更新日:2023年04月13日
公開日:2021年06月09日
3交代制を取り入れている介護施設にある「準夜勤」という勤務形態。
準夜勤と夜勤の違いがなにか分からない方もいるのではないでしょうか?
そこで、準夜勤と夜勤の違いについて、また業務内容、メリット・デメリット、求人の探し方などを解説していきたいと思います。
介護施設における準夜勤とは、夕方から深夜(16時~1時くらい)までの時間帯に働く勤務形態のことです。
しかし準夜勤の勤務時間帯は施設によってさまざまで、夜22時前後から朝7時や8時まで、もしくは昼過ぎの14時前後から23時や0時までの勤務を準夜勤としているところもあります。
準夜勤がある介護施設では、1日の勤務を「日勤・準夜勤・深夜勤」の3つ分ける「3交代制」を導入していることがほとんど。3交代制は、日勤・準夜勤・深夜勤それぞれが約8時間勤務となるようにシフトが組まれています。
医療労働組合連合会の「2021年介護施設夜勤実態調査結果」によると、準夜勤のある3交代制を取り入れている介護施設は10.1%、1日の勤務を「日勤・夜勤」の2つに分ける「2交代制」を取り入れている施設は87.6%でした。
3交代制を取り入れている介護施設ははまだ少なく、2交代制を取り入れている施設が多くを占めているのが現状です。
※参照:日本医療労働組合連合会「2021年介護施設夜勤実態調査結果」
「準夜勤」と「夜勤」にはどのような違いがあるでしょうか?
2つの勤務形態の違いについて見ていきましょう。
準夜勤と夜勤で最も違いがあるのは、1回あたりの「勤務時間」です。
準夜勤の勤務時間は、夕方~深夜もしくは夜~朝にかけての約8時間勤務になるようシフトが組まれています。
たとえば、
●16時~1時(休憩60分)
●22時~8時(休憩120分)
のように、1回の勤務時間が約8時間になるように調整されています。
2交代制の夜勤の勤務時間は、夕方から翌日の朝までの約16時間勤務でシフトを組まれていることがほとんど。
たとえば、
●16時~10時(休憩120分)
●17時~10時(休憩120分)
といったシフトパターンが多めです。
準夜勤と夜勤では、1回の勤務時間の差が約8時間あることになります。
2つ目の違いは、夜勤明け日の扱いの違いです。
3交代制の準夜勤の場合、勤務時間が約8時間と1日の労働時間に相当するため、夜勤明けの日は休みではなく出勤になることがあります。
2交代制の夜勤の場合、1回の勤務で約16時間働くため連続で2日分勤務した計算となります。このため夜勤明けの日は勤務日の扱いとなり、翌日が公休となることがほとんどです。
3つ目の準夜勤と夜勤の違いは「夜勤手当」です。
夜勤手当とは、夜間に労働するという負担に対する手当で、法律上規定はなく会社や事業者などによって任意に設けられている手当のこと。「夜勤1回〇,000円」など、一律金額を設定している事業所が多いですが、なかには夜勤手当が出ない施設もあります。
法律で決められているのは「深夜割増賃金」で、22時~翌朝5時までの時間帯に発生します。深夜割増賃金は、日中の1時間当たりの賃金を1.25倍(25%増し)以上で計算した金額になります。
夜勤手当と混同されやすいですが、深夜割増賃金は法律で決められているため規定時間に働いた場合は、最低でも上記の割増賃金が支給されます。
夜勤手当も深夜割増賃金も含めて「夜勤手当」と呼ばれることが多いですが、その内容は異なります。
準夜勤と夜勤では、どのくらい夜勤手当(※)に違いがあるのか調べてみました。
医療労働組合連合会の「2019年介護施設夜勤実態調査結果」によると、正規職員で2交代制と3交代制の夜勤手当の金額は以下のようになっています。
■2交代制(夜勤) :平均5,976円
■3交代制(準夜勤):平均3,630円
■3交代制(深夜勤):平均4,325円
※参照:日本医療労働組合連合会「2021年介護施設夜勤実態調査結果」
夜勤手当の平均額を見てみると、最も多いのは平均5,976円で2交代制の夜勤でした。
準夜勤と夜勤では勤務時間が倍近く違うことを考えると、夜勤の平均手当はやや少なく思えます。
(※)ここでは「任意の夜勤手当」と「割増賃金」を合算した手当のことを指します
◎介護職の夜勤の給料について知りたい方はこちらのコラムを参考にしてみてください!
徹底調査!介護職における夜勤の実態と給料について
介護職員は準夜勤でどのような業務をおこなうのでしょうか?
準夜勤の業務内容の例をご紹介したいと思います。
以下のタイムスケジュール例は、準夜勤を16時~翌1時までとした場合の業務内容の例となっています。
<準夜勤のタイムスケジュール例> | |
16:00 | 出勤、業務の引き継ぎ |
---|---|
17:00 | 出勤、業務の引き継ぎ |
18:00 | 出勤、業務の引き継ぎ |
20:00 | 就寝準備、トイレ介助、オムツ交換など |
22:00 | 消灯 |
23:00 | 見回り、その都度コール対応 |
0:00 | 記録業務 |
1:00 | 業務の引き継ぎ |
準夜勤の業務内容は施設や勤務時間帯によって異なりますが、夕食の食事介助や口腔ケア、就寝準備、消灯後の見回り、コールの対応などがおもな業務です。
準夜勤が夜から朝までの時間帯であれば、起床後の排泄介助や着替え、朝食の準備や介助などをおこないます。
準夜勤の業務での注意点としては、利用者の様子をしっかりと見ておくことです。
「夕食はちゃんと食べられているか」
「食後に体調の変化はなさそうか」
など、注意深く利用者の様子を観察しておきましょう。
昼間は元気でも夜に体調が急変することも少なくないため、何か気付いたことがあれば記録し深夜勤のスタッフに必ず引き継ぎましょう。
準夜勤で働くメリット・デメリットはどのようなことがあるのでしょうか?
さっそく見ていきましょう。
準夜勤で働くメリットは以下の3つ。
●夜勤よりも生活リズムが崩れにくい
準夜勤は、夕方に出勤して深夜に退勤となるため、日勤よりは勤務時間が後ろ倒しにはなるものの、夜勤のように生活リズムが大きく崩れることはありません。
そのため、夜勤よりも通常の生活リズムに戻しやすいという点はメリットといえます。
●勤務での疲労がたまりにくい
準夜勤は1回の勤務が約8時間でシフトが組まれています。
そのため、夜勤の約16時間勤務に比べると勤務時間が短く、夜勤に比べて勤務での疲労もたまりにくいというメリットがあります。
●夜勤手当(割増賃金)がつく
夜22時から朝5時までは深夜割増賃金が1.25倍つくため、1勤務あたりの給与は日勤で働くよりも高くなります。また、施設によっては割増賃金とは別に夜勤手当が支給される場合もあり、日勤よりも稼げる点はメリットです。
では、反対に準夜勤で働くデメリットとはどのようなことがあるのでしょうか?
準夜勤で働くデメリットは以下。
●勤務の間隔が短くなる場合がある
シフトによっては、準夜勤の翌日(0時や1時退勤であれば当日)に日勤が入るなど、勤務と勤務の間隔が短くなり、満足に休息時間がとれない場合があります。
また、シフトが「(月)準夜勤(火)公休」と準夜勤後に公休が入っていても「(月)日勤(火)公休」と比べて、休息時間が短くなってしまうというデメリットがあります。
●電車・バスでの帰宅が難しい
準夜勤は帰宅する時間が深夜になるため、住んでいる地域によっては電車やバスなどの公共交通機関を使っての帰宅が難しくなります。
勤務先まで、徒歩や自転車、車などで通勤できるのであれば問題ありませんが、公共交通機関を利用し通勤する場合はタクシーを利用し帰宅しなければなりません。
ただし、施設によっては深夜に退勤となる場合、タクシーチケットなどが支給されるところもあります。
前述したように、準夜勤のある介護施設の数はそれほど多くありません。
そのため、求人サイトや求人情報誌などで探してもなかなか条件の合う求人が見つからないことも少なくないでしょう。
そこで、おすすめしたい求人探しの方法が「転職エージェント」を利用することです。
転職エージェントとは人材紹介サービスの一つで、求人探しから入職まで転職をサポートしてくれるサービスです。
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◎転職エージェントサービスについてもっと詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
日勤と比べて準夜勤は勤務する人数が少ないため、利用者の様子などをしっかりと観察しておかなければなりません。また場合によっては、急変時の対応なども必要となることを覚えておきましょう。
準夜勤のある3交代制を導入している施設は全国的に少ない傾向にあります。そのため、介護職で準夜勤のある施設で働きたいと考えている方は、ぜひ転職エージェントを利用し求人を探してみてください。
また、求人に準夜勤と記載されていても施設によって勤務時間帯が異なるため、希望の時間帯であるかチェックすることも忘れずに。
職場選びや面接に不安な方はぜひ介護ワーカーまでご相談ください。
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