介護職の給料は安すぎる!?理由から今後給料を上げる方法まで詳しく解説

給料が安すぎるのではないかと計算してみる2人の女性介護職
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介護職の給料は安すぎると言われますが、本当なのでしょうか。
介護職として働く中で給料が安いと感じているけれど、どうすれば今後給料が上がるのかわからず困っている人はいませんか?
この記事では介護職の給料が安すぎると思っている方に向けて、理由から今後給料を上げる方法まで詳しく解説します。

介護職の給料は本当に安いのか

一般的に介護職の給料は安すぎると言われますが、本当なのでしょうか。
2022年に厚生労働省が発表した「令和4年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職の平均給与額は次の通りでした。

保有する資格

平均給与額(単位:円)

介護福祉士

331,080

社会福祉士

350,120

介護支援専門員

376,770

介護福祉士実務者研修

302,430

介護職員初任者研修

300,240

資格なし

268,680

一方、同じ2022年に厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の平均賃金(調査を実施した年の6月分の所定内給与額の平均)は31万1,800円でした。
この2つの結果を比較すると、保有する資格によっては一般労働者の平均賃金より介護職の平均給与の方が上回る場合もあるため、一概に安いとばかりは言えないのが現状だと言えるでしょう。
しかし、無資格でずっと働き続ける場合、一般労働者と比較すると年収で51万7,440円もの差がついてしまうことになるので、あまり得策ではないのがわかります。

なぜ介護職は給料が安いのか

なぜ介護職は給料が安いと言われるのでしょうか。
3つの観点からご紹介します。

介護保険に依存したビジネスモデルなので差別化が図りにくいため

介護事業所の売上の多くを占めるのは介護保険における介護報酬です。
介護報酬は対象者の要介護度と適用される介護サービスごとに、決められた単位数に応じて介護事業所に支払われます。
介護報酬から運営費を差し引いた分が介護事業所の利益となりますが、単位数が介護事業所によって異なるわけではないので、介護保険サービスにおいて介護事業所は運営費を節約し利用者の数を増やすことでしか利益を増やせないこととなります。
このように介護保険サービスはどの事業所でも大きく利益を増やすのは難しいビジネスモデルであるため、介護職も大幅な昇給は見込めないのです。

介護職の賃金引上げは毎年必ず行われるわけではないため

介護職の賃金引上げはその多くが介護報酬の改定によるもので、毎年行われるとは限りません。
例えば2022年10月からは介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算が取得できるようになりましたが、毎年このような加算が新設されるとは限らないということです。
一方2023年に厚生労働省が発表した「賃金引上げ等の実態に関する調査」において、企業に対し賃金の改定についてたずねた所、次のような結果が出ました。

回答

割合

1人平均賃金を引き上げた・引き上げる

89.1%

1人平均賃金を引き下げた・引き下げる

0.2%

賃金の改定を実施しない

5.4%

未定

5.3%

9割に近い企業が賃金を引き上げたり、引き上げる予定を立てたりしています。
また賃金の改定の実施時期について聞いた所、次のような結果だったのです。

回答

割合

1月~8月のみ

79.1%

9月~12月のみ

5.1%

1月~8月および9月~12月

5.0%

年に1回賃金を改定する企業が8割を超えますが、5%とわずかながら年に2回改定する企業もありました。
これらのことから介護職の給料が安いと言われるのは、賃金引き上げが行われる回数がそもそも少ないのも理由の1つになっていると言えるでしょう。

人事評価制度が曖昧な事業所もあるため

2022年に公益財団法人介護労働安定センターが行った「令和4年度介護労働実態調査」において、介護職が働く上での悩み、不満、不安などを解消するため事業所がどのような取り組みをしているかをたずねた所、次のような結果が出ました。

回答

割合

採用時における賃金・勤務時間の説明

66.0%

能力や資格取得に応じて賃金が上がる仕組み

37.1%

キャリアアップの仕組みの整備

27.2%

介護能力を適切に評価する仕組み

26.6%

上記のような内容に現在取り組んでいたり、もしくは全く取り組んでいなかったりする事業所は、人事評価制度にどこか曖昧な部分があると言えるのではないでしょうか。
例えば、もし能力や資格取得に応じて賃金が上がる仕組みがなければ、その事業所で働く人はどのような働き方をすれば昇給するのかがわからないまま働くこととなってしまいます。
事業所の人事評価制度がしっかりしていて、働きに見合った給料がもらえていれば介護職の給料が必ずしも安いとは言えなくなるでしょう。

介護職が給料を上げる方法

介護職が給料を上げるには、どのような方法があるのでしょうか。
3つご紹介します。

介護保険外サービスの提供も行う

介護職が給料を上げるには事業所の利益を少しでも増やすことが重要なので、介護保険外サービスの提供も視野に入れてみましょう。
介護保険外サービスとは介護保険の対象とはならないサービスのことで、次のような特徴があります。
  • 要介護認定を受けなくても利用できる
  • 利用料金は全額利用者負担
  • 事業所によってサービスの内容や利用方法、費用が異なる
介護保険サービスでは利用者の最低限の生活を支援するのを目的としますが、介護保険外サービスではQOL(生活の質)の向上を目的とします。
介護保険サービスでは応えられないニーズに介護保険外サービスでは応えることができ、費用も自由に決められるのでかゆい所に手が届くサービスを提供しながら介護職の給料アップにもつながるのです。
もし介護保険外サービスがどのようなものかイメージしにくければ、厚生労働省が公表している参考事例集にも目を通してみましょう。
稼げる介護職となるためにも、介護保険サービスより儲かる介護保険外サービスに事業を広げていく姿勢が大切です。

経営状態の良い介護事業所で働く

2024年1月に株式会社東京商工リサーチが発表した2023年の「老人福祉・介護事業」の倒産、休廃業・解散調査によると、2023年の「老人福祉・介護事業」の倒産は122件(前年比14.6%減)で、過去最多を記録した前年より減少しました。
また「老人福祉・介護事業」の休廃業・解散は510件(前年比3.0%増)で、調査を開始した2010年以来、過去最多を更新したのです。
一方「令和4年度介護従事者処遇状況等調査」において、給与等の引き上げを行わなかった理由について565の事業所にたずねた所、次のような結果が出ました。

回答

割合

経営が安定しないため

50.1%

増収分を借入金の返済に充てたため

2.1%

介護報酬の収入が減少したため

40.7%

支出が収入を上回ったため

19.5%

これらのことから介護職が給料を上げるには、まずは経営状態の良い介護事業所で働くことが大切だと言えるでしょう。
どれだけ自分がその事業所の人事評価制度で高く評価されたとしても、事業所の経営状態が良くなければ賃金引き上げには結びつかないためです。
介護事業所の経営状態を知るには、厚生労働省の「介護事業経営実態調査」で介護サービス別の収支差率が公表されているため、参考にするとよいでしょう。
収支差率とは介護事業所の売上に対する利益率を表す数値で、公式は次の通りです。
収支差率 =(介護サービスの収入額 - 介護サービスの支出額)/ 介護サービスの収入額
収支差率の値が高いほど利益率が高いので経営状態は良いと言えるでしょう。

処遇改善に熱心な介護事業所で働く

2022年10月から介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算を取得できるようになりましたが、取得状況は次の通りです。

2022年10月

2023年4月

介護職員処遇改善加算

93.8%

93.8%

介護職員等特定処遇改善加算

75.9%

77.0%

介護職員等ベースアップ等支援加算

85.4%

92.1%

取得した事業所が100%ではないため、一部の事業所では加算の制度があってもそれを使わないという判断をしたということになります。
このことから、介護職が給料を上げるためには加算の制度が創設された場合、それを取得して処遇改善にきちんとつなげてくれる事業所で働くのが大切だということがわかります。

介護職の給料が上がる今後の見込み

2024年以降、介護職の給料が上がる見込みはあるのでしょうか。
2024年と2025年に予定されている処遇改善の内容について説明します。

2024年

令和5年度の補正予算案において医療・介護・障害福祉等分野における物価高騰等への対応策の1つとして、「介護職員処遇改善支援事業等」が行われることとなりました。
補正予算の規模は364億円です。
具体的には介護職を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、前の項目出もご紹介した介護職員等ベースアップ等支援加算に上乗せする形で、収入を2%程度(月額平均6,000円相当)引き上げるための措置を行うというものです。
「介護職員処遇改善支援事業等」の実施要件は次の通りです。

項目

概要

対象期間

・2024年2月~5月の賃金引上げ分(この期間以降も、別途賃上げ効果が継続される取組みを行う)

補助金額

・対象となる介護事業所の介護職(常勤換算)1人当たり月額平均6,000円の賃金引上げにあたる額

・対象サービスごとに介護職の数(常勤換算)に応じて必要な交付率を設定し、各事業所の総報酬にその交付率をかけた額を支給する

対象職種

・介護職員(事業所の判断により、他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める)

まずは直近の2024年2月~5月に自分の勤務する事業所で賃金引上げが行われるかどうかを注視しましょう。

2025年

2024年1月22日に行われた第239回社会保障審議会介護給付費分科会において、令和6年度介護報酬改定の主な事項について話し合われました。
その中で良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくりを基本的な視点とした、介護職員の処遇改善も行われることとなったのです。
具体的には介護職が2024年度に2.5%、2025年度に2.0%のベースアップに確実につながるよう加算率の引上げを行います。
前の項目でもお伝えした通り、介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算は2022年10月、2023年4月とも100%の事業所が取得したわけではありませんでした。
そのため、できるだけ多くの事業所で介護職員の処遇改善が行われるように現行の各加算を次のように一本化することとなったのです。

現行の加算

改定後の加算

介護職員処遇改善加算(Ⅰ)

介護職員処遇改善加算(Ⅱ)

介護職員処遇改善加算(Ⅲ)

介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)

介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ)

介護職員等ベースアップ等支援加算

介護職員処遇改善加算(Ⅰ)

介護職員処遇改善加算(Ⅱ)

介護職員処遇改善加算(Ⅲ)

介護職員処遇改善加算(Ⅳ)

国でも介護職員の処遇改善が持続的に行われるよう、少しずつ制度を整えようとしているのがわかります。

まとめ

介護職の給料が安いと言われるのは、介護保険に依存したビジネスモデルのため大きく利益を上げてそれを給与に還元するのが難しいからですが、事業所で介護保険外サービスの提供を開始したり、処遇改善に積極的な事業所で働いたりすることで改善が見込めます。
この記事も参考にして、稼げる介護職になるよう計画的に行動してみてください。
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