更新日:2023年04月13日
公開日:2021年01月06日
障がい福祉サービスの一つである「就労継続支援B型事業所」がどのような施設なのか詳しく分からないという方は少なくないはず。しかし、仕事内容などを知りたいと思い調べてみても、利用者向けの情報が多く職員の仕事内容などについてはあまり載っていないことがほとんど。
そこで、B型事業所で職員として働きたいと思っている方のために、就労継続支援事業のA型・B型の違いや事業内容、職員の仕事内容、求人事情、給料について詳しくご紹介したいと思います。さっそく見ていきましょう!
就労継続支援の事業所は、A型・B型の種類があります。
就労継続支援の仕事に興味を持ち始めたばかりで、その違いがあまり分からないという方のために「就労継続支援事業について」そして「A型・B型事業所の違い」を分かりやすく解説したいと思います。
まずは、就労継続支援事業について見ていきましょう。
就労継続支援事業とは、一般的な会社に雇用されることが困難である障がい者に、就労の機会を提供するとともに生産活動などの機会提供を通して、知識・能力の向上に必要となる職業訓練などの支援をおこなう事業のこと。
就労継続支援は【A型】【B型】の2種類に分けられます。
「どのような人を対象とし、どのような支援をおこなうのか」によってA型もしくはB型の事業所となります。就労継続支援には利用期間の制限はありませんが、年齢制限や条件などが決められています。
就労継続支援A型の特徴は、
・事業所と雇用契約を結んでいる
・勤務先で働き給料が支払われる
ということ。
雇用契約に基づいた就労が可能な方に働く場を提供、そして生産活動や一般企業への就職支援などのサポートをおこないます。
厚生労働省が定めている「就労継続支援A型」を利用するにあたっての要件は以下です。
【就労継続支援A型の要件】
◆対象年齢:18歳以上65歳未満
◆対象者:雇用契約に基づいた勤務が可能で、障がいや難病によって一般企業での就労が難しい方
◆支援の目的:雇用契約に基づきながら就労移行訓練を経て一般企業への就職を目指していく
◎就労継続支援A型についてもっと詳しく知りたい方は以下のコラムをチェック!
「就労継続支援A型事業所とは?仕事内容や求人事情、給料をご紹介!」
就労継続支援B型の特徴は、
・事業所との雇用契約は結んでいない
・通所し授産的な活動に対する工賃(賃金)を支払う
ということ。
就労継続支援B型事業所では、雇用契約に基づいた就労が困難な方に働く場を提供、そして生産活動や必要な知識・能力向上のための訓練などのサポートをおこないます。
厚生労働省が定めている「就労継続支援B型」を利用するにあたっての要件は以下です。
【就労継続支援B型の要件】
◆対象年齢:50歳以上の方、障害基礎年金一級受給者
◆対象者: A型の仕事内容が困難な障がい者、就労経験者で年齢・体力面などから一般企業で働くことが難しくなった方
◆支援の目的:作業訓練を積み、就労継続支援A型、就労移行訓練、一般企業への就職を目指していく
※参考:厚生労働省|障害者の就労支援について
就労継続支援B型事業所は、A型事業所での雇用契約が困難な方が自分の体調や体力に合わせて働くことができる場・機会を提供し、生産活動を通して必要な知識・能力向上のための訓練などのサポートをおこないます。
就労継続支援B型事業所で扱っている作業内容の例は以下です。
●農作業
●部品加工
●手芸・工芸(製品に名入れの刺繍など)
●喫茶店など飲食店での調理
●パン・クッキーなどのお菓子作り
●製品の梱包、値付け作業
●清掃作業
●衣類のクリーニング
●WEBサイトの作成 など
働くために必要な知識や能力を身につけるための訓練であったり、その人の個性や得意分野を活かせる作業であったり、作業内容は多種多様です。B型事業所の作業内容は、A型事業所に比べてより軽度なものが多くなります。
就労継続支援B型事業所での利用者の労働時間は、一日4、5時間ほどとA型事業所よりも短時間である場合がほとんどです。そして、就労に必要な知識や能力が高まった方に対しては、A型事業所へ移行するための支援をおこなうこともあります。
就労継続支援B型事業所で働く職員は、日々どのような業務をおこなっているのでしょうか?事業所での仕事内容について見ていきましょう。
就労継続支援B型事業所では「管理者・サービス管理責任者・職業指導員・生活支援員」が勤務しています。厚生労働省によって定められている人員配置基準は以下です。
<人員配置基準>
◆管理者:1人以上
◆職業指導員・生活支援員:10:1(事業所ごとにそれぞれ1人以上)
◆サービス管理責任者:利用者60人までは1人、以降40人増すごとに1人
※「職業指導員・生活支援員」のいずれかと「サービス管理責任者」の1人以上は常勤であること。
※最低定員は20人とする。
※参考:厚生労働省|【地域の実情に合った総合的な福祉サービスの提供に向けたガイドライン(案)】
介護職から転職する場合、サービス管理責任者や職業指導員、生活支援員として就労継続支援B型事業所で働くことがほとんどです。
そこで、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員の仕事内容についてご紹介したいと思います。
まずは、就労継続支援B型事務所で働くサービス管理責任者の仕事内容について見ていきましょう。
サービス管理責任者の主な業務内容は以下。
<サービス管理責任者の仕事内容>
□個別支援計画の作成・アセスメント
□利用者との面談・モニタリング
□関係機関との連絡・調整業務
□スタッフへの技術的な指導・助言
など、就労継続支援に関わる業務全般で支援計画に関わる人とのパイプ役となる重要な業務を担っています。事業所によっては、利用者と一緒に作業をおこなう場合もあります。
◎サービス管理責任者について詳しく知りたい方は以下のコラムをチェック!
「サービス管理責任者とは?」
次は、就労継続支援B型事業所で働く職業指導員と生活支援員の仕事内容について見ていきましょう。
職業指導員と生活支援員の主な業務内容は以下。
<職業指導員・生活支援員の仕事内容>
□作業の助言・指導などサポート
□健康面の管理
□悩みの相談役
□日報の作成
□送迎
など、利用者の得意分野を引き出しながら作業に取り組み、必要となるサポートをおこないます。また事業所によっては、サービス管理責任の補助的な業務をおこなう場合もあります。
職業指導員や生活支援員として勤務している方は、キャリアアップとしてサービス管理責任者資格の取得を目指す方も多くいます。
就労継続支援B型事業所への転職を考えている方は「求人がどのくらいあるのか」や「給料がどのくらい貰えるのか」ということが気になるはず。
そんな方のために、求人と給料について調べてみたので見ていきましょう。
ハローワークインターネットサービスで「就労継続支援B型事業所」の求人を調べてみたところ、約600件の求人がヒットしました。しかし、全国で約600件と考えると、それほど多くはありません。
サービス管理責任者としての求人は、必要資格として「サービス管理責任者資格」が求められますが、職業指導員や生活支援員は、必要資格や免許、実務経験などが一切無くても働くことは可能です。しかし、B型事業所の多くは社会福祉士や介護職員実務者研修などの資格保持者を求めていることがほとんど。
求人数がそれほど多くないことを考えると、無資格よりは何かしらの資格を持っているほうが転職に有利といえるでしょう。
就労継続支援B型事業所は、どのような資格を持っている方を求めているのでしょうか?求人の募集要項に掲載しているおもな資格は以下です。
●サービス管理責任者
●介護福祉士
●社会福祉士
●精神保健福祉士
●介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
●介護職員実務者研修(旧ヘルパー1級相当)
●普通自動車運転免許
など
ほかには、福祉の資格を持っている方や福祉事業所での実務経験がある方も歓迎されています。介護職から就労継続支援B型事業所への転職を考えている方は、介護職員初任者研修や介護職員実務者研修の資格を持っておくとよいでしょう。無資格の方は、転職前に資格を取得しておくことをおすすめします。
<資格の関連コラム>
◆サービス管理責任者
「サービス管理責任者とは?」
◆介護福祉士
「かんたん解説!介護福祉士とはどんな資格?」
◆社会福祉士
「わかりやすく解説!社会福祉士 ってどんな資格?」
◆精神保健福祉士
「わかりやすく解説!ニーズが高まる精神保健福祉士資格とは」
◆介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
「どんな資格?介護職員初任者研修を徹底調査!」
◆介護職員実務者研修(旧ヘルパー1級相当)
「介護福祉士実務者研修ってどんな資格?徹底調査しました!」
就労継続支援B型事業所で働く職員の平均給料額について調べてみました。
ハローワークに掲載されている求人情報を基にした、管理者・サービス管理責任者・職業指導員・生活支援員の平均給料額は次のようになっています。
【管理者・サービス管理責任者】
管理者とサービス管理責任者は正社員のみの募集で給料額はどちらも同じくらいの事業所がほとんどです。月給の平均額は以下となっています。
[正社員]
平均月給額:23万円~30万円
【職業指導員・生活支援員】
職業指導員と生活支援員は、どちらも正社員とアルバイト・パートの募集があります。
職業指導員と生活支援員で給料額に差はありません。
平均額は以下となっています。
[正社員]
平均月給額:16万円~24万円
[アルバイト・パート]
平均時給額:1000円前後
※参考:ハローワークインターネットサービス
就労継続支援B型事業所は、利用者1人ひとりの個性や得意分野を引き出しながら作業や訓練のサポートをおこなう仕事です。利用者がおこなう作業は事業所によって異なるため「自分に合っている作業をあつかっているか」ということを事前に確認したうで、転職することをおすすめします。
就労継続支援B型事業所で働くために必要なことは「利用者の表情を意識する」ということです。利用者が楽しみながら作業に取り組めるよう、明るく前向きな姿勢でいることを忘れないようにしましょう。
職業指導員や生活支援員の仕事は、給料が高い仕事ではありません。しかし、利用者の人生に深く関わることができるとても重要な仕事だといえます。
職場選びや面接に不安な方はぜひ介護ワーカーまでご相談ください。
求人のご提案、履歴書添削、面接同行まで・・・
経験豊富な専任アドバイザーが親身になってあなたのお仕事探しをサポートいたします!
<<アドバイザーに相談してみる(無料)>>
<<とりあえず求人を見てみる>>
※掲載情報は公開日あるいは2023年04月13日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。