている何かしらの資格を持っていることをおすすめします。
求人の募集要項に書かれている資格でもっとも多い資格は以下です。
●社会福祉士
●精神保健福祉士
●介護福祉士
●介護職員実務者研修
●介護職員初任者研修
●普通自動車運転免許
など
上記のほかに、福祉の資格保持者や福祉事業所での実務経験がある方も歓迎される傾向にあります。
介護職からの転職を考えている方で無資格の方は、まず介護資格の始まりである介護職員初任者研修の資格取得を目指しましょう。
就労継続支援A型事業所で働くとどのくらいの給料が貰えるのでしょうか?
A型事業所で働く「管理者、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員」の平均月給額についてハローワークに掲載されている求人情報を基に調べてみました。
さっそく見ていきましょう。
【管理者・サービス管理責任者】
管理者とサービス管理責任者の給料額はほぼ同じくらいで、平均額は以下です。
<正社員>
平均月給額:25万円~30万円
【職業指導員・生活支援員】
職業指導員と生活支援員の給料はあまり変わりなく、平均額は以下となっています。
<正社員>
平均月給額:15万円~25万円
<アルバイト・パート>
平均時給額:1000円前後
※参考:ハローワークインターネットサービス
事業所によっては「サービス管理責任兼管理者」の求人もあり、その場合の月給額の相場はやや高くなる傾向にあります。管理者・サービス管理責任者の求人でアルバイト・パートの採用は少なく正社員募集がほとんどです。
職業指導員・生活支援員の給料は管理者・サービス管理責任者と比べると5~10万円ほど低く、アルバイト・パートの求人数は多くあります。
より年収を上げたいなら、キャリアアップをすることが必要です。まず職業指導員や生活支援員からスタートし、サービス管理責任者の資格取得、そしてサービス管理責任者、管理者にステップアップしていきます。
就労継続支援A型事業所に転職する前にサービス管理責任者の資格を取得していれば、職業指導員や生活支援員からの採用であっても、将来の活躍を見込んで給料額を決めてくれる場合もあり、給料アップが望めます。
就労継続支援A型事業所は、利用者と一緒に作業に取り組みながら必要とするサポートをおこない、利用者が就労移行訓練や一般企業への就職を目指せるように支援する仕事です。就労継続支援A型事業所で働くには「常に相手の立場に立って物事を考えられる力」そして「明るく前向きな姿勢」が必要不可欠です。
職業指導員や生活支援員は、それほど給料が良いとは言えませんが新しい知識や自分自身の成長、そしてある人の人生に深く関わることができるとても重要な職種といえます。
職場選びや面接に不安な方はぜひ介護ワーカーまでご相談ください。
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※掲載情報は公開日あるいは2023年04月12日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。