【サービス提供責任者】訪問介護事業所での役割や仕事内容、給料を解説!

更新日:2023年09月28日

公開日:2023年08月21日

高齢者とスタッフ

「求人に応募したいけど、サービス提供責任者の仕事内容や役割について知りたい!」と思っている介護職はいませんか?
訪問介護以外の事業所・施設の介護職は、サービス提供責任者について詳しく知らないかもしれません。
知ることができれば、安心して求人に応募できるでしょう。
そこで当記事では、サービス提供責任者の役割や仕事内容、資格要件、給料などを解説します。

サービス提供責任者とは

会議風景

サービス提供責任者は、介護保険法の訪問介護事業所に配置される職種です。
なお、似ている名称の職種にサービス管理責任者がありますが、これは介護保険事業所ではなく障害者福祉サービス事業所に配置される職種です。

サービス提供責任者は訪問介護事業所の「司令塔」

サービス提供責任者は、チームスポーツでたとえるなら、司令塔やチームキャプテンの役割です。
訪問介護事業所が利用者様に円滑にサービスを提供できるように、調整や把握、管理などの全体的なサポートをするからです。
それらの業務によって、ホームヘルパーが利用者様の自宅で迷うことなくサービスを提供できます。

仕事内容は幅広い

サービス提供責任者の仕事内容は幅広いといえます。仕事内容は以下のように実に様々です。

● 訪問介護計画の作成
● 利用申込みの調整
● 利用者の状態変化・サービスへの意向の定期的な把握
● 居宅介護支援事業者との連携(サービス担当者会議出席など)
● ホームヘルパーへの具体的援助方法の指示・情報伝達
● ホームヘルパーの業務の実施状況の把握
● ホームヘルパーの業務管理
● ホームヘルパーへの研修・技術指導

このように幅広い仕事内容に携わっています。
調整や指導、サポートが仕事の中心であり、大変な仕事かもしれませんが、それらにやりがいを感じる方もいます。
介護現場での仕事というよりは、一歩引いて全体をみる仕事といえるでしょう。
また、意外と書類作成の業務も多いため、事務スキルも必要とされます。

管理者・ホームヘルパーとの兼務はできる?

サービス提供責任者は、事業所の管理者やホームヘルパーと兼務できます。
ただ、条件を満たしていない事業所は、サービス提供責任者とホームヘルパーとの兼務はできません。
なお、条件を満たしているなら、非常勤、つまり、パートスタッフもサービス提供責任者として働けます。 
サービス提供責任者の人数については次章で解説します。
参考:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準
   指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について

利用者40人に対して一人のサービス提供責任者が必要

高齢者とスタッフ

人員配置基準によると、訪問介護事業所に配置されるサービス提供責任者の人数の割合は、利用者様40人に対して原則一人です。

ただ、事業所に常勤(正社員)のサービス提供責任者が3人以上いる場合や、業務を効率的に行っている場合などの条件を満たせば、50人に一人の割合で配置してもかまいません。

言い換えると、一人のサービス提供責任者が、40~50人の利用者様を担当するということです。

サービス提供責任者に必要な資格とは

資格

サービス提供責任者は、条件にあった資格を保有していないと就けません。
必要な資格は以下のとおりです。

● 介護福祉士
● 実務者研修修了
● 旧介護職員基礎研修修了(制度廃止のため新たに取得できない)
● 旧ホームヘルパー1級課程修了(制度廃止のため新たに取得できない)

残念ながら介護職員初任者研修を修了しただけでは、サービス提供責任者に就けません。
ただ、介護福祉士や実務者研修修了の資格を保有しているなら、挑戦できるチャンスです。
もし、サービス提供責任者の仕事に興味があるなら、思い切って求人に応募してみましょう。
次章ではサービス提供責任者の求人状況について解説します。

サービス提供責任者の求人状況

求人情報

ここまで、仕事内容や必要な資格について解説してきましたが、サービス提供責任者の求人状況が気になる方がいるかもしれません。
ここからは、この「介護職お役立ちコラム」が掲載されている介護求人情報サイト「介護ワーカー」の求人を参考に、サービス提供責任者の求人について解説します。

多くの求人が掲載されている

転職サイトや転職雑誌などに、サービス提供責任者の求人が多く掲載されています。
介護ワーカーの求人検索画面では、以下のように欄にチェックを入れれば、サービス提供責任者の求人を検索が可能です。

ービス提供責任者の求人を検索

検索した結果、全国で3,562件という多くのサービス提供責任者の求人がありました(令和5年6月19日現在)
求人件数だけをみると、ケアマネージャーや相談員の約半分です。
しかし、サービス提供責任者の求人が訪問介護事業所からであると考えると、多くの求人があるといえるでしょう。

介護福祉士資格が応募資格の求人が多い

サービス提供責任者の求人を確認すると、応募資格として多かったのが介護福祉士でした
前述したように実務者研修修了者でもサービス提供責任者に就けますが、より介護の知識やスキルのある介護福祉士の資格保有者を求める傾向にあるようです。
受験資格がある方は介護福祉士試験に挑戦し、資格を取得してからのほうが、条件のよい求人に応募できるでしょう。

ケアマネよりも給料が高い!?

「ケアマネよりサービス提供責任者のほうが給料が高いのでは?」と思う方がいるかもしれません。
実際はどうなのでしょうか?
厚生労働省の令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(案)によると、介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所の年間の給料額は以下のとおりでした。

● サービス提供責任者:約409万円 
● 介護支援専門員:約435万円 
   
参照:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(案)

調査結果をみるとケアマネジャーの給料のほうが高いことがわかります。
しかし、介護ワーカーの実際の求人情報では、ケアマネジャーよりも給料が高いサービス提供責任者の求人をみかけることがあるのです。
これは、調査結果はあくまで平均値であり、事業所によってばらつきがあるということが理由です。
高い給料にこだわって転職したいのであれば、介護ワーカーの求人情報をしっかりみれば、あなたが満足できる給料の求人に出会えるかもしれませんよ。

サービス提供責任者のキャリアアップ

拳を上げるスタッフ

最後は、サービス提供責任者のキャリアアップ候補として、ケアマネジャーと管理者について解説します。

ケアマネジャーになる

キャリアアップ候補の一つ目はケアマネジャーです。
なぜなら、ケアマネジャーは、サービス提供責任者の経験を活かせることが理由です。
サービス提供責任者は在宅介護を知り尽くしています。
また、訪問介護計画の作成業務は、ケアマネジャーが作成するケアプランと計画という点で共通しています。
ケアマネジャーになることは、サービス提供責任者にとってはキャリアアップというよりはステップアップかもしれませんが、候補として検討したほうがよいでしょう。
なお、ケアマネジャーの働き方には、居宅介護支援事業所での勤務と、介護老人保健施設や有料老人ホームなどの介護施設での勤務の、二つに分けられます。
一般的には前者は居宅ケアマネ、後者は施設ケアマネといわれています。

管理者になる

キャリアアップ候補の二つ目は訪問介護事業所の管理者です。
なぜなら、訪問介護の経験が直接活かせることが理由です。
管理者は事業所の最高責任者で、「事業所長」「所長」という呼称で呼ばれることもあります。
サービス提供責任者から管理者になることは、一般的な会社なら係長・課長から部長・支店長などへ昇進するようなイメージかもしれません。
拡大路線の介護事業会社なら、サービス提供責任者から管理者へ昇進もしやすいでしょう。

サービス提供責任者として利用者の在宅生活を支えよう!

車椅子に乗った高齢者とスタッフ

サービス提供責任者は訪問介護事業所にとって司令塔のような役割です。
仕事内容は幅広く、一人のサービス提供責任者が40人の利用者様を担当するため、大変ですがやりがいのある仕事といえるでしょう。
介護福祉士や実務者研修修了者なら、サービス提供責任者の資格の条件を満たします。
求人数も多いため、売り手市場といえるかもしれません。
また、サービス提供責任者であれば、ケアマネジャーや管理者へのキャリアアップも可能です。
興味のある方はぜひ介護ワーカーで、サービス提供責任者の求人を探してみましょう。

※掲載情報は公開日あるいは2023年09月28日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。

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