更新日:2023年04月12日
公開日:2020年12月01日
介護現場でよく使われる基礎知識や専門用語をまとめました。
あ行の用語を解説しています。
介護従事者の方、介護福祉士を目指されている方、介護に興味がある方はぜひお役立てください。
IADL(手段的日常生活動作)
手段的日常生活動作 Instrumental Activities of Daily Livingの略。
ADLが食事、入浴、排泄などの日常における基本動作であるのに対し、IADLはADLで使用する動作を応用した動作を指します。
・電話の使い方
・買い物
・食事の準備
・家事
・洗濯
・移動
・服薬管理
・金銭管理
の8項目で構成されています。
ICF (国際生活機能分類)
国際生活機能分類 International Classification of Functioning, Disability and Healthの略。
2001年、WHO(世界保健機構)によって提唱されました。
“生きることの全体像”を示す“共通言語”として、人の健康状態を取り巻くさまざまな事柄を体系立てて分類したものです。
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ICU
集中治療室 Intensive Care Unitの略。
内科・外科を問わず、重篤な患者を収容し、医師や看護師が24時間体制で高度な医療・看護を集中的に行うことを目的とした病棟のことです。
IVH(中心静脈栄養)
中心静脈栄養 Intravenous Hyperalimentationの略。
消化器疾患等のため経口摂取できない患者の大静脈にカテーテルを挿入し、そこから水分・電解質、栄養の補給の点滴を行う栄養法のことを指している。介護認定調査における特別な医療に関する項目の1つ。
アカウンタビリティ
説明責任を指す言葉。
介護事業者は利用者に対して、サービス内容などを事前に説明する責任があります。
アクセスフリー
身体障害者にも考慮した公共の建築物などの設計のことをいいます。
例えば道幅を広げたり、段差の解消や手すりの設置、点字による案内といった設計がされていること。
アクティビティ
利用者の心身を活性化するためのさまざまな活動。
季節のイベント、音楽、絵画、書道、演劇など。
また、介護や医療現場でこのような活動を提供することをアクティビティ・サービスといいます。
悪性リンパ腫
血液がんの一種。
白血球の一種であるリンパ球ががん化したものです。
悪性リンパ腫は大きく分けて、腫瘍内に大型腫瘍細胞がある「ホジキンリンパ腫」と、大型腫瘍細胞が無い「非ホジキンリンパ腫」の2種類で、非ホジキンリンパ腫は高齢者に多いとされています。
足白癬
水虫。
白癬菌(はくせんきん)というカビが足裏に増殖して起こる感染症です。
白癬菌は年中生息する菌ですが、暑さや湿気の多い時期には特に繁殖しやすくなります。
足白癬の2人に1人が爪白癬も発症しているといわれており、高齢者の場合、爪がもろくなることで転倒や歩行困難につながる恐れがあります。
アセスメント
介護アセスメントは、利用者の状態や問題を分析し、利用者が何を求めているのかを正しく知るために実施されます。
利用者の課題分析からサービス内容を決定するまでのことを指し、援助活動に先立って行われる一連の手続きです。
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圧迫骨折
脊椎や腰椎の本体である椎体といわれる部分が外部からの圧力に耐えかねて潰れてしまうことで生じる骨折です。
圧迫骨折が起こる主な原因は骨粗しょう症で、高齢者は特に注意が必要です。
アテローム
粉瘤(ふんりゅう)。
皮膚の下に嚢腫ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの角質や皮脂などの老廃物が、袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称です。
顔、首、背中、耳のうしろなどにできやすい傾向があります。
アドボカシー
自己の権利を表明することが困難、あるいは判断能力が不十分な、寝たきりの高齢者や、認知症の高齢者、障害者の代わりに代理人が権利を表明することです。
また、こういった弱い立場にある方々の権利擁護活動をしている人々をアドボケイトといいます。
アルツハイマー型認知症
記憶障害などを主症状とする原因不明の脳の器質的疾患。
緩やかな進行性の認知症で、認知症患者の約半数を占めるといわれています。
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安否確認
独居の高齢者などの生存・安全を確かめること。見守り。
高齢者向け住宅では毎日安否を確かめる電話サービスを実施していたり、各自治体で高齢者の安否確認をする仕組みづくりを行っていたりします。
意識障害
外部からの刺激や呼び掛けに無反応であったり、状況を正しく認識できなかったりする状態に陥ること。
昏睡状態、眠りがち、集中力に欠けるなど障害のレベルはさまざまです。
また、意識障害の要因もさまざま。脳や心臓の血管障害、不整脈、てんかん発作などによるものが多いですが、感染症や臓器の機能不全から起こる場合もあります。
移乗・移乗動作
ベッドから車いす、車いすから便座など、異動前と移動後の平面が変わる移動動作のこと。
移乗介助は介護職が行う基本的技術のひとつです。
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移送サービス
リフト付き車両やストレッチャー装着ワゴン車、介護タクシーなどによって、利用者の居宅と通所・通園などの移動を運搬し外出支援をするサービス。
サービス利用者は65歳以上の寝たきり老人や障害者など自力で移動できない人です。
遺族年金
国民年金または厚生年金保険の被保険者が死亡した場合、その方によって生計を維持されていた遺族に支払われる年金です。遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、死亡者の年金の納付状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。
一次判定
要介護認定の申請を受けて、申請者に対する訪問調査の結果や主治医の意見書をもとにコンピューターが介護度を判定すること。
要介護、要支援の最初の認定結果となり、この判定をもとに二次判定が実施され、介護度が決定します。
溢流性尿失禁
溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)は、自分で尿を出したいのに出せず、少しずつ漏れてしまうという状態です。尿路の閉塞や神経の損傷などが原因で起こる排尿障害が前提にあります。
排尿障害が起こる背景には前立腺肥大症や尿路結石などのほか、前立腺がん、子宮がんなどの術後の後遺症なども考えられます。
医療費控除
納税者本人またはその家族が支払った1年間の医療費の合計が10万円以上、もしくは所得金額の5%に相当する額を超えた場合、超えた金額が200万円を限度とし所得から控除される国の制度です。
医療ソーシャルワーカー
保健・医療機関に従事するソーシャルワーカーを指し、MSWともいわれます。
疾病や心身障害を持った患者や家族が抱える問題を調整、解決するために相談を受けサポートをする、社会福祉の専門職です。
医療法人
医療法により設立を認められている法人。
病院、医師、歯科医師が常時勤務する病院や診療所または老人福祉施設を開設するための社団もしくは財団を設立することができるます。都道府県知事の許可が必要で非営利となります。
イレウス
腸閉塞。腸管の流れが途中で阻害されてしまう状態のことをいいます。
腸管の構造自体に問題がある機械的閉塞と腸がうまく機能しない機能的閉塞があります。
便秘がちな人、腹膜炎や大腸癌患者などに多く見られる症状です。
胃ろう
口から食事を摂ることが困難になった場合、チューブで直接栄養を送るための穴を胃に作ります。
その穴を胃ろうと呼び、胃ろうを作るための手術のことをPEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy:経皮内視鏡的胃ろう造設術)といいます。
インクルージョン
障害者、要介護者、経済的弱者などを問わず全ての人が差別なく社会の一員として受け入れられる共生社会を目指すという理念。社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)ともいわれます。
インスリン
インスリンは血糖を下げる働きを持つホルモンです。糖尿病の治療に用いられており、注射で外部からインスリンを補うことによって血糖を下げます。
この治療に用いられるインスリン製剤には、動物インスリンとヒトインスリンがあり、近年は後者が主となっています。
インテーク
受け入れという意味の言葉で、介護業界においては援助についてのはじめての相談を指します。
受理面接ともいいます。
インテグレーション
社会福祉サービスの利用者に対し、利用者が他の人と差別なく地域社会と密着した形で生活できるように援助することまたは問題解決にあたること。統合的教育指導法。
インフォーマルサービス
民間や地域社会、ボランティア等が行う非公式的な援助サービスです。
例えば家族や友人の支援、地域の取り組みやボランティアの援助などがあります。
インフォームド・コンセント
医師などの医療職が診療目的や治療内容について患者が理解できる言葉で十分かつわかりやすく説明し、患者の理解と同意を得た上で治療にあたること。
ウィルス(性)肝炎
肝臓がウイルス感染することで炎症が起こる疾患で肝機能障害を引き起こします。
A~E型肝炎に分類されます。
ウィルス感染症
ウイルスが体内に侵入・接触することで感染する病気です。空気感染や飛沫感染など人からうつる場合もあります。
症状はウイルスによって異なり、発熱や下痢、嘔吐などが起こることもあれば、無症状の場合もあります。
うつ病
憂鬱な状態の特に深刻なものを指し、脳の機能障害ではないかといわれています。
悲観的・絶望的な感情に支配されて活動意欲がなくなり、疲労感、食欲不振、不眠など体調にも不調をきたします。
高齢者には、初老期に発症する更年期うつ病や、高齢期の老人性うつ病などがあります。
上乗せサービス
要介護者が介護度に応じた支給限度額以上の介護サービスを受ける場合に、自治体が独自の判断で加算(上乗せ)して、サービス利用を増やすことです。
ADL(日常生活動作)
日常生活動作 activities of daily livingの略。
日常生活を送るための基本となる身体動作のことです。
・食事
・排泄
・着脱衣
・入浴
・身支度
・歩行
などがそれにあたります。
壊死(えし)
体の細胞や組織が局部的に死ぬことです。
物理的作用、化学的作用、中毒作用、局所血行障害、神経障害などによって起こります。
壊疽(えそ)
体の細胞や組織が局部的に腐敗した状態になることです。
感染症や血栓症などによる虚血、また壊死が悪化することで壊疽が生じます。
エビデンス
エビデンスは本来、根拠・証拠といった意味を持ちます。
介護業界では「科学的根拠に基づいた介護」といった意味合いで使われる言葉です。エビデンスに基づいた目標を立てて介護を実践することが求められます。
MRI検査
磁気共鳴画像撮影法 Magnetic Resonance Imagingの略
大きな磁石による強い磁場と電波を使って体の断層画像を撮影する装置です。
CTと違って放射線被曝がありません。
頭部や脊髄・脊椎、関節といった比較的動きの少ない部位の撮影に使用されることが多いです。
MRSA
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 methicillin‐resistant Staphylococcus aureusの略。
黄色ブドウ球菌の一種で、性質は黄色ブドウ球菌と一緒です。
抗生物質が効きにくいという側面があるため、MRSAに感染して重症化すると、敗血症、髄膜炎、心内膜炎、骨髄炎などに陥って死亡する場合があります。
嚥下(えんげ)
口の中で咀しゃくした食事を飲みこみ、食道から胃へ送り込む一連の流れのことをいいます。
嚥下困難
病気や老化によって、水や食べ物が飲み込みにくくなることを嚥下困難といいます。
嚥下障害
食べ物や飲み物がうまく飲み込めない、むせる、飲み込んだものが食道につかえるといった状態を指します。
誤嚥も嚥下障害の一種です。
認知症や寝たきり高齢者脳卒中などによる運動障害や失行のある人に多く見られます。
エバリュエーション
事後評価のことです。
介護サービスの終了時や一段落した際、これまでの効果の判定、欠点、将来予測、さらに今後の改善点を利用者とともに検討することをいいます。事前評価はアセスメントです。
エンパワメント
介護福祉業界においては、要介護者や障害者が自らの生活を自らコントロールできること、または自立する力を得ることです。
権利付与、能力開花ともいいます。
延命治療
病気を治すためではなく、生命を維持するための治療行為。
人工呼吸器や人工栄養法などによって回復の見込みがない患者の生命を維持することです。
応益負担
所得に関係なく、提供されるサービスとその効果に応じた対価を支払うことです。
嘔吐
胃の中のものを口から吐くことです。
胃疾患では胃粘膜の局所からの刺激で起こることもありますが、延髄にある嘔吐中枢からの反射で起こる場合も多く見られます。
応能負担
サービス利用者の収入、所得能力に応じて負担割合や金額を定めることです。
オストメイト
病気などで消化管・尿管を損なって排泄ができなくなり、腹部に人工肛門・人工膀胱を造設しストーマ用装具を装着している人のことです。
オンブズマン
国民の代弁人として議会や市長などに任命され、不当不正な行為、またはサービスに対して監視・観察・苦情解決を行う機関のことです。
介護業界においては介護サービスの質を調査する人を指します。
◆か行
◆さ行
◆た行
◆な行
◆は行
◆ま行
◆や行
◆ら行
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