遠距離介護を成功させる方法とは?家族負担を減らして安心できる毎日を!

更新日:2023年03月14日

公開日:2023年02月24日

眼鏡の年配の女性

「遠距離介護の家族って大変なのかな?」と担当の利用者の家族が遠くにいるケースで悩んでいませんか?
遠距離介護は負担が大きく、安心して介護ができるかどうか不安に感じている介護者が多いようです。
今回は介護職が業務上で困らないように、遠距離介護の概要や理由、成功させる方法などについて解説します。
遠距離介護を理解して、担当利用者のご家族に適切が助言ができるようにしましょう。

遠距離介護とは

電話をする男性

遠距離介護とは、長距離を移動して遠くで暮らす家族や親族を介護することと一般的に言われています。
ここでは、遠距離介護をしている方の人数や、その理由について解説します。

遠距離介護をしている人が多くいる

遠距離介護をしている方が多くいます。
国民生活基礎調査によると、介護を必要とする方の介護者の13.6%が別居の家族等でした。
別居の家族であるため、必ずしも遠距離にいるとは言えません。
ただ、介護が必要な状況であるにもかかわらず別居している状況を考えると、家族が遠距離にいると考えてよいでしょう。
介護者の7〜8人に1人が遠距離介護をしている状況は注目すべき事実です。

参照:令和3年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 

遠距離介護をする理由とは

遠距離介護をする理由は様々です。以下のような理由があります。

●   介護者が仕事を辞められない
●   介護を必要とする方が住み慣れた自宅・地域から離れることに抵抗がある
●   希望する介護施設に入所できない

介護者の経済基盤や介護を必要とする方の生活基盤などを失ってでも、介護を優先させることは難しいと言えます。
いくら親の介護であるからと言っても、退職や呼び寄せることは簡単なことではありません。
そのため、家族の帰省や余裕があるときなどに介護をする程度になってしまうのです。
また、経済的な理由から有料老人ホームではなく、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの入所倍率が高い介護施設への入所を希望するケースも多いでしょう。
施設入所を希望してもできない現状もあるのです。

遠距離介護にメリットはあるの?

談笑する男性たち

ここでは遠距離介護のメリットだけではなくデメリットについて解説します。

転居をする必要がないのは大きなメリット

メリットは転居をする必要がないことです。
転居をしないことで以下のようなメリットがあります。

●   介護離職の必要がない(経済的基盤を失わない)
●   介護を必要とする方が住み慣れた自宅・地域で生活できる(生活基盤を失わない)
●   介護者の家族が別居する必要がない(生活基盤を失わない)

介護を必要とする方が70〜80代と考えると介護者は40〜50代でしょう。
40~50代は働き盛りの世代であり、その子どもも育ち盛り世代です。
仕事に教育にもっとも大変なときに、経済・生活基盤を失わずに済むことは、大きなメリットと言えます。

デメリットは大きな費用負担

デメリットは大きな費用負担と言えます。発生する大きな費用は以下のとおりです。

●   交通費
●   通話料

盆や正月の帰省のタイミングで介護をするだけなら負担になりませんが、介護で頻繁に遠距離を移動すると多額の交通費がかかります。
また、様子確認で頻繁に電話するため、高額な通話・通信料も無視できません。
そのため、割引制度の利用が不可欠です。以下のような交通費の割引制度があるため利用をおすすめします。

●   航空会社の介護帰省割の利用
●   JRのネット割引の利用

また、介護を必要とする方がスマートフォンやパソコンを保有しているのなら、通話アプリやチャットアプリの利用で通話・通信料が削減できます。

遠距離介護を成功させる方法とは

家族の人形

遠距離介護を成功させる方法は様々あります。
ここではおすすめする五つの方法を解説します。

家族とコミュニケーションをしっかりとろう

成功させる方法の一つ目は、しっかりコミュニケーションを取ることです。
理由としては、些細な変化も見逃しにくくなるためです。
介護を必要としている方は、予想外の速さで認知症や身体機能が悪化します。
介護者が久しぶりに連絡して悪化した状態に気づいてからでは手遅れです。
頻繁な電話連絡以外では以下の方法も効果的です。

●   ビデオ通話機能で表情や様子を確認:変化に気づきやすい
●   本人の友人や近所の方などに様子を確認してもらう:身近にいるために些細な変化に気づきやすい

最近は詐欺や消費トラブルにあうリスクが増えています。
介護を必要とする方と介護者がしっかりコミュニケーションを取ることが重要です。

家族の経済状況を把握する

成功させる方法の二つ目は、年金や保有資産などの経済状況を把握することです。
理由としては、介護費用を介護が必要とする方本人に負担してもらうことで、介護費用の負担トラブルがおこりにくくなるためです。
1~3割の自己負担の介護保険サービスを利用したとしても、長期間になるとかなりの介護費用が発生します。
介護者が介護費用を一時的に負担したとしても、そのあとに精算しようとするとトラブルになりかねません。
特に保有資産が多い方の場合は、すでに家族間でトラブルの原因を抱えていると言えるでしょう。
現実のお金をめぐるトラブルは映画やドラマ以上です。
のちのトラブルの原因を作らないためにも、介護費用は介護を受ける本人に負担してもらうことをおすすめします。

介護保険サービスを利用する

成功させる方法の三つ目は、意外かもしれませんが介護保険サービスの利用です。
プロの介護職がかかわることで様々な問題点に気づきやすくなるためです。
定期的なサービスの利用は、怪我や疾患などの緊急時を考えても有効と言えます。
運動不足や栄養バランスの偏った食事、認知症の進行など、介護のプロだからこそ気づける点がたくさんあります。
また、介護保険サービスは「介護されるためのサービス」ではなく、「自立を目的としたサービス」です。
介護保険サービスの利用によって、できるだけ長く本人らしい生活ができますよ。

地域包括支援センターやケアマネを頼ろう!

成功させる方法の四つ目は、地域包括支援センターやケアマネジャーなどの専門機関・専門職に頼ることです。
誰かに頼ることに抵抗を感じるかもしれませんが、早い段階から相談し遠距離介護に対策することで、介護者の負担を減らせます。
地域包括支援センターは介護の地域の相談窓口になる機関、ケアマネジャーは介護保険サービスを利用する際に介護プランを作成する専門職です。
相談することで不足している対策や必要なサービスなどがわかり、安心して遠距離介護を継続できます。
また、早い段階から専門機関・専門職とかかわることで、施設入所の段階になっても慌てずに対応できます。
誰かに頼ることは弱みを見せるように感じるかもしれません。
しかし、介護は専門性が必要な領域であることを認識し、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談することが重要です。

見守りアプリを使ってみよう!

成功させる方法の五つ目は、スマートフォンの見守りアプリの活用です。
見守りアプリを活用すれば、本人が元気に過ごしているかがわかり安心できます。
見守りアプリには様々な種類があり、ほとんどは無料で利用できます。アプリの各機能とメリットは以下のとおりです。

●   カメラ機能がある:元気に過ごしているかがわかる
●   動作を確認する機能がある:動けない状態の場合はすぐに対応できる
●   位置情報がわかる機能がある:外出し活動的に過ごしているかがわかる

外出が好きな方なら位置情報がわかるアプリのように、本人の個性にあわせたアプリを活用すると効果的です。
外出しているかだけを知りたい場合は、グーグルマップのロケーション履歴やタイムラインの機能だけでもわかりますよ。

家族負担を減らして遠距離介護を成功させよう!

電話をする年配の女性

遠距離介護をしている方が多く、遠距離介護をする理由も様々でした。
遠距離介護にはメリットもデメリットもあり、デメリットについては対策を立てることである程度は解消できます。
解説した成功させる五つの方法で、遠距離介護を成功させやすくなりますよ。

※掲載情報は公開日あるいは2023年03月14日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。

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