障害者グループホームの費用はどれくらい?入居条件から利用するメリット・デメリットまで詳しく解説

車椅子の男性
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障害者グループホームの費用として代表的なものは…
・共同生活援助の利用者負担分

・食材料費
・家賃
・光熱水費
・日用品費
・その他
となっています。
また、障害者グループホームの費用は障害福祉サービスの一つであることから、月ごとの利用者負担は所得に応じて4区分の上限が設けられています。
この記事では、入居条件から利用するメリットやデメリットについても解説していきます。

障がい者グループホームとは?

少年を励ます女性
障がい者グループホームとは、障がい者の人が夜間に必要な食事、入浴、排泄、相談、その他日常生活上の援助を受けながら共同生活をしている住居のことです。

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)の第5条では障害支援区分の認定を受けて利用できる障害福祉サービスの1つとして位置づけられ、正式名称を共同生活援助と言います。

障がい者グループホームとは何かをもう少し詳しく知るため、障がい者グループホームの種類、人員配置基準、設備基準についてもご紹介します。

参考:e-GOV法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

障がい者グループホームの種類

障がい者グループホームには、次の3つの種類があります。

 

介護サービス包括型

 日中サービス支援型

外部サービス利用型

対象者

・地域で自立した日常生活をする上で相談、入浴、排泄、食事などの介護や日常生活の援助を必要とする障がい者

・地域で自立した日常生活をする上で相談などの日常生活の援助を必要とする障がい者

サービスの内容

・障がい者グループホームにおける夜間の相談、入浴、排泄、食事の介護や日常生活の援助

・就労先や日中活動サービスとの連絡調整 

・余暇活動などの社会生活上の援助

・障がい者グループホームにおける夜間の相談、日常生活の援助

・就労先や日中活動サービスとの連絡調整

・余暇活動などの社会生活上の援助

・定員1人~5人の短期入所を併設し在宅で生活する障がい者の緊急で一次的な宿泊の場とする


・障がい者グループホームにおける夜間の相談、日常生活の援助 

・外部事業所に委託して入浴、排泄、食事の介護や日常生活の援助 

・就労先や日中活動サービスとの連絡調整 

・余暇活動などの社会生活上の援助

入居定員

10名以下

介護が必要な人への対応

・事業所の従業員が介護サービスを提供 

・外部の居宅介護事業所が介護サービスを提供

共同生活を行う住居において主に夜間に必要な援助を行うのは変わりありませんが、介護が必要な人への対応や短期入所を併設しているかどうかなどに違いがあるのがわかります。

自分の行いたい援助がどのような内容であるかを考え、3つの中からどこに勤務したいかをイメージしてみるのがおすすめです。

参考:厚生労働省「第14回『障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(オンライン会議)』資料」

障がい者グループホームの人員配置基準

障がい者グループホームの人員配置基準の内容は、障害者総合支援法の第二節に次のように示されています。

 

介護サービス包括型

日中サービス支援型

外部サービス利用型

管理者

・管理業務を行い常勤でなければならない

サービス管理責任者

・入居者が30人以下の場合1人以上

・入居者が31人以上の場合1人に、利用者数が30人を超えて30またはその端数が増えるごとに1人を加えた数以上

世話人

・6:1以上

・5:1以上

・6:1以上

生活支援員

・障害支援区分に応じ (区分6)2.5:1~ (区分3)9:1以上

・なし

夜間支援

・なし

・1人以上の夜勤職員を配置する

・なし

日中支援

・なし

・1人以上の職員を配置する

・なし

個人単位ヘルパー利用

・以下の要件を満たすと利用できる

(1)障害支援区分4以上で重度訪問介護、同行援護、行動援護の対象となる人

(2)障害支援区分4以上で次の①②の要件を満たす人

① ホームヘルプサービスの利用が個別支援計画に入っている

② 市町村がホームヘルプサービスの利用が必要と認めている

・なし

障がい者のグループホームは種類に応じて提供するサービスが違うため、必要な人員配置も異なるのがわかります。

人員配置は夜勤の有無など働き方にも関わるため、自分はどのような条件で働きたいのかを考える上で参考になるでしょう。

参考:e-GOV法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」
参考:厚生労働省「社会保障審議会障害者部会(第121回)」

障がい者グループホームの設備基準

障がい者グループホームの設備基準は障害者総合支援法の第三節に示されており、内容は次の通りです。

設備

概要

定員

立地

・「病院」や「障害者支援施設」などと同一敷地

・隣接地ではない 

・住宅地や住宅地と同じくらい家族や地域住民との交流の機会が確保できる地域の中にある 

・住まいの場なので、日中活動事業所との位置関係について配慮する

事業所

・1件以上の共同生活住居が必要 

・複数の共同生活住居がある場合30分以内で行き来できる場所とする

・4人以上

共同生活住居

・1つ以上のユニットがある1件の建物を指す

・2人以上10人以下

ユニット

・居室や居室に近接して設けられる、相互に交流を図ることができる設備により一体的に構成される生活単位を指す 

・ユニットに必要な設備は居室(収納設備必須)、居間、食堂、風呂、トイレ、洗面所、台所など 

・居室の面積は収納設備をのぞき7.43m2以上

・2人以上10人以下(居室の定員は1人)

サテライト型住居(介護サービス包括型と外部サービス利用型に限る)

・3年の間に一般住宅などに住める見込みのある利用者を対象にした住居

・本体の共同生活住居に対し2ヵ所まで設けられる 

・入居者が共同生活住居とサテライト型住居を20分以内で行き来できるようにする

・必要な設備は居室、(収納設備必須)、風呂、トイレ、洗面所、台所、通信機器など 

・居室の面積は収納設備をのぞき7.43m2以上

・1人

居室の面積や定員が施設と比較すると小さめで、地域の中で家庭的な雰囲気を感じながら過ごせる空間を意識しているのがわかります。

障がい者のグループホームで働く上では、設備基準はグループホームの持つ「障がい者が地域で自立生活を送れるように援助する」という目的をかなえるために作られた基準であることを覚えておきましょう。

参考:e-GOV法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

障がい者グループホームへの入居について

窓掃除をするスタッフ
障がい者グループホームでの生活とそれに必要なサポートを具体的にイメージできるようになるため、入居条件、入居までの流れ、入居後の過ごし方をご紹介します。

障がい者グループホームの入居条件

障がい者グループホームへ入居できるのは、障害者総合支援法の対象者である身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者と政令で指定される難病にかかった人です。

難病の詳細については厚生労働省の「障害者総合支援法の対象疾病」というページで詳細が公開されており、2021年11月1日以降は366の疾病が指定されています。

また障がい者グループホームは障害支援区分の認定を受けて利用できる障害福祉サービスの1つですが、障害支援区分1〜6まで全ての人が利用可能です。

参考:厚生労働省「障害者総合支援法の対象疾病(難病等)」

障がい者グループホームへの入居までの流れ

障がい者グループホームに入居するには障害支援区分の認定を受ける必要があるので、入居までの流れは次のようになります。

①市町村の窓口に申請を行い障害支援区分の認定を受ける
②市町村に「指定特定相談支援事業者」が作成する「サービス等利用計画案」の提出をする
③市町村が提出した計画案を踏まえて支給を決める
④「指定特定相談支援事業者」がサービス担当者会議を開く
⑤サービス事業者などとの連絡調整を行い「サービス等利用計画」を作成する
⑥サービスの利用開始

地域にどのような障がい者グループホームがあるのかをあらかじめ知っておきたい人は、「障害福祉サービス等情報検索」で地域名を指定し「共同生活援助」と記載のある施設の詳細情報を見ておくとよいでしょう。

参考:WAMNET「障害福祉サービス等情報検索」

障がい者グループホームでの入居後の過ごし方

障がい者グループホームでの入居後の過ごし方の一例を見てみましょう。

時間帯

支援の内容

・バイタルチェック 

・着替えのサポート 

・朝食の準備、食事、服薬の支援 

・そうじ、後片付け、連絡帳の記載

・利用者がいる場合日中支援サービス

・バイタルチェック 

・着替えのサポート 

・夕食の準備、食事、服薬の支援

・入浴、洗濯、金銭管理、相談などの支援

障がい者グループホームは夜間における支援が主となるのが過ごし方を見るとわかりますが、日中支援を行う事業所はどれくらいあるのでしょうか。

2022年に独立行政法人福祉医療機構が発表した「2021年度 共同生活援助に関するアンケート調査」で利用者の日中支援の状況について調査した所、次のような結果でした。

 

全体

介護サービス包括型

外部サービス利用型

日中サービス支援型

主に法人内の日中活動サービスを利用

5,338

4,772

441

125

主に法人外の日中活動サービスを利用

1,229

1,022

168

39

主に共同生活援助にて日中支援を実施

170

74

13

83

一般就労

752

595

149

8

その他

92

60

32

0

障がい者グループホームで利用者に対し日中支援を実施している事業所もありますが、かなりの少数派であるのが見て取れます。

参考:独立行政法人福祉医療機構経営サポートセンターリサーチグループ「2021年度 共同生活援助に関するアンケート調査」

障がい者グループホームを利用するメリットとデメリット

プレゼントを囲む人々
2021年に厚生労働省が行った「グループホームの運営及び支援内容等の実態把握のための調査」で2,420人を対象に、グループホームの生活においてよいと思うことについて聞いた所、次のような結果でした。

よいと思うこと

人数

割合

グループホームの仲間がいるのでさみしくない

1,101人

45.5%

困ったときに相談がしやすい

1,176人

48.6%

具合が悪くなったときや病気になったときに助けてもらえる

1,188人

49.1%

また、いやだと思うことについて聞いた所次のような結果だったのです。

いやだと思うこと

人数

割合

周りの人がうるさいときがある

826人

34.1%

自由に外出ができない

492人

20.3%

特にない

681人

28.1%

仲間がいるので体調不良を起こしたり、悩んだりした時に助けてもらえるという安心感がメリットだと思う一方、共同生活であることから自分の自由にならない面もあるというのをデメリットだと感じている人が多いのがわかります。

参考:厚生労働省「社会保障審議会障害者部会(第121回)」

障がい者グループホームの利用にかかる費用

¥の書かれたハートを持つ手
障がい者グループホームは障害福祉サービスの1つであるため、月ごとの利用者負担には所得に応じて4区分の上限があります。

区分

世帯の収入状況

利用者負担の上限金額

生活保護

生活保護受給世帯

0円

低所得

市町村民税非課税世帯

0円

一般1

市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) 

※入所施設利用者(20歳以上)とグループホーム利用者を除く

9,300円

一般2

上記以外

37,200円

この他にも障がい者グループホームには高額障害福祉サービス費、生活保護への移行防止、補足給付といった軽減措置が適用されるので、詳細を知りたい人は全国社会福祉協議会のホームページに掲載されている利用説明パンフレットを確認しましょう。

参考:社会福祉法人全国社会福祉協議会「障害者総合支援法のサービス利用説明パンフレット(2021年4月版)」

障がい者グループホームで起きやすいトラブルとその対処方法

ハラスメント
障がい者グループホームで起きやすいトラブルとその対処方法をご紹介します。

職員へのハラスメント

2021年に厚生労働省が5,294件の事業所を対象に行ったアンケート調査の結果では、家族などからハラスメントを受けた経験のある職員の割合は19.8%、利用者からハラスメントを受けた経験のある職員の割合は39.6%だったことがわかりました。

またハラスメントを受けた人にその影響をたずねた所、次のような結果だったのです。

ハラスメントを受けた影響

割合

仕事を辞めたいと思ったことがある

44.8%

いずれもない

34.8%

ケガや病気( 精神的なものも含む) になったことがある

11.0%

休んだことがある

8.4%

実際に仕事を辞めたことがある

1.7%

その他

6.4%

ハラスメントを受けた人の中では影響がない人の方が少なく、影響があった人の中では仕事を辞めたいと考えたり、心身のバランスを崩してしまったりと深刻な影響を及ぼしているのがわかります。

このことから厚生労働省では2021年にハラスメント対策マニュアル、2022年に研修の手引きを公開し、障がい福祉の現場でのハラスメント防止を推進しています。

参考:厚生労働省「障害福祉の現場におけるハラスメント対策」

虐待

厚生労働省では2012年から障がい者福祉施設などに勤務している人による虐待について調査を行っていますが、その結果は次の通りです。

 

2012年

2017年

2021年

相談・通報件数

939件

2,374件

3,208件

虐待判断件数

80件

464件

699件

被虐待者数

176件

666 件

956 件

調査開始の2012年と2021年の件数を比較してみると、虐待判断件数が約5.4倍に増加しているのがわかります。

虐待の発生要因は教育・知識・介護技術等に関する問題が64.5%と一番多かったため、障がい者グループホームで虐待を起こさないようにするためには、まず障がいや介護方法について学びを深めることが大切だと言えるでしょう。

参考:厚生労働省「令和3年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)について公表します」

近隣トラブル

障がい者グループホームは住み慣れた地域で利用者が生活できるのがメリットですが、利用者の行動が近隣住民との間に影響を与え、トラブルを引き起こす場合があります。

トラブルを未然に予防するためには、職員が利用者の特性について理解を深め、十分にコミュニケーションを取った上で日常の援助を行うことが大切です。

まとめ

抱き合う親子
障がい者グループホームとは、障がい者の人が夜間に必要な食事、入浴、排泄、相談、その他日常生活上の援助を受けながら共同生活をしている住居のことで、正式名称を共同生活援助と言います。

この記事も活用して利用者の立場、職員の立場双方から障がい者グループホームについて理解を深め、障がい者福祉の仕事に役立ててください。
※掲載情報は公開日あるいは2023年09月28日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。
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