介護福祉士

介護福祉士の資格について

■介護福祉士ってどんな資格?

介護福祉士は介護に関する専門職の国家資格で、別名「ケアワーカー」とも呼ばれています。
近年の急速な高齢化の進行に伴って、福祉に関する相談や介護を依頼するための専門能力を有する人材を養成し、在宅や施設における介護の充実強化を図ること、国民の福祉を向上させることを目的として制定された資格となります。
要介護の高齢者や障害のある方に対して、スムーズな日常生活を営めるように、一人ひとりの状況に応じた介助をしたり、介護に関する相談や指導を行ったりすることが主な仕事です。

■介護福祉士の国家資格を取得するメリットって?

では、実際に介護福祉士の国家資格を取得すると、どのようなメリットがあるのかをご紹介します!

社会的信頼性が高い!

ケアマネージャーや介護職員初任者研修と違い、介護福祉士は2018年9月時点で介護福祉系資格の中で唯一の国家資格です。
介護福祉士の資格を取得し登録をすることで、国に認められた介護職であるという証になります。
介護についての専門的な技術や知識を有している前提となるため、雇用する側からの評価が高くなり、就職や転職に活かして安定した雇用につなげることができるでしょう。
一度資格を取得すれば全国どこでも通用するため、介護職で活躍したいと考えている人には一生ものの資格といえます。

待遇面にメリットがある!

介護施設によって違いはありますが、多くの施設で介護福祉士の資格取得者には資格手当が加算される傾向が高めです。
そのため、無資格者と比べ待遇面に違いが出てきます。実際の求人をみてみると、初任者研修修了者の手当が月3,000~5,000円に対して、介護福祉士資格取得者の場合は月1~2万円と高くなっており、給与アップには資格取得が非常に有効です。

仕事の幅が広がる!

施設で配置が必要なサービス提供責任者や生活相談員、チームリーダーなどの役職は介護福祉士の有資格者でなければならない場合も多くあります。資格を持っていることで、ヘルパーとしての仕事だけではなく、管理職の仕事に携わるチャンスになります。
仕事の幅が広がることで、キャリアアップや給与アップだけでなく、より介護の仕事に対して広い知識や多くの経験を積むことができ、上位資格である「認定介護福祉士」を目指す際にも役立っていくでしょう。

■介護福祉士国家試験の受験資格や受験方法、合格率は?

ここからは、具体的な介護福祉士国家試験の概要についてまとめましたので、詳しく見ていきましょう!

1. 介護福祉士国家試験の受験資格

介護福祉士国家試験を受験するには、必ず受験資格を満たす必要があります!
受験資格を満たすためのルートは3つあり、いずれかに該当しないと受験資格が認められないため注意が必要です。

ルート1:実務経験+実務者研修

実務経験が3年以上の場合は実務者研修修了と合わせて受験資格となり、実技試験が免除されます
実務経験は、従業期間・従事日数ともに現に就労した期間・日数の要件を満たす必要があります。
また、試験実施年度の3月31日までの従業期間・従事日数を通算することができます。

実務経験+実務者研修

ルート2:福祉系高校

福祉系高校卒業のルートで受験する場合は、入学年度によって学習するカリキュラムが異なるため、平成21年度以降の入学か否かによって必要な受験資格が変わってきます。
特例高校を卒業もしくは福祉系高校に平成20年度以前に入学した場合は、「介護技術講習」を修了する必要があり、修了すると実技試験が免除されます。
※平成21年度以降に入学した場合は、新カリキュラムのため実技試験が免除されています。

福祉系高校

ルート3:養成施設

文部科学大臣及及び厚生労働大臣の指定した学校、または都道府県知事の指定した介護福祉士の養成施設を卒業した場合は受験資格が得られます。
※実技試験は免除となります。

養成施設

働きながら資格を取得するなら「実務経験ルート」!

仕事と勉強を両立しながら学校に通うのは大変…。ですが、実務経験ルートの場合は実務経験が3年以上という条件があるものの、養成施設などに長期間通う必要はなく費用も抑えられます。
実務経験と併せて必要な「実務者研修」も、持っている資格(介護職員初任者研修やホームヘルパー1級など)によっては最短1ヶ月半程で受講修了することも可能です。
しかし、社会福祉施設や病院での実務経験がある場合でも、対象となる職種とならない職種があるため、事前にきちんと確認が必要です!

2.介護福祉士国家試験の受験方法

ここからは、介護福祉士の資格を取得するために必要な「介護福祉士試験」の主な概要についてとめました。年に1度しかない家試験なので、スムーズに受験対策ができるように内容をきちんと把握しておきましょう♪

申込期間は8月上旬から!受験手数料の支払いも忘れずに!

例年、申込期間は8月上旬~9月上旬頃となっています。また、申込む際には受験手数料15,300円の払込みが必要です。

受験の手引きを取り寄せて申し込もう

介護福祉士の国家試験に申込むには、まず「受験の手引」を取り寄せる必要があります。
この「受験の手引」は、郵便もしくはインターネットから請求することができます。
「受験の手引」が届いたら内容を確認し、必要書類を整えて必ず申込期間内に郵送で提出しましょう。
「受験の手引」を請求してから届くまでにある程度時間がかかるので、遅くとも申込期間終了の1週間前までには請求しておいた方が無難です!

筆記試験は1月頃、実技試験は3月上旬!

例年、介護福祉士試験の筆記試験は1月頃に行われ、筆記試験の合格者のみ実技試験が3月上旬頃に実施されます。試験結果の発表は3月末頃に行われます。

介護福祉士の試験地一覧

介護福祉士の筆記試験は以下の34試験地で受験できますが、実技試験は東京都と大阪府の2試験地のみとなります。

  • 〈筆記試験の試験地〉
  • •北海道
  • •東北(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県)
  • •関東(群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)
  • •中部(新潟県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県)
  • •近畿(京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県)
  • •中国地方(鳥取県、島根県、岡山県、広島県)
  • •四国地方(香川県、愛媛県、高知県)
  • •九州地方(福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県)
  • •沖縄県

3. カリキュラムの内容

福祉系高校などに平成21年度以降入学した方が対象となる教科目・単位数は以下の通りです。(この教科目・単位数を修めて卒業もしくは卒業見込みの場合、実技試験は免除されています。)

教科 科目 単位数
福祉 社会福祉基礎 4
介護福祉基礎 5
コミュニケーション技術 2
生活支援技術(医療的ケアを含む) 10
介護家庭 4
介護総合演習 3
介護実習 13
こころとからだの理解 8
公民、数学、理科、又は家庭 人間と社会に関する選択科目 4
合計 53 単位
(参照:公共財団法人社会福祉振興・試験センター)

4.介護福祉士国家試験の内容

介護福祉士国家試験の筆記試験では、全部で125問が出題されます。
今回は第30回(平成29年度)の出題内容を基に、出題科目と問題数を以下にまとめました。

領域 試験科目 問題数
人間と社会 人間の尊厳と自立 2
人間関係とコミュニケーション 2
社会の理解 12
介護 介護の基本 10
コミュニケーション技術 8
生活支援技術 26
介護過程 8
こころとからだのしくみ 発達と老化の理解 8
認知症の理解 10
障害の理解 10
こころとからだのしくみ 12
医療的ケア 医療的ケア 5
総合問題 12
125問
(参照:公共財団法人社会福祉振興・試験センター)

5.介護福祉士国家試験の合格ライン・合格率

試験を受ける上で気になる合格ラインや合格率!
ここからは、第26回(平成25年度)~第30回(平成29年度)実施分の試験結果をまとめましたので、合格に必要な点数はどれくらいなのかなど、詳しくチェックしていきましょう。

合格ラインは年々上がっている!

試験実施回 筆記試験合格基準点
/総得点
技術合格基準点
/総得点
第30回 77点/125点 60点/100点
第29回 75点/125点 53.33点/100点
第28回 71点/120点 46.67点/100点
第27回 68点/120点 46.67点/100点
第26回 68点/120点 46.67点/100点
(参照:厚生労働省 第30回介護福祉士国家試験合格発表より)

まず、合格基準点というのは『総得点の60%程度(75点)とし、問題の難易度によって補正する』とされています。つまり第30回の合格基準点は、問題の難易度によって2点補正されたことになります。
この表を見ると、筆記試験は年々合格基準点が上がってきているのが分かります。第29回(平成28年度)から「医療的ケア」の範囲が追加され、出題数が120問から125問に増えたため比較がしづらいですが、筆記試験合格のためには80点以上を目指したいところです。
実技試験に関しては採点について比較がしづらいため、合格基準点が最も高かった第30回の60点を少なくとも取れるよう対策しましょう。

合格率は70%を超えている!

介護福祉士国家試験の受験者数および合格者数と合格率 (参照:厚生労働省 第30回介護福祉士国家試験合格発表より)

このグラフから、第29・30回と続いて介護福祉士の合格率は70%を超えているのが分かります。
難関国家資格と呼ばれるものの中には合格率が10%以下の試験もあるため、介護福祉士は国家資格の中では取得しやすい資格と言えるのではないでしょうか。
しかし、受験資格や試験の形式によっても結果は異なってくるため、一概に合格率だけで難易度を決めてしまうのではなく、しっかり勉強と対策が必要です。

■介護福祉士の資格を取得したら、すぐに働けるの?

資格を取得してから実際に介護福祉士として働くには、まず介護福祉士登録申請が必要です。介護福祉士として1日でも早く働きたい方は、試験の合格通知書が届いたらすぐ登録の準備に取りかかるようにしましょう!

登録申請に免許税と手数料が必要!

登録免許税(収入印紙)9,000円と登録手数料3,320円の計12,320円が必要です。

登録申請に必要な書類一覧

試験センターに送らなければならない必要書類は、以下の通りです。

  • •登録申請書
  • •登録免許税(収入印紙)
  • •登録手数料の『振替払込受付証明書』
  • •介護福祉士養成施設などの卒業(修了)証明書 ※養成施設の卒業者のみ
  • •戸籍抄本、戸籍の個人事項証明書、本籍地を記載した住民票のうち、いずれか1通

介護福祉士登録申請の流れ

① 試験センター宛てに、必要書類を簡易書留で郵送する

② 試験センターで審査され、審査が通ったら登録簿へ登録される

③ 登録証が郵送で交付されてくる

◆まとめ

介護福祉士の国家資格を取得するためには、受講料や試験の受験料、勉強をする時間など様々な負担がかかります。
しかし、介護の仕事をしたい・やりがいや向上心を持って活躍したい、またスキルアップやキャリアアップしていきたいと考えている方には、ぜひ目指してほしい資格です。
現在は、スクールに通わずに通信講座やWeb講座を使って在宅で勉強ができるなど、試験対策の選択肢が充実しているため、自分に合った方法を見つけてぜひ資格取得にチャレンジしてみてくださいね!

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