住宅型有料老人ホームとは?施設の特徴や仕事内容をわかりやすく解説します

更新日:2023年04月13日

公開日:2021年05月24日

どんな施設?住宅型有料老人ホーム

高齢者施設の中で、近頃人気がある「住宅型有料老人ホーム」。
求人で見かける方も多いのではないでしょうか。

この「住宅型」は他の老人ホームと何が違うのか、どんな特徴があるのかについて詳しく解説していきます。
住宅型有料老人ホームへの転職をお考えの方はぜひ参考にしてください。

住宅型有料老人ホームとは

住宅型有料老人ホームは、一言でいうと生活援助サービスを受けられる有料老人ホームです。
自立や要支援の方など、介護がほとんど必要ない方向けの高齢者施設ですが、もし介護が必要となった場合には、外部サービスに依頼して介護サービスを受けられます。

有料老人ホームには3種類ある

有料老人ホームの種類

住宅型有料老人ホームについて詳しくお伝えする前に、まず「有料老人ホーム」というものを簡単にご説明します。

有料老人ホームは身体介護、生活援助、健康管理などの中からいずれか(あるいは複数)のサービスを提供する高齢者施設です。社会福祉法人だけでなく民間企業も経営することが可能です。

有料老人ホームには3種類あり、住宅型有料老人ホームはそのひとつになります。

有料老人ホームの種類
・介護付有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・健康型有料老人ホーム


この3つは利用対象者や受けられる介護サービスが異なります。

介護付は、介護度の軽い方から重い方、認知症を患っている方まで、ほぼ全ての高齢者に対応可能な介護サービス付きの有料老人ホームです。

住宅型は先述の通り、比較的介護度の低い方向けの施設が多く、介護が必要になった場合には外部サービスを利用できます。

健康型は、自立の方向けのホームです。基本的に介護サービスを提供はなく、介護が必要になった利用者は退去しなければなりません。

有料老人ホームの数は年々増加傾向で、中でも住宅型有料老人ホームの数が増えています。

その理由には、介護付は市町村の介護保険計画で新規開設数が制限されているため簡単に増やすことできず開設のハードルが高い一方で、住宅型は施設基準を満たしたうえで自治体に届け出を出せば新設することができ、異業種からの参入障壁が高くないことなどが挙げられます。

健康型は「健康な人向け」とニーズが限定されているため、施設数は有料老人ホーム全体の0.1%と非常に少ないです。


住宅型有料老人ホームの特徴

ではここからは住宅型有料老人ホームの特徴を詳しくお伝えしていきます。
まずはサービス内容についてです。

サービス内容|レクリエーションやイベント行事が充実

住宅型は介護がほとんど必要ない方向けの高齢者施設とお伝えしましたが、ではどういったサービスを提供するのかというと、主に
・生活援助
・安否確認
・緊急時の対応

といったサービスを提供します。
また介護予防、暮らしを楽しんでもらう目的からレクリエーションや季節の行事が充実していることも特徴の一つです。

住宅型は介護付と違って都道府県知事から「特定施設入居者生活介護(※)」の認定を受けていない施設です。
この認定を受けていなければ介護サービスを提供することはできません。


※特定施設入居者生活介護とは

厚生労働省が定める基準を満たしている施設が提供できる介護サービスのことで、特定施設になるには都道府県知事の認定が必要です。

この指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなどは、「介護付」「ケア付」と名乗ることができ、食事や入浴介助などの身体介護、掃除や洗濯などの生活支援、機能訓練などを提供できるようになります。

そのため介護が必要になった利用者は、自身で訪問介護やデイサービスなどの外部サービスと契約する必要があります。
「必要な介護サービスを自由に組み合わせて利用でき、使った分の費用だけ別で支払う」というシステムなので、健康状態のよい利用者にとっては月額利用料を安く抑えられる点が住宅型有料老人ホームの大きなメリットといえます。
また入居前から契約している介護サービスを継続される利用者もいます。

なお、住宅型は外部の介護サービスを利用しつつ終身利用できる施設が多い傾向にありますが、施設によっては自立の方のみ受け入れているところや、介護度が進行したら退去してもらう決まりのところもあります。

人員配置基準

住宅型有料老人ホームの人員基準は特に設けられていません。

通常、高齢者施設では介護職員や看護師、機能訓練士など職種ごとに何人配置しなければいけないという人員基準が設定されているのですが、住宅型有料老人ホームでは施設ごとの必要数に応じて人員配置をすればよいとされています。

基本的に介護サービスの提供がなく、施設によってサービス内容が異なるためで、
健康型有料老人ホームもこれに当てはまります。
施設長1名の配置のみ定められています。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との違い

住宅型有料老人ホームのような外部の介護サービスを利用する高齢者施設に、サービス付き高齢者向け住宅があります。

どちらも自立や介護度の低い高齢者を対象としており、介護サービスは提供しない施設のため、「違いは何?」と思われる方も多いのではないでしょうか?

住宅型とサ高住の最も大きな違いは、利用者が入居する際の契約形態です。
住宅型は「利用権方式」、サ高住は「賃貸借契約」という形態で契約を結びます。

住宅型の利用権方式というのは、家賃の前払金として比較的高額な入居一時金を支払い、終身利用権を得る契約方式になります。
入居一時金を払うことで居室を終身利用でき、施設の共用部分や食事提供などのサービスを受けられるというものです。

一方、サ高住の賃貸借契約は一般的な賃貸住宅の契約と同じで、敷金や保証金などを支払う契約です。
サ高住の方が入居の初期費用は安く抑えられると言われています。

住宅型有料老人ホームでの仕事内容

住宅型有料老人ホームでの仕事内容

ここまでの説明通り、住宅型有料老人ホームで提供する主なサービスは、生活援助、利用者の健康管理や安否確認、緊急時の対応などです。
職員が直接介護サービスを提供することは原則ありません。
介護が必要となった利用者は、訪問介護や通所介護などの外部サービスを別で契約する必要があります。

したがって住宅型で働く介護職員の主な仕事内容は、
・利用者の居室清掃
・洗濯、衣服の整頓
・食事提供

といった生活援助が中心になります。
また、外出支援やレクリエーションの企画・開催、利用者の健康管理などです。
利用者と積極的にコミュニケーションをとりながら、安心して心地よく暮らせる住居を提供することが求められます。

ただし、住宅型の中には訪問介護事業所や通所介護事業所を併設している所が少なくありません。
そのような施設では、事業所と連携し、介護職員が常駐する形で24時間体制365日、介護サービスを提供しているケースもあり、その施設の介護職員が身体介護を行う場合もあります
仕事内容は施設によって異なりますので、転職する際は詳しい業務内容について必ず確認するようにしましょう。

まとめ

住宅型有料老人ホームについて、またその仕事内容について解説しました。
住宅型は、施設によってサービス内容に差があり、それに伴って職員の仕事内容も異なります。
訪問介護事業所やデイサービスを併設しているところもあれば、複数の医療機関と連携し、訪問看護サービスを受けられる施設などもあります。

住宅型有料老人ホームで働くことをお考えの方は、どんな働き方をしたいかを明確にし、職場の業務内容と照らし合わせて検討されることをおすすめします。

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