経管栄養について知っておこう!介護職が実施するための条件とは?

更新日:2021年11月18日

公開日:2021年11月18日

介護施設でも増えてきている経管栄養 介護職が実施するための条件とは?

「経管栄養ってなに?」と思う方は少なくないはず。
これまで介護や医療に携わった経験がない方なら尚更、初めて聞いた方もいるでしょう。
経管栄養は、簡単に言うとチューブを使って栄養を摂取することです。
介護施設によっては経管栄養をおこなっている利用者がいることもあるため、介護職も経管栄養について知っておきましょう。

今回は、経管栄養の基礎知識や介護職が実施するための条件などについて紹介していきたいと思います。経管栄養をおこなっている施設で勤務している方や勤務予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。

経管栄養とは?

経管栄養は経腸栄養法の一種!栄養療法の種類

経管栄養とは「経腸栄養法」の一種で、自分の口から食事できなくなってしまった方や十分な栄養を摂取できていない方に対して、胃や消化管(腸)に通したチューブで栄養剤を投与する栄養療法です。

<<栄養療法とは?>>
栄養療法とは、身体に必要な栄養を適切な方法で投与し栄養不良を改善する治療法のことです。
栄養療法には「経口栄養法」「経腸栄養法」「静脈栄養法」の3つがあり、
・自分の口から食事ができるか?
・消化管(腸)の機能が十分か?
によって、医師がどの栄養法をおこなうのかを判断します。

それぞれ、どのような栄養補給方法なのか見ていきましょう。

■経口栄養法
自分の口で食事をして、栄養を摂取する方法。
摂食・嚥下障害、咀嚼障害などの理由によって、摂食・嚥下訓練や食形態(きざみ食・ソフト食・ミキサー食など)の工夫が必要になる場合もあります。

■経腸栄養法
経腸栄養法は、口から栄養素を摂取する「経口栄養法」とチューブを使用し胃や腸などに栄養剤を投与する「経管栄養法」の2種類あります。
消化管機能の状態や嚥下障害の有無、必要な期間、などによってどちらの方法で投与するのかを選択します。

■静脈栄養法
静脈栄養法は消化管機能が機能していない、もしくは使用できない場合に血管から栄養剤を投与する方法です。
栄養剤を投与する血管の場所は、静脈栄養法を実施する期間によって以下のように異なります。

短期の場合:腕などの「末梢静脈」から投与
長期の場合:鎖骨下静脈などから心臓に近く太い血管の「中心静脈」へカテーテルを通し投与


栄養療法には「腸が働いているなら、腸を使おう!」という原則があるため、腸が機能し安全に使用することが可能である場合、経口栄養法もしくは経腸栄養法を選ぶことがほとんどです。

経管栄養の種類と特徴

経管栄養の種類は2つ 経鼻法 経瘻孔法

経管栄養法の種類は、大きく「経鼻法」と「経瘻孔(ろうこう)法」の2つに分けられます。
それぞれの特徴などについて見ていきましょう。

[経鼻法]

経鼻法は、鼻から胃や腸までカテーテルと呼ばれるチューブを通し、栄養剤を投与する方法です。
経鼻法の対象となるのは、
●嚥下(えんげ)障害を抱えている
●消化管機能に問題がない
●栄養管理が短期間である

という場合。

一般的に、栄養管理をする期間が短期(4週間以内)であれば経鼻法を選択します。

経鼻法の種類としては
■経鼻胃管
■経鼻十二指腸・空腸

があり、誤嚥(ごえん)リスクの有無などから、その人の状態に合わせて選択されます。

[経ろう孔法]

経ろう孔法は、お腹などに「ろう孔」と呼ばれる小さな穴を造り、そこからチューブを通して直接胃や腸などへ栄養剤を投与する方法です。

経ろう孔法の対象となるのは、
●嚥下(えんげ)障害を抱えている
●消化管機能に問題がない
●腸の機能に問題がない
●栄養管理が長期間である

という場合。

一般的に、栄養管理をする期間が4週間以上の長期になると予想される場合は、経ろう孔法が選ばれます。

経ろう孔法の種類としては、
■胃ろう
■腸ろう(経鼻的胃ろう、経胃ろう的十二指腸ろう、空腸ろう)

などがあり、誤嚥(ごえん)リスクの有無やその人の状態によって選択されます。

介護現場で実施できる経管栄養の種類とは

介護施設などの現場で、介護職員が実施できる経管栄養の種類は以下の3つです。

■経鼻経管栄養
栄養管理が短期間となる場合に実施される方法で、鼻からチューブを通し胃や十二指腸などに栄養剤を投与します。
チューブの挿入や交換の際に不快感や痛みが伴うため、認知症がある利用者のなかには自分で抜いてしまう方もいます。

■胃ろう
お腹と胃に穴を開けて造ったろう孔から、チューブを使用し直接胃に栄養剤を入れる方法です。

■腸ろう
障害や疾患があり胃ろうができない場合に選択される方法です。胃ろうと同様に腸へろう孔を造り、チューブを使用し腸へ栄養剤を投与します。


そもそも経管栄養は医療行為にあたるため、以前までは医師もしくは医師から指示を受けた看護師のみが実施でき、介護職員がおこなうことは違法とされていました。
しかし高齢化が進むにつれ、経管栄養を必要とする高齢者も増加したことによって、社会福祉法及び介護福祉法の一部が改正され、研修の受講など条件を満たした介護職員であれば実施可能となりました。

その研修について次で見ていきましょう。

介護職員が経管栄養を実施するためには

介護職員もできる介護現場での経管栄養

前述したように、介護職員が経管栄養を実施するためには、研修を受講するなど条件を満たしていることが必要です。

介護職員が経管栄養を実施するための条件は以下となっています。

・「喀痰吸引等研修」を修了している
・県に「認定特定行為業務従事者認定証」の交付を受けている
・就業している事業者が「登録特定行為事業者」の登録または変更届(従事者の追加)をしている

喀痰吸引等研修は、介護資格や学歴など受講資格はとくに設けられていないため、未経験の方でも受講が可能です。
喀痰吸引等研修は「第1号研修」「第2号研修」「第3号研修」と3種類あり、研修内容や講義時間などが異なります。

それぞれの概要は以下。

【第1号研修】
喀痰吸引および経管栄養について、対象となる行為のすべてを実施できる研修です。

■対象者
不特定多数
■基本研修
講義:50時間
演習:6項目
■筆記試験
基本研修修了後にある筆記試験に合格する必要があります。
■実地研修
5項目

【第2号研修】
喀痰吸引(口腔内及び鼻腔内のみ)および経管栄養(胃ろう、腸ろうのみ)を実施できる研修です。

■対象者
不特定多数
■基本研修
講義:50時間
演習:6項目
■筆記試験
基本研修修了後にある筆記試験に合格する必要があります。
■実地研修
3項目

【第3号研修】
ALSや筋ジストロフィーといった重度障がい者のみに実施できる研修です。

■対象者
特定の者
■基本研修
講義:8時間
演習:1項目
■実地研修
5項目

第3号研修は、第1号、第2号研修と違い、重度障害者など特定の方にのみ治療をおこなうことができる資格であるため、研修のカリキュラム内容などは他2つの研修と異なります。

◎喀痰吸引等研修についてもっと詳しく知りたい方は以下のコラムをチェック!
「喀痰吸引等研修 ってどんな資格?」

まとめ

介護現場において、経管栄養を必要とする高齢者は増加傾向にあります。
そのため、経管栄養を実施できるスキルを持っている介護職員のニーズも高まりつつあり、喀痰吸引等研修を受講する介護職も増えてきています。
介護職としてスキルアップを考えている方や経管栄養を実施している施設に勤務している方など、ぜひ研修の受講を考えてみてください。

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