介護職が楽すぎと言われる理由は?働きやすい職場を見つけるためのヒントをご紹介

介護職は楽すぎと言われ腑に落ちない女性介護職
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介護職が楽すぎと言われる理由

介護職はどうして楽すぎと言われてしまうのでしょうか。
3つご紹介します。

未経験からでもスタートできるというイメージがあるため

2022年にHELPMAN JAPANが発表した「介護職未経験者・介護事業者に対する意識調査」では全国の介護事業者857社、18才~50 才の全国の男女244人を対象にインターネットを通じてアンケートを行いました。
介護業界の事実・就労実態の認知状況をたずねた所、次のことを知っていたという結果が出ました。

回答

割合

資格の有無にかかわらず、未経験からでもスタートできる職種であること

30.3%

主に身体介護を行わない介護助手というサポート職種があること

16.8%

介護業界に新たに転職した方のうち約7割近くの方が介護業界以外の業界からの転職であること

15.2%

看護師のように業務独占の職種と異なり、介護職は未経験からスタートできたり、他業種から転職してもすぐに働けたりするため、敷居が低く楽な仕事というイメージを持たれる場合があるのではないでしょうか。

今後成長していき雇用不安の少ない業界というイメージがあるため

「介護職未経験者・介護事業者に対する意識調査」で介護業界に対するイメージをたずねた所、次のような回答がありました。

回答

割合

雇用不安の少ない業界だと思う

20.7%

今後成長していく業界だと思う

18.8%

この結果を踏まえて、厚生労働省の職業情報提供サイトJobtagで、「介護」を検索し各職種の有効求人倍率を調べると次のような結果となります。

職種

2022年度の有効求人倍率

訪問介護員/ホームヘルパー

14.19倍

介護支援専門員/ケアマネジャー

4.80倍

施設介護員

3.23倍

施設管理者

5.25倍

介護タクシー運転手

4.68倍

訪問介護員では1人の求職者あたり14個もの求人があるということですから、イメージ通り雇用不安はあまりないと言えるでしょう。
一方日本経済新聞社が2023年10月に発表した「サービス業調査」によると、有料老人ホーム46社の2022年度の売上高は前年度に比べ4.7%増え、在宅(訪問)福祉サービス46社の売上高は3.3%増となっています。
少しずつ売上高が上昇傾向にあることから、今後成長していく業界というイメージは間違いとは言えないでしょう。
介護職はこのように雇用不安がなく、今後業界の成長も見込めるため楽すぎというイメージを持たれてしまうのです。

誰でもできる仕事が多い業界というイメージがあるため

「介護職未経験者・介護事業者に対する意識調査」で介護業界に対するイメージをたずねた所、「誰でもできる仕事の多い業界だと思う」という回答が8.2%ありました。
確かに、介護職は業務独占の仕事ではないので未経験からスタートでき、身体介護を行わない介護助手といったサポートの仕事もあります。
専門性が高い仕事であるものの入口が広いため、誰にでもできる楽すぎな仕事というイメージを持たれてしまうのではないでしょうか。

介護士が楽に働ける環境とは?

介護士が楽に働ける環境とは、どのようなものなのでしょうか。
2022年に公益財団法人介護労働安定センターが発表した「令和4年度介護労働実態調査」の結果を踏まえて7つご紹介します。

残業が少ない

「令和4年度介護労働実態調査」で1週間の残業時間数についてたずねた所、次のような結果が出ました。

残業なし

5時間未満

5時間以上10時間未満

10時間以上15時間未満

15時間以上20時間未満

20時間以上

無回答

平均残業時間

無期雇用職員の平均

55.0

24.7

11.8

3.9

0.6

0.5

3.7

1.9時間

訪問介護員

69.9

16.1

6.5

2.5

0.3

0.3

4.6

1.1時間

サービス提供責任者

48.1

24.2

15.8

7.2

0.9

0.6

3.2

2.5時間

介護職員

56.5

26.6

9.7

2.3

0.5

0.3

4.1

1.5時間

介護支援専門員

57.2

19.7

13.3

4.7

0.7

0.8

3.6

2.1時間

※(単位:%)
どの職種においても半数程度の人が残業をしているのですが、時間内の仕事が激務な上に残業もあるとなると、体力に不安を感じ安心して働けない介護職の人も出てくるでしょう。
介護職の人はできるだけ残業のない事業所を選ぶと、楽に働くことができます。

有給休暇が取得しやすい

「令和4年度介護労働実態調査」で有給の取得についてたずねた所、次のような結果が出ました。

法人格

有給取得率

全体

52.9%

民間企業

52.3%

社会福祉協議会

52.6%

社会福祉法人

51.4%

医療法人

56.8%

NPO

55.2%

社団法人・財団法人

52.0%

協同組合

48.3%

地方自治体

46.2%

介護職の有給取得率は全体の平均値が50%程度なので、これよりも取得率の高い法人で働くのが楽でおすすめです。

深夜勤務の回数が多すぎない

「令和4年度介護労働実態調査」で1か月あたりの深夜勤務の回数についてたずねた所、次のような結果が出ました。

1回以上3回未満

3回以上5回未満

5回以上7回未満

7回以上9回未満

9回以上11回未満

11回以上

無回答

平均回数

全体

10.1

24.5

40.3

13.1

3.2

1.3

7.5

5.1

訪問系

16.4

23.8

25.8

12.4

5.4

3.0

13.3

5.1

施設系(入所型)

5.7

26.6

46.2

12.1

3.0

1.1

5.3

5.2

施設系(通所型)

16.0

29.2

31.6

12.1

2.5

0.4

8.1

4.6

居住系

7.7

20.1

48.4

14.4

2.8

0.9

5.7

5.3

居宅介護支援

18.8

15.6

26.6

12.5

1.6

3.1

21.9

5.4

(単位:%)
平均回数で見るとどこもあまり変わらないように感じますが、回数ごとの割合には介護サービスの種類によってばらつきが見られます。
月に5回以下の夜勤で済む事業所を選ぶと介護職にとって体調管理が楽でしょう。

賞与制度がある

「令和4年度介護労働実態調査」で賞与制度についてたずねた所、次のような結果が出ました。

制度として賞与の仕組みがある

経営状況によって支払われることもある

賞与はない

わからない

無回答

全体

64.0

13.6

16.9

4.1

1.4

訪問介護員

51.9

15.0

25.0

6.4

1.7

サービス提供責任者

68.1

16.1

11.8

2.8

1.1

介護職員

65.7

12.1

15.9

4.9

1.4

介護支援専門員

64.3

13.4

19.3

1.8

1.1

(単位:%)
賞与がない事業所が15%~20%あるため、介護職の人が少しでも収入を増やしたいなら賞与のある事業所を選んだ方が生活が楽になるでしょう。
しかし、基本給をそもそも低くしてその分を賞与として支給している事業所もあるかもしれないので、年収がいくらになるのかを計算しておくのが重要です。

人事評価制度がある

「令和4年度介護労働実態調査」で賃金や手当についての希望をたずねた所、次のような結果が出ました。

希望の内容

割合

基本給の引き上げ

70.5

賞与(ボーナス)の導入・引き上げ

50.1

能力や仕事ぶりに応じた評価の実施

40.1

勤務年数に応じた評価の実施

32.6

資格手当の導入・引き上げ

27.9

役職手当の導入・引き上げ

15.4

早朝・夜間勤務手当の導入・引き上げ

15.3

通勤手当の導入・引き上げ

13.2

連絡用の携帯電話の支給・通信費補助

9.6

移動時間の労働時間への算入や移動手当の導入・引き上げ

6.8

その他

3.4

賃金や手当等についての希望はない

9.7

無回答

2.1

(単位:%)
どの項目も自分の仕事を客観的に評価してほしいという所につながっているので、介護職の人は人事評価制度を導入している事業所だと楽に働けるでしょう。
人事評価制度では全ての職員が平等な観点で評価され、それに基づいて給与や賞与が決まるので、上記のような意見は出にくくなります。

身体的な負荷を軽減するための機器を導入している

「令和4年度介護労働実態調査」で福祉機器を導入している事業所に対し、介護職の負荷軽減に効果のある機器は何かをたずねた所、次のような結果が出ました。

機器の種類

割合

移動用リフト(立位補助機=スタンディングマシーンを含む)

65.7

特殊浴槽(移動用リフトと共に稼働するもの、側面が開閉可能なもの)

65.6

自動車用車いすリフト

63.7

ストレッチャー(入浴用に使用するものを含む)

61.9

ベッド(傾斜角度、高さが調整できるもの、マットレスは除く)

60.2

車いす体重計

59.7

シャワーキャリー

56.6

昇降装置(人の移動に使用するものに限る)

54.4

エアマット(体位変換機能を有するもの)

51.7

ベッド(体位変換機能を有するもの)

50.5

座面昇降機能つき車いす

46.0

その他介護福祉機器

62.8

(単位:%)
これらの機器が多く導入されている事業所は、介護職の負荷軽減に積極的なので長く楽に働き続けることができるでしょう。
面接の段階で施設見学ができるなら、どのような機器を使っているかを見ておくのがおすすめです。

早期離職防止や定着促進に取り組んでいる

「令和4年度介護労働実態調査」で事業所に早期離職防止や定着促進のために効果のあった施策は何だったかたずねた所、次のような結果が出ました。

施策の内容

割合

残業を少なくする、有給休暇を取りやすくするなど労働条件の改善に取り組んでいる

24.8

本人の希望に応じた勤務体制にするなど労働条件の改善に取り組んでいる

24.1

職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている(定期的なミーティング、意見交換会、チームケア等)

10.0

賃金水準を向上させている

7.9

能力や仕事ぶりを評価し、賃金などの処遇に反映している

2.6

仕事内容の希望を聞いて配置している

2.8

新人の指導担当・アドバイザーを置いている

1.8

キャリアに応じた給与体系を整備している

1.4

業務改善や効率化等による働きやすい職場作りに力を入れている

1.8

悩み、不満、不安などの相談窓口を設けている(メンタルヘルス対策を含む)

1.6

(単位:%)
少しずつでも介護職が働きやすい環境を整えようとする事業所は楽に、長く働き続けられるでしょう。

介護職にとって働きやすい職場とは?

介護職にとって働きやすい職場とは、どのような施設を指すのでしょうか。
3つご紹介します。

経営状態の良い事業所

介護職にとって働きやすいのは、経営状態がよく長く働き続けられる事業所です。
2023年に厚生労働省が発表した「令和5年介護事業経営実態調査」では、各介護サービス別の2022年度における決算での収支差率が次のように公表されています。

介護サービスの種類

収支差率

介護老人福祉施設

1.0

介護老人保健施設

1.1

訪問介護

7.8

通所介護

1.5

短期入所生活介護

2.6

(単位:%)
収支差率は次の公式で求められ、事業所の売上に対する利益率を表すため、売上に対してどの程度利益があるかがわかる指標として用いられます。
・収支差率=(介護サービスの収入額 - 介護サービスの支出額)/ 介護サービスの収入額
介護報酬の改定のために用いられる値なので高ければ報酬が減額され、低ければ増額されます。
収支差率の動きを検討した上で働く事業所を選ぶと、長く働き続けることができるでしょう。

人事制度のある事業所

人事制度が整っている事業所も、介護職にとって働きやすい職場だと言えるでしょう。
職員全員が客観的な制度の下で平等に評価され、それが給与や賞与に反映されなければ、納得感のないままお金をもらい続けることとなります。
人事制度がない場合、仕事がどのように給与や賞与に反映されるのかはわからないままなので、方向性を見失い次第に仕事へのモチベーションが下がっていくでしょう。

友人や知人が勧めてくれる事業所

「令和4年度介護労働実態調査」で介護職に現在の法人に就職したきっかけをたずねた所、次のような結果でした。

訪問介護員

サービス提供責任者

介護職員

介護支援専門員

友人・知人からの紹介

40.0

38.5

28.9

34.8

ハローワークなど

15.6

17.2

25.8

22.2

求人・就職情報誌、求人情報サイト

9.0

8.1

10.2

6.3

(単位:%)
友人・知人からの紹介で今の職場を選んだ人が他の理由と比較すると多い結果となっています。
このことから友人や知人が勧めてくれる事業所は、介護職にとって働きやすい職場だと言えるでしょう。

まとめ

介護職は業務独占の仕事ではなく雇用の不安もないことから、楽すぎと言われてしまうこともありますが、本当は大変な仕事なので、労働条件の見直しや介護職への負荷軽減に積極的な職場を探すと働きやすくなるでしょう。
この記事も参考にして、ぜひ自分にとって働きやすい環境を整えてみてください。
介護・福祉職へ就職・転職をお考えの方は、ぜひ介護ワーカーにご相談ください!
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