更新日:2020年06月13日
公開日:2020年03月16日
介護を未然に防ぐためにある「介護予防運動指導員」。
具体的にどんなことをする資格なのかご存知でない方も多いはずです。
そこでこのコラムでは「介護予防運動指導員」の
■資格の内容
■資格取得のメリット
■資格の取得方法
■資格更新
について詳しくまとめました。
介護に関わる方、介護に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
はじめに、介護予防運動指導員の資格について説明していきます。
高齢者が他者の手を借りずできるだけ自立した生活を送れるよう、介護予防の専門知識に基づいて、身体機能の面からトレーニングを指導する専門家です。
高齢者一人ずつの健康状態に合わせた介護予防プログラムを立案し、「筋力向上トレーニング」をはじめ「転倒予防体操」「尿失禁予防運動」「認知症予防」などの指導や評価をします。
介護の現場で働くプロとして、高齢者が健やかな生活を送るためにたいへん期待されています。
具体的な仕事内容
訓練を行う前に高齢者の状況を評価し、どのようなプログラムが必要かを判断します。
そして、その高齢者の健康状態に合わせて介護予防プログラムを立案します。
立案したプログラムに従って
・筋力向上のための歩行、運動訓練
・誤嚥予防の口腔訓練
などの機能訓練をおこないます。
また栄養指導をはじめとする生活習慣へのアドバイスもおこなっていきます。
プログラム終了後は効果がどのくらい出ているのかを評価します。
また、「介護予防診断」も任されることがあります。
これは、心身のおとろえを早期に発見することを目指しており、「地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所」が開発した検診システムで老年症候群のリスクを調査していきます。
働ける場所
・病院、施設などの介護予防に取り組む事業所
(リハビリに特化していない介護施設でもレクリエーションの一環として介護予防運動に取り組んでいることが多いです。)
・民間のスポーツクラブ
・カルチャーセンター などです。
資格を取得することで得られるメリットは以下の7つです。
●高齢者の健康状態を把握したうえで、医療や他分野のスタッフへと連携を取らなければいけないため、チームワークが養われる
●高齢者目線で楽しく身体を動かせるプログラムを作成する発想力が養われる
●介護予防の専門知識が身につくのと同時に、認知症やうつについても学ぶことができる
●介護職員としてのスキルアップが目指せる
●利用者の生活の質も上げられる
●コミュニケーション能力が身につく
●就職、転職する際に強い
資格を取得することで、介護職員としてのスキル向上とともに高齢者へのケアの質も磨くことがでしょう。
介護予防運動指導員がどんな資格かご理解いただけたと思います。
つぎに、資格を取得する方法を詳しく解説していきます。
医師 | 歯科医師 | 薬剤師 |
保健師 | 助産師 | 看護師 |
准看護師 | 臨床検査技師 | 介護福祉士 |
社会福祉士 | 理学療法士 | 作業療法士 |
柔道整復師 | 精神保健福祉士 | 歯科衛生士 |
あん摩マッサージ指圧師 | はり・きゅう師 | 栄養士 |
上記国家資格などの養成校の卒業見込みかつ資格取得見込みの方
その他
・健康運動指導士
・ホームヘルパー2級、初任者研修修了者で実務経験2年以上
・介護職員基礎研修課程修了者、実務者研修修了者
・介護支援専門員
・訪問介護員2級以上、実務経験2年以上
何らかの資格を持っていることが大前提のため、一定以上の知識が必要といえます。
ここから、受講・受験方法についてご紹介します。
介護予防運動指導員になるためには、「地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所」が指定したスクールで講座を受講する必要があります。
詳しくは下のURLをご参考ください。
【地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 介護予防運動指導員養成事業】
カリキュラム内容
老年学・介護予防概論 |
介護予防統計学 |
介護予防評価学特論・実習 |
介護予防・日常生活支援総合事業と コーディネーション・行動科学特論 |
転倒予防特論・実習 |
失禁予防特論・実習 |
認知症予防特論・実習 |
高齢者筋力向上トレーニング |
高齢者の栄養改善活動特論 |
リスクマネジメント |
口腔機能向上特論・実習 |
フレイル・サルコペニア予防特論 うつ・孤立・閉じこもり予防特論 |
地域づくりによる介護予防概論 高齢者の社会参加と介護予防 |
以上の内容で、実習を含めて31.5時間。
カリキュラムの1/3が筋力向上トレーニングの実習であり、実際に筋力トレーニングマシンを使ったテクニックも学んでいきます。
受講期間はだいたい5日間~1ヶ月、費用はおよそ8万円~10万円。
受講期間や費用は実施している事業者によって異なりますので、申し込む際に事前に確認しましょう。
試験について
資格試験というよりは講座の修了試験という位置づけです。
選択式の問題で過去問はなく、学習したことの復習要素が主となるため講座の内容をしっかり理解していることが大切。
また、介護予防運動指導員の資格を取得した後は定期的に資格の更新をする必要がありるので注意しましょう。
ここからはその資格の更新についてご説明していきます。
介護予防運動指導員の資格は3年に1回ごとで更新手続きが必要となります。
登録期限のおよそ2ヶ月前には「地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所」から登録更新のお知らせが届きます。
資格更新には3000円(税別)の費用がかかります。
更新方法
「東京都健康長寿医療センター研究所」から登録住所に登録更新申請書が届くので、その申請書に自分の身分証明の写真を貼って返送します。
その際に更新費用を振り込むと、3年間有効な登録書が届くようになっています。
資格が失効してから3年以内であれば登録更新が可能ですが、それをこえると更新手続きができなくなってしまうので十分ご注意ください。
介護予防運動指導員の資格についてお分かりいただけたでしょうか?
今後も高齢化が進み、高齢者を支える介助者はさらに必要になることが分かっています。
介護を必要としない環境を作っていくためにも、地域や社会が協力して自立支援や介護予防をおこなっていくことが大切です。
受験するには介護や医療の資格が必須となりますが、介護予防運動指導員は今後欠かせない存在となるので取得しておくことをおすすめします。
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※掲載情報は公開日あるいは2020年06月13日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。