バイステックの7原則は介護にも活用できる!

更新日:2021年12月06日

公開日:2021年08月02日

介護業界も注目!バイステックの7原則

近年、介護業界でも注目されている「バイステックの7原則」を知っていますか?
介護職として働いている方のなかには「聞いたことがあるが詳しくは分からない」という方は少なくないはず。
そこで、バイステックの7原則とはどのような考え方なのか分かりやすく解説していきたいと思います。

バイステックの7原則とは

介護福祉士の国試にも出題!バイステックの7原則とは?

「バイステックの7原則」とは、アメリカのケースワーカーで社会福祉学者のフェリックス・ポール・バイステック(Felix Paul Biestek)が定義したケースワークの基本的な姿勢のこと。1957年に出版した『ケースワークの原則』で、援助者としての基本的な姿勢を7原則として記したことから「バイステックの7原則」と呼ばれるようになりました。

バイステックの7原則は、ケースワークの基本的な作法として広く認識されており、日本でも社会福祉について学んでいる方であれば誰もが知っている原則です。また、バイステックの7原則は、対人援助に関わる職業であれば活用できることから、介護職においてもこの原則を取り入れるようになり、介護福祉士の国家試験でも問題が出題されるようになりました。
バイステックの7原則に注目しているのは介護だけでなく、人との関わりが重視される医療や保育、教師など多くの職種でも注目されています。

介護でバイステックの7原則を取り入れる理由

介護でバイステックの7原則を取り入れる理由は、主に2つ。
・利用者や家族との関係の構築に役立つから
・職場での人間関係に役立つから
ということです。

介護の仕事は、利用者との信頼関係が大切になる仕事です。そのため、介護職は利用者や家族との関係を良好な形で構築する必要があります。しかし介護の仕事をおこなうなかで、思うように関係を築けずに悩んでいる介護職が多くいるのも事実です。

また、介護職はチームで利用者のケアをおこなっていくため、スタッフ同士の人間関係も重要となってきます。しかしながら、スタッフ同士の関係が上手くいっていない施設や事業所も多々あります。

そのような事柄を解消できる方法としてこの「バイステックの7原則」を介護でも取り入れ始めました。
バイステックの7原則を理解することで、援助者としての基本姿勢を振り返れるだけでなく、問題点を探すこともでき、関係の構築やケア方法の改善に繋げていくことに役立ちます。

そんな「バイステックの7原則」について、次で詳しく見ていきましょう。

介護現場でも使える「バイステックの7原則」

介護現場で活用出来るバイステックの7原則

バイステックがまとめた7原則は以下のとおりとなっています。
1)個別化の原則
2)意図的な感情表現の原則
3)統制された情緒関与の原則
4)受容の原則
5)非審判的態度の原則
6)自己決定の原則
7)秘密保持の原則


上記の7つの原則を一つひとつどのような考え方なのか見ていきましょう。

1|個別化の原則

1人ひとりが抱える悩みや問題は人それぞれに異なるため、どんなに似たような問題であっても誰一人と「同じ問題は存在しない」という考え方。
利用者の問題が他の事例と似ているからといって、人格や環境、問題の解決法を決めつけてしまってはいけないということです。

「先入観にとらわれていないか」
「利用者の問題をパターン化しカテゴリ分けしていないか」
「解決法はパターン化し流れ作業になっていないか」
ということを意識することが大切です。
とくに、多くの事例を経験してきている人ほど、個別化ではなくパターン化させてしまう傾向が強くなってしまうため気を付けましょう。

2|意図的な感情表現の原則

利用者の「感情表現の自由を認める」という考え方。
とくに、怒りや悲しみといったネガティブな感情や一人よがりな感情、これらを意図的に吐き出させることによって、その人自身の心の内を知るヒントを得られます。

利用者がどのような悩み、不満を抱えているのかを知り理解することで、利用者が本当に望んでいるニーズを見つけることに繋がります。また、利用者自身がこの感情表現をすることによって、自らを取り巻く外的・内心的状況を客観的にみられるようにすることもこの原則の目的の一つです。

利用者に感情表現をしてもらうためには、援助者も自身の悩みや不安などについて語るなど感情表現を工夫し、利用者の心を開くきっかけを作ることも必要です。座る位置や利用者との目線、場の雰囲気作り、感情を引き出しやすい質問を準備するなど、利用者が話やすくなるよう配慮できているか意識しましょう。

3|統制された情緒関与の原則

援助者が「利用者の感情に吞み込まれないようにする」という考え方。
利用者を正確かつスムーズに問題解決へ導くためには「援助者自身が利用者の心を理解し、自らの感情をコントロールして接していく」ということが求められます。

利用者や家族に共感して信頼関係を築くことは必要なことですが、過度な感情移入をすると冷静さや正確さに欠け「本当に必要な援助はなにか」が見えなくなってしまいます。
援助者という立場を忘れず、目的を意識しながら冷静さを保ち、適切に感情をコントロールできているか意識しておくことが大切です。

4|受容の原則

利用者の考えは「決して頭から否定せず、どうしてそのような考え方になるのかを理解する」という考え方。
利用者の考えは、その人の人生経験や思考などからくるものであるため、その人自身の個性です。その個性を自分の考えと異なるからといって否定してはいけません。

この原則によって、利用者への直接的命令や行動感情の否定は禁じられます。
しかし、道徳的また社会的ルールに反する行為は受け入れるのではなく、あくまで利用者のあるがままの姿を「現実」として捉えます。
何もかもを受け入れるのではなく、問題があれば「なぜそのような考え方になるのか」を考え適切な援助ができるようにすることが大切です。

5|非審判的態度の原則

援助者は利用者の思考や行動に対して「善悪を判じない」とする考え方。
あくまでも援助者はサポートする立場であり、善悪を判断したり決めつけたりしない非審判的態度が必要です。
現実には、利用者自身が自らの問題を解決していかなければならないため、その善悪の判断も利用者自身でおこなうことが理想となっています。

人間は基本的に最初から自分のことを否定する人は信用しないため、受容の観点から善悪の判断をしないことが大切です。利用者の発言や思考、行動に対して善悪を付けようとせず広い視野でみること、そして利用者自身で問題を解決できるように助言にとどめることを意識しておきましょう。

6|自己決定の原則

「あくまでも自らの行動を決定するのは利用者自身である」とする考え方。
問題に対する解決の主体はあくまでも利用者であり、このことによって利用者の成長と今後起こりうる同様の問題を自分1人で解決できるようにすることを目的としています。

援助者は利用者の自己決定を常に優先し、命令や指示などはしてはいけません。
援助者は、利用者が自己決定できるような環境づくりや利用者の判断材料となる情報の提供、助言などのサポートをおこないましょう。

7|秘密保持の原則

「利用者の個人的情報・プライバシーは絶対に他方にもらしてはいけない」とする考え方。
つまり「個人情報保護」の原則で「社会福祉及び介護福祉法」においても秘密保持義務が定められています。
他方にもれた情報が使われ方によっては、利用者に害を成す可能性があるため常に意識しておかなければなりません。

利用者の個人情報を多く知る立場である援助者は、たとえ噂話であっても利用者の前では他の利用者の話をすることは避けましょう。

「バイステックの7原則」の覚え方はある?

「バイステックの7原則」は語呂合わせで覚えよう!

介護福祉士の国家試験でも出題されることもある「バイステックの7原則」。
覚え方で多いのは「語呂合わせ」で覚える方法です。
語呂合わせのパターンは2つあるので、自分で覚えやすい方で覚えてくださいね。

パターン①【しんぱいな恋、秘密にしようと決めた】
・しんぱい → 非審判的態度
・こ → 個別化
・い → 意図的な感情表現
・秘密 → 秘密保持
・しよう → 受容
・と → 統制された情緒的関与
・決めた → 自己決定

パターン②【恋とは慈悲慈悲(こいとはじひじひ)】
・こ → 個別化
・い → 意図的な感情表現
・と → 統制された情緒的関与
・じ → 受容
・ひ → 非審判的態度
・じ → 自己決定
・ひ → 秘密保持

介護福祉士の資格を取得する方でなくても、この原則を覚えておくことで利用者との関係を構築するうえで活用できるので覚えておきましょう。

まとめ

バイステックの7原則は、利用者との信頼関係が重要となる介護職にとって基本ともいえる原則ですので、しっかりと理解し活用していきましょう。
また、良好な人間関係やコミュニケーションを取ることにも役立つので、介護職に限らず様々な場面で活用でき、覚えておいて損はありません。
バイステックの7原則について、もっと詳しく知りたい方は『ケースワークの原則』の本をぜひ読んでみてください。

『ケースワークの原則[新訳改訂版]:援助関係を形成する技法』
著者:フェリックス・P・バイステック
出版社:誠信書房
価格:2200円(本体2000円+消費税)

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