介護職の退職理由ランキングとは?円満退職できる理由の伝え方から退職までの流れを解説

介護職の人が作成した退職届
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介護職の退職理由ランキング

2022年に公益財団法人介護労働安定センターが発表した「令和4年度介護労働実態調査」において離職経験者のうち直前職が介護関係の仕事だった労働者を対象に退職理由をたずねた所、次のような結果となりました。

順位

退職理由

割合

1位

職場の人間関係に問題があったため

27.5%

2位

法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため

22.8%

3位

他に良い仕事・職場があったため

19.0%

4位

収入が少なかったため

18.6%

5位

自分の将来の見込みが立たなかったため

15.0%

6位

その他

13.9%

7位

新しい資格を取ったから

9.9%

8位

結婚・妊娠・出産・育児のため

8.4%

9位

人員整理・勧奨退職・法人解散・事業不振などのため

6.8%

10位

自分に向かない仕事だったため

4.6%

11位

家族の介護・看護のため

3.9%

12位

病気・高齢のため

3.3%

13位

家族の転職・転勤、または事業所の移転のため

3.1%

14位

定年・雇用契約の満了のため

2.8%

人間関係に問題があったという理由が1位ですが、他に良い仕事があったり収入が少なかったりとやむを得ない理由がランキングの上位を占めています。
一方事業所の理念に共感できない、将来の見込みが立たないなどその職場で長く働き続けるのが難しいのが退職理由となっている場合も一定数あるのが特徴的だと言えるでしょう。

介護職の退職理由の伝え方

介護職の人が退職理由の伝え方を考える時に意識してほしいのが、そもそも退職理由を伝えるのは上司の了解を得てスムーズに退職するのが目的であるということです。
そのため、本音はどうあれ「自己都合でやむを得ない理由」を伝えれば上司も納得しやすいでしょう。
これを踏まえて介護職の退職理由の伝え方を3つご紹介します。

ポジティブな理由を伝える

介護職の人が退職理由を伝える時は、ポジティブな理由を伝えるように意識してみましょう。
例として前の項目でご紹介したランキングの中から、ポジティブな印象の退職理由を選ぶと次のようになります。
  • 新しい資格を取ったから
  • 結婚・妊娠・出産・育児のため
これらの退職理由であれば、正直に伝えても上司にあまり良くない印象は抱かれないでしょう。
一方「他に良い仕事・職場があったため」は一見ポジティブな理由に見えますが、事業所や上司の立場からするとあまり良い印象とはならないので注意が必要です。

やむを得ない理由を伝える

介護職の人が退職理由を伝える時は、やむを得ない理由を伝えるのもよいでしょう。
ランキングの中からやむを得ない理由を選ぶと次のようになります。
  • 自分に向かない仕事だったため
  • 家族の介護・看護のため
  • 家族の転職・転勤、または事業所の移転のため
これらの理由であれば上司も了解せざるを得ず、納得してもらいやすくなります。

体調不良だと伝える

介護職の人が退職理由を伝える場合、体調不良だと伝えるのもよいでしょう。
ランキングにも「病気・高齢のため」があるので、上司の立場で考えてみても納得感のある退職理由の1つだと言えるでしょう。
介護職の人がなりやすい腰痛なども説得力があり、引き止められにくい退職理由となります。

介護職を辞めてよかったと思える退職までの流れ

介護職を退職した後、辞めてよかったと思えるようにするためには退職までにどのような段階を踏んで進めていけばよいのでしょうか。
転職先を決めてから退職をするのが大前提となりますが、「令和4年度介護労働実態調査」において現在の法人に就職したきっかけを職種別にたずねた所、次のような結果となりました。

訪問介護員

サービス提供責任者

介護職員

介護支援専門員

友人・知人からの紹介

40.0%

38.5%

28.9%

34.8%

ハローワーク等

15.6%

17.2%

25.8%

22.2%

求人・就職情報誌、求人情報サイト

9.0%

8.1%

10.2%

6.3%

折込チラシ、新聞・雑誌の広告

5.6%

6.0%

6.9%

6.0%

学校・養成施設等での進路指導

2.3%

2.8%

6.7%

1.9%

施設・事業所からの就職の働きかけ

3.5%

2.9%

2.2%

4.0%

福祉人材センター(Web含む)

2.1%

2.1%

2.6%

2.1%

民間の職業紹介

1.9%

1.6%

2.2%

2.1%

ホームヘルパー等養成講座を通じて施設・事業所を知った

5.4%

4.4%

1.5%

1.1%

法人または施設・事業所のホームページ

1.7%

1.0%

1.5%

1.4%

就職セミナー(就職説明会)

0.8%

1.3%

1.4%

0.4%

ボランティア、実習

0.7%

0.5%

1.2%

0.7%

行政広報誌(市報、区報等)

0.5%

1.0%

0.2%

1.0%

その他

5.7%

7.6%

5.0%

10.8%

無回答

5.4%

5.0%

3.5%

5.2%

良い仕事がなくて退職に踏み切れない人は、まず上記のデータを参考にしてハローワークや求人サイトだけで仕事を探すのではなく、周囲の友人や知人に仕事を探していることを伝えてみるとよいでしょう。
また便利さからついインターネット上の求人情報にばかり目が行きがちですが、チラシや新聞、雑誌の広告から転職先を見つけた人もいるので、アナログな媒体にも欠かさず目を通すことが大切です。
転職先が見つかっているのを前提として、介護職を辞めて良かったと思える退職の流れを5つのステップに分けてご紹介します。

上司に退職を伝える

最初に直属の上司に退職したいという旨を伝えましょう。
民法627条1において無期雇用契約の従業員の場合、退職日の2週間前までに退職の意思を雇用者に伝えていれば退職できると定められています。
しかしほとんどの介護事業所において、就業規則の中で退職の申し出についてのルールが定められているため、自分が働いている事業所では何日前までに退職の申し出をすればよいかを確認し、それに従ってスケジュールを組むのが望ましいでしょう。
もし口頭で退職したいという意思を伝えて拒否されてしまったり、強い引き止めに合ったりした場合は「退職願」を提出するのもおすすめです。
退職願とは退職の意思を表明する書類のことで、書面で提出をするため退職の意思を示したという証拠となります。
退職願の書き方のポイントは次の通りです。

項目

書き方の例

タイトル

・「退職願」と記載する

書き出し

・本文一行目の下部に「私儀(わたくしぎ)」と記載する

退職理由

・自己都合の場合「一身上の都合」と記載する

・会社都合の場合「部門縮小」「退職勧奨」など具体的に記載する

退職希望日

・退職を希望する年月日を記載する

・年は西暦と元号どちらでもよいが会社の規程に合わせる

文末の表現

・「退職いたしたく~お願い申し上げます」といった形で退職を打診する

提出日

・退職願を提出する年月日を記載する

所属・氏名・捺印

・所属と氏名を記載する

・印鑑は認印を使う

宛名

・事業所名、事業所の最高責任者の名前を記載する

・敬称は「殿」か「様」を使う

退職願はインターネットでもテンプレートやサンプルがたくさんあるため、参考にして作成するのをおすすめします。

退職日を決める

引継ぎや有給消化をどうするかを考慮しながら上司と話し合いをし、具体的な退職日を決めます。
有給消化の方法は次の2種類が考えられるでしょう。
  • 最終出勤日の前に有給消化
  • 最終出勤日の後に有給消化
事業所の都合と自分の退職までのスケジュール感、また転職先にいつから出勤するかなども考えながらスムーズに退職できる日付を決めましょう。

退職届を提出する

退職届とは退職が確定した段階で事業所に対して労働契約の解除を求める書類のことです。
一度事業所に受理されると基本的には撤回できないことを覚えておきましょう。
退職届は就業規則に定められた形式で提出するのがルールですが、一般的な退職届の書き方のポイントは次の通りです。

項目

書き方の例

タイトル

・「退職届」と記載する

書き出し

・本文一行目の下部に「私儀(わたくしぎ)」と記載する

退職理由

・自己都合の場合「一身上の都合」と記載する

・会社都合の場合「部門縮小」「退職勧奨」など具体的に記載する

退職日

・上司と話し合い合意した退職の年月日を記載する

・年は西暦と元号どちらでもよいが会社の規程に合わせる

文末の表現

・文末は「退職いたします」と退職を報告する形にする

提出日

・退職届を提出する年月日を記載する

所属・氏名・捺印

・所属と氏名を記載する

・印鑑は認印を使う

宛名

・事業所名、事業所の最高責任者の名前を記載する

・敬称は「殿」か「様」を使う

退職願と形式がよく似ていますが、退職願は退職を打診するための書類、退職届は退職を報告するための書類と考えると作成がしやすいでしょう。
退職届も退職願と同じくインターネットでテンプレートやサンプルがたくさん出てくるので、参考にして作成するのがおすすめです。

引継ぎをする

介護職の人は普段から利用者の方々の様子を介護記録として共有しているため、退職時にあまり多くの引継ぎ時間を必要としないことが多いでしょう。
しかしマネジメントやレクリエーションなど何か専任の業務を任せられていた人の場合は、自分が退職した後に後任者がその業務を滞りなく行えるように引継ぎをしておく必要があります。
介護職における引継ぎのポイントは次の通りです。
  • マニュアル化した方がわかりやすいものはマニュアルを作成し、後任者とそれを一緒に見ながら引継ぎをする(不明点を洗い出し、質問にも回答しておく)
  • 仕事に使う道具やそれを保管してある場所、管理方法なども引き継ぐ
  • 引継ぎ漏れがないよう確認する時は「その業務の中で自分だけが知っていることはないか」という観点でチェックする
また外部の人と行っている業務があれば、後任者をあらかじめ紹介しておくのも忘れないようにしましょう。

退職日にすること

退職日にすることは大きく分けて次の2つです。
  1. 事業所に返却するものをそろえて返却する
  2. 必要な書類を受け取る
まず返却しなければならないものは事業所によって異なるため、事前に返却物のチェックリストを作って当日チェックしながら物品をそろえていくのがおすすめです。
返却物の例は次の通りです。
  • 健康保険証
  • 携帯電話
  • PC
  • タブレット端末
  • 制服
  • 社員証
  • 業務資料やマニュアルなどの書類
  • カードキー
  • 名刺
制服はクリーニングの必要があるかどうかやカードキーを返却するタイミングなども事前に確認しておくと、スムーズに返却が進められるでしょう。
次に必要な書類の受け取りですが、受け取るタイミングが次のように異なります。

受け取るタイミング

書類の種類

概要

退職前に受け取り申請する

・退職所得の受給に関する申告書

・退職金制度がある事業所の場合退職金を受け取るために必要となる書類

退職日に受け取る書類

・雇用保険被保険者証

・雇用保険に加入していることを示す証明書

・年金手帳

・公的年金制度に加入していることを示す手帳で2022年4月に廃止されているが転職先で提出が求められる場合もある

退職後に受け取る書類

・離職票

・会社を退職したことを証明する公的な書類で失業手当の申請をする際に必要となる

・源泉徴収票

・1年間に事業所から支払われた給与や賞与の金額とその中から納付した所得税の金額が記載された書類で確定申告や年末調整に必要となる

スムーズに退職するためにも、書類の受け取り漏れがないかどうかはしっかりと確認するようにしましょう。
また退職日に利用者の方々に報告やご挨拶をするかどうかを、あらかじめ上司と相談しておくのがおすすめです。

まとめ

介護職の退職理由ランキングを見渡すと人間関係の問題が1位ではあるものの、ビジョンに共感できる事業所で働きたい、収入の多い事業所で働きたいといった前向きな理由が多いのが特徴的だと言えるでしょう。
この記事も参考にして、本音はどうあれ円満に退職ができる理由を事業所に伝え、気持ちよく転職ができるよう手続きを進めてみてください。

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