「介護の三原則」とは?デンマーク生まれの介護の基本となる考え方

更新日:2021年04月09日

公開日:2021年04月09日

デンマーク生まれの「介護の三原則」

介護の三原則という言葉を知っていますか?
これまで介護に携わったことがない方の多くは、聞いたことがないという方がほとんどなはず。また、すでに介護に携わっている方のなかには「聞いたことがある」「あまり覚えていない」という方もいるのではないでしょうか。

介護の三原則は、介護における基本理念として日本だけでなく世界各国で取り入れられている考え方です。
これから介護職として働く方、聞いたことはあるけれどあまり覚えてないという方のために、介護の三原則について説明していきたいと思います。

介護の三原則とは?

介護の基本となる考え方介護の三原則ってなに?

介護の三原則とは、介護の基本的な考え方を意味している言葉です。
介護の三原則は、1982年に福祉の先進国であるデンマークで生まれました。福祉省による高齢者問題員会の設置後、当時委員長であった「ベント・ロル・アナセン氏」によって『介護の三原則』が提唱され、現在の介護における基本理念となりました。

介護の三原則は「高齢者福祉の三原則」とも呼ばれ、またデンマークの高齢者福祉に与えた影響が大きいことから「アナセンの三原則」と呼ばれることもあります。

では、介護の三原則とはどのような考え方なのでしょうか?
つぎで三原則の内容について解説していきたいと思います。

「介護の三原則」の内容を解説!

介護の三原則①生活の継続性②自己決定の尊重③残存能力の活用

介護の三原則とはどのような考え方なのか、その内容について見ていきましょう。

介護の三原則は以下3つのことを基本としています。
◇生活の継続性
◇自己決定の尊重
◇残存能力の活用

それぞれ、どのような内容なのか詳しく見ていきましょう。

三原則(1)|生活の継続性

生活の継続性は、これまで暮らしてきた生活を断絶することなく、継続性をもってその人らしく暮らすべきという考え。

高齢者で介護が必要になっても、できるだけそれまでと変わらない生活を自宅で続けられるようにサポートしていきます。たとえ、介護施設へ入居が必要になった場合でも安心して暮らせるように、それまでの生活環境やリズムなどに配慮することが大切です。

何十年も住み慣れた場所から一気に環境を変化させるということは、高齢者にとってとても大きなストレスとなります。とくに認知症を患っている高齢者の場合、生活環境をガラリと変えることで症状が悪化してしまうケースも珍しくありません。

デンマークの介護施設では、それまでの生活が少しでも継続できるように使い慣れた家具などを自室に持ち込めるようになっているなど、ストレスを少しでも減らし自分らしく生活できるようになっています。

本人が望んでいないのにもかかわらず、介護する側が便利だから、都合がいいからという理由でその人のこれまでの生活を断ち切らないようにしなくてはなりません。

三原則(2)|自己決定の尊重

自己決定の尊重は、老後の暮らし方を高齢者自身で決め、その選択を尊重するということ。介護が必要になっても「自分がどのように生活したいのか」自分自身で決定できる環境であることが理想です。

デンマークでは、介護が必要な高齢者が「家で暮らしたい」と意思を伝えれば、その決定に合わせて社会が動き、サポートをおこなっていきます。例えば介護度の高い寝たきりの方でも、家での生活を望めばその意思を尊重する体制が整っています。

しかし現在の日本では、家族や施設職員など周囲の都合でさまざまなことを決められてしまう傾向にあり、介護を受ける側の意思は尊重されにくいのが事実です。
また、高齢者自身も「迷惑をかけたくない」という思いから周囲に合わせ、自分の意思を伝えず胸にしまっている方は少なくありません。

そのため、自分の意思をなかなか伝えられない方の本心を引き出してあげることも日本の介護職にとって大事な仕事の一つといえます。

三原則(3)|残存能力の活用

残存能力の活用は、今ある能力を最大限に使いながらリハビリをするということ。
日常生活において「自分でできること」は何でも自分でしてもらい、自身の能力を活かすことが大切だという考えです。

デンマークでは、本人ができることも全て手助けしてしまうと、残存能力をどんどん低下させてしまうので、やってはいけないという考え方を徹底的に周知しています。今ある能力を維持・向上させるためにも、サポートは最低限にとどめて福祉用具などを活用して、できることは自分でしてもらうことが大事です。

介護職として働いていると仕事が忙しく、つい時間をかければ本人でできることも“やってあげてしまう”場面はあるでしょう。しかし介護する側の都合や過度な介護で、本人の“やろうとする気持ち”や“できること”を奪ってはいけません。
「できないことをサポートする」ということを常に意識しておくことが大切です。

まとめ

介護の三原則は、高齢者一人ひとりを尊重し最後まで自分らしく生活していくことを目的としています。現在の日本では、デンマークと同じように介護を提供することは難しい側面があります。しかし、できる限りこの三原則に沿って支援をすることで、介護を必要としてる高齢者が少しでも自分らしく生活できるようになるはずです。

実際、介護現場では毎日忙しく、効率的に動くことを考えてしまい利用者や入居者の気持ちを後回しにしてしまいがちです。そうならないためにも、これから介護職として働く方は「できないことをサポートする」ということを常に意識して仕事に取り組んでいきましょう。

すでに介護職として働いている方は「三原則に沿って支援できているか?」「仕事上の都合で支援していないか?」など、一度立ち止まり振り返ってみてください。思う点があれば、日々意識することで変えていけるはずです。

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