更新日:2023年04月10日
公開日:2020年06月10日
介護の仕事に就こうと考えている方。介護の資格はもう取得しましたか?
実は、ハローワークに相談している方であれば介護の資格を無料で取得できる機会があるんです。
このコラムではハローワークでの介護の資格取得にまつわる
■取得できる介護資格の種類
■訓練対象者
■ハローワークで資格を取得するメリット・デメリット
■訓練開始までの流れ
について解説していきます。
ぜひ転職活動の参考にしてみてください。
はじめに、ハローワークではどんな介護資格がとれるのかを見ていきましょう。
ハローワークには「公的職業訓練」(ハロートレーニング)という、職業訓練をおこなえる機会が設けられています。
その「公的職業訓練」のなかには失業保険を受給している求職者を対象とした「公共職業訓練」、失業保険を受給できない求職者を対象とした「求職者支援訓練」があります。
それぞれで取得できる介護資格について下記となっています。
「公共職業訓練」
介護福祉士 訓練期間 約2年
介護職員初任者研修 訓練期間 約3ヶ月
介護福祉士実務者研修 訓練期間 約6ヶ月
「求職者支援訓練」
基礎的な介護職員初任者研修のみの訓練 訓練期間 約3ヶ月
※実務者研修以上を受講するには、再度公共職業訓練などの制度を利用する必要があります。
これを見ると、ハロートレーニングで介護の資格を取得するには最低でも約3ヶ月は要することがわかります。
では次に、ハロートレーニングの対象者について詳しく解説していきます。
ハローワークに行っただけではハロートレーニングを受けることはできません。
ハロートレーニングを受けるには条件をクリアする必要があります。
2つの訓練それぞれの場合を見ていきましょう。
ハローワークへ求職の申込みをしていてすぐに仕事ができる方が基本です。
雇用保険の受給資格があり、職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めた方が対象となります。
主に、正社員やフルタイムで働いてた方、パートアルバイトでも週20時間以上働いてた方、雇用保険を一年以上支払っている方などです。
雇用保険の受給資格者であれば、雇用保険が訓練終了するまで延長されます。
また、交通費も支給されます。
ハローワークへ求職の申込みをしていて労働の意思と能力がある方を基本とし、週20時間以下のパートや短期派遣などの非正規雇用で働いていたことで雇用保険の受給資格がない方。
あるいは雇用保険を受給している間に再就職ができないまま受給期間が終了してしまった方や雇用保険が受給できない求職者などです。
該当する具体的な例は下記をご覧ください。
・雇用保険に加入できなかった
・雇用保険の失業手当を受給中に再就職できず、支給終了した
・雇用保険の加入期間が足りずに失業手当を受け取れない
・自営業を廃業した
・就職が決まらないまま学校を卒業した
上記の該当者をはじめ支援が必要であるとハローワークが認めた方を対象としています。
また、過去にハロートレーニングを受けた方が再度受ける場合、訓練終了日より1年間以上経過してないと受講することができないのでご注意下さい。
ここまでハロートレーニングの内容について説明してきました。
つぎにハローワークで資格を取得することのメリットとデメリットについて紹介していきます。
まずはメリットからお伝えします。
通常、民間スクールなどで初任者研修を受講する場合10万円前後の受講料がかかってしまいます。
しかしハローワークの「公的職業訓練」を利用した場合は、テキスト代などの自己負担分をのぞいた受講料に関しては無料となります。
自己負担分に関しては実施機関で異なりますが、およそ1万円から3万円のため民間スクールよりも負担が小さくて済みます。
公共職業訓練の場合は失業手当を受け取りながら受講することができますが、失業手当を受け取れない求職者支援訓練を受ける場合でも受講手当はあります。
手当の金額は日額500円。最大40日分受け取りが可能です。また、職業訓練実施機関までの交通費として通所手当もついています。(電車やバスの定期代などお金のかからないルートを元に算出)
さらに・・・
下記の要件を満たしていれば「職業訓練受講給付金」をもらえる可能性もあります。
~要件~
■本人の収入が月8万円以下
■世帯全体の収入が月25万円以下(年間300万円以下)
■世帯全体の金融資産が300万円以下
■現在の住まい以外に、土地・建物を所有していない
■同世帯の中に、この給付金を同時に受給して訓練を受けている者がいない
■過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない
■すべての訓練実施日に出席する。やむを得ない理由(病気や転職活動)がある場合は8割以上の出席が必要。
■訓練期間中~訓練終了後まで、定期的にハローワークに来所し、職業相談を受ける
既にこの給付金を受給したことがある場合は、前回の受給から6年以上経過している必要があります。
支給額は「職業訓練受講手当」として月額10万円。
職業訓練実施機関までの通所経路に応じた所定の額(上限額あり)を通所手当として受け取ることができます。
職業訓練は本来就職を目標としているので、ハローワークで就職の斡旋を受けることが可能です。
自身でインターネットや求人誌を活用して就職先を探すという手もありますが、このハロートレーニング受けていれば訓練の最中もハローワークの就職サポートを受けることができます。
介護業界が初めての方にとって自分に適した職場を相談しながら探せるという点でとても心強いかもしれません。
また、就職サポートとして履歴書や職務経歴書の添削、求人票の見方などの相談やアドバイスもしてもらえ機会もあるため、うまく活用すれば早期就職も目指せるでしょう。
職業訓練は1対1ではなく、学校のようにクラスで授業を受けていきます。
資格取得から就職という同じ目標を持った仲間が集まり、物事を一緒に考え授業に取り組んでいくことで次第に仲も深まっていくでしょう。
訓練期間は最短でも3ヶ月。人によって時間は長いと思うかもしれませんが、仲間と切磋琢磨することであっという間に時間がすぎるように感じられます。
つぎはデメリットについて見ていきましょう。
この職業訓練は受講コースごとに定員が設けられており、受講するためには事前に選考を受ける必要があるため希望者全員が受けられるわけではありません。
その受講選考には筆記試験と面接試験があります。
筆記試験では、社会問題や時事問題などの一般常識問題、中学校卒業程度の学力問題、資格を取得したい理由や資格取得後の目標、就職への熱意などを題材とする作文などが出題内容となります。
面接試験では、職業訓練を受講することで就職できる可能性が高くなるか、就職を真剣に考えているかなどをチェックされます。
倍率が高いので単に興味がある、好きだから程の理由では面接で落とされて審査に通らないこともあるので理由を明確にする必要があります。
一般的に介護職員初任者研修を民間のスクールで取得する場合は、土日に集中して受講するコースや、平日に1日8時間みっちり学ぶコースなど、スクールによってさまざまですが、約1ヶ月から2ヶ月半で修了します。
一方、職業訓練で取得する場合は基本的に平日の朝から夕方まで訓練を受け、約3ヶ月の期間が必要となります。
また、職業訓練は常時開催しているというわけではないためタイミングによって開校日まで日数があいてしまい、申し込みや選考のための日数が一定期間必要です。
それにより、実質3ヶ月以上の期間が必要となり、民間スクールに通うよりも長く時間がかかることになるでしょう。
よって、少しでも早く就職したい、初任者研修終了までに時間をかけたくないという方は民間のスクールを自分で探すことをおすすめします。
初任者研修についてこちらのコラムもご覧ください。
■「介護職のスタートライン! 介護職員初任者研修にかかる費用や受講方法とは?」
職業訓練は朝9時頃から開始し、夕方5時頃が終了となっており、1日の拘束時間がとても長くなります。
また体調不良や就職面接などのやむを得ない理由がある場合をのぞき、全部の講義に出席することが義務付けられています。
続いて、職業訓練開始するまでの流れをご紹介します。
1.ハローワークで求職の申し込みをし、職業訓練に関しての相談をします。
その際、職業訓練の授業の内容や自己負担分、対象者についてよく聞いておきましょう。
たとえ応募の対象者であっても、自力で就職ができそうで再就職のための訓練が必要ないと判断されてしまった場合、申し込みができないおそれがあります。
また、締め切りもあるので早めにハローワークに相談し、自分がどちらの訓練を受けれるのか、どう行動していけばいいのかを聞いておくことが大切です。
↓
2.適切な訓練コースの選択
介護職に就職するための初任者研修コースを選び、ハローワークから受講申込書などの必要書類を受け取ります。
「職業訓練受講給付金」を希望するのであれば必要書類を提出し、事前に審査申請します。
↓
3.ハローワークの窓口で訓練コースを申し込む
必要な書類を揃えてハローワークに受講申込みをおこない、受け付け印を押してもらったのちその申込書を訓練の実施機関に提出します。
↓
4.選考を受ける
訓練実施機関による面接や筆記試験を受けます 。
なかには面接のみの施設もあるので事前に確認が必要。
↓
5.合格通知が来たらハローワークに提出
その後、就職支援計画書の交付を受け、就職支援計画書をもとに訓練開始という流れとなります。
この一連の流れを確認しておけばハローワークでの流れがスムーズになるでしょう。
ハローワークで介護の資格を取得することについて解説してきました。
メリットとデメリットそれぞれありましたが、受講料が安く就職の斡旋があることは介護職が初めての方にはとても良いシステムとなっています。
また、キャリアサポートという手厚い就職支援も受けられるので、なにか困っているときや相談したいときにはとても心強いですね。
介護の仕事を目指しているのであれば、自身と相談してハローワークでの資格取得を考えてみるのも一つの手ではないでしょうか。
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※掲載情報は公開日あるいは2023年04月10日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。