介護福祉士の資格でできる仕事とは?取得者の現状から資格を活かした転職方法まで詳しくご紹介

介護福祉士の資格を取得した人が持つ介護福祉士登録証
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介護福祉士の資格取得者の現状

介護福祉士の資格取得者の現状を、介護福祉士の定義と介護福祉士が持つ他の資格の2つの観点からご紹介します。

介護福祉士とは

介護福祉士とは、介護に係る一定の知識や技能を習得していることを証明できる国家資格です。
社会福祉士及び介護福祉士法第2条2では介護福祉士を、介護福祉士の名称を用いて専門知識や技術で、身体または精神の障がいがあるため日常生活を営むのに支障がある人に対し、心身の状況に応じた介護を仕事として行う人と定義づけています。
また社会福祉士及び介護福祉士法では、介護福祉士に対し以下のような規定が設けられています。

項目

概要

秘密保持義務(第46条)

・正当な理由なく業務に関して知った人の秘密をもらしてはいけない

・介護福祉士でなくなった後も守る必要がある

名称の使用制限(第48条第2項)

・介護福祉士の資格を取得していない人は介護福祉士という名称を用いてはいけない

信用失墜行為の禁止(第45条)

・介護福祉士の信用を傷つけるような行為をしてはいけない

連携(第47条第2項)

・利用者が認知症であることやその他の心身の状況に応じて福祉サービスが総合的で適切に提供されるよう、福祉サービス関係者と連携しなければならない

誠実義務(第44条の2)

・利用者が個人の尊厳を保持し自立した日常生活が営めるよう常に利用者の立場に立って誠実に業務を行わなければならない

資質向上の義務(第47条の2)

・社会福祉および介護を取り巻く環境の変化による業務内容の変化に適応するため、相談援助や介護の知識や技能の向上に努めなければならない

介護福祉士の資格を持つ人が、普段どのような意識で仕事に取り組まなければならないかがわかります。
一方、厚生労働省で2017年10月4日に行われた社会保障審議会では、介護福祉士に求められる役割が次のようにまとめられました。
  1. 尊厳と自立を支えるケアを実践する
  2. 専門職として自律的に介護過程の展開ができる
  3. 身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる
  4. 介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応し、本人や家族等のエンパワメントを重視した支援ができる
  5. QOL(生活の質)の維持・向上の視点を持って、介護予防からリハビリテーション、看取りまで、対象者の状態の変化に対応できる
  6. 地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる
  7. 関連領域の基本的なことを理解し、多職種協働によるチームケアを実践する
  8. 本人や家族、チームに対するコミュニケーションや、的確な記録・記述ができる
  9. 制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる
  10. 介護職の中で中核的な役割を担う

これらの10項目に加えて、「高い倫理性の保持」が介護福祉士には求められることとなったのです。
これからも介護福祉士に求められる役割は時代とともに少しずつ変化していくのが予想されますが、引き続き高い倫理性に基づいて地域で利用者の日常生活をさまざまな専門職と連携してサポートすることが求められるでしょう。

介護福祉士の持つ他の資格

2020年に公益財団法人社会福祉振興・試験センターが行った「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査」において介護福祉士582,319人に対し他の資格の保有状況についてたずねた所、次のような結果が出ました。

資格の名称

割合

社会福祉士

6.7%

精神保健福祉士

1.1%

介護福祉士実習指導者

20.8%

介護支援専門員(ケアマネジャー)

21.7%

訪問介護員(ホームヘルパー)

37.5%

看護師

0.8%

准看護師

1.0%

相談支援専門員

2.3%

社会福祉主事

11.8%

保育士

6.1%

教科「福祉」の高等学校教育免許

0.2%

この中に保有する資格はない(介護福祉士のみ保有)

27.3%

無回答

1.9%

介護福祉士のみを保有して仕事をしている人は30%に満たない少数派で、何らかの他の資格も取得して仕事をしている人の方が多いのがわかります。
介護業界ではチームケアが求められ、他の職種の人と一定の共通言語を持って仕事にあたる必要性が出てくるので、複数の資格を取得している人の方が仕事がしやすくなるのではないでしょうか。

介護福祉士の資格を活かせる仕事とは?

介護福祉士の資格を活かせる仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。
2020年に公益財団法人社会福祉振興・試験センターが行った「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査」において、介護福祉士の就労状況についてたずねた所、次のような結果が出ました。

介護福祉士の就労状況

割合

福祉・医療・介護の分野の仕事

76.3%

福祉・医療・介護の資格者を養成する高校・専門学校・大学等の仕事

0.2%

福祉・医療・介護以外の分野の仕事

7.0%

仕事をしていない

13.8%

無回答

2.8%


上記の結果を踏まえて介護福祉士の資格を活かせそうな福祉・医療・介護分野の仕事、福祉・介護・医療分野の資格者を育成する仕事の2つの詳細をご紹介します。

福祉・医療・介護分野の仕事

「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査」において介護福祉士の施設・事業所別職種・職位の状況についてたずねてみた所、次のような結果が出ました。

職種・職位の状況

割合

経営者

1.1%

施設長・事務所管理者

4.9%

主任・介護部門の長

5.4%

介護支援専門員

9.6%

サービス提供責任者

4.5%

ユニットリーダー・サブリーダー

6.2%

訪問介護員・介護職員・生活支援員

53.2%

相談員

4.7%

指導員

1.1%

その他

8.9%

無回答

0.3%

現場で仕事を続ける人が約半数ですが、現場以外の仕事である介護支援専門員や、主に介護職員のマネジメントを行う施設長や主任などの立場で働く人もいます。
このことから介護福祉士の資格を活かせる仕事として、介護業界における現場以外の仕事があると言えるでしょう。

福祉・医療・介護分野の資格者を育成する仕事

「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査」において福祉・医療・介護分野の資格者を養成する高校・専門学校・大学などで就労している介護福祉士の就労状況をたずねてみた所、次のような結果が出ました。

就労状況

割合

経営者

0.8%

教授

2.6%

准教授

4.0%

講師

30.8%

助教

2.2%

助手

3.2%

教諭・教員

23.6%

その他

13.8%

無回答

18.9%

講師や教諭・教員として働く人が半数を占める中で、教授や准教授、経営者といった道を選ぶ人もいます。
このことから介護福祉士の資格を活かせる仕事として、後進の育成があると言えるでしょう。

介護福祉士を持っていると取れる資格

介護福祉士を持っていると取れる資格には、どのようなものがあるのでしょうか。
3つご紹介します。

ケアマネジャー

ケアマネジャーとは介護支援専門員とも呼ばれ、介護を必要とする人の相談に応じるとともに介護サービスが受けられるようケアプランの作成や関係者との連絡調整をする人のことを指し、介護福祉士を持っていると取れる資格の1つです。
都道府県が行う「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格するとケアマネジャーになれますが、この介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格区分には「次の国家資格に基づく業務に従事する者」という記載があります。

資格の種類

根拠法

医師

医師法

歯科医師

歯科医師法

薬剤師

薬剤師法

保健師・助産師・看護師

保健師助産師看護師法

理学療法士・作業療法士

理学療法士及び作業療法士法

社会福祉士・介護福祉士

社会福祉士及び介護福祉士法

視能訓練士

視能訓練士法

義肢装具士

義肢装具士法

歯科衛生士

歯科衛生士法

言語聴覚士

言語聴覚士法

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師

あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律

柔道整復師

柔道整復師法

栄養士(管理栄養士含む)

栄養士法

精神保健福祉士

精神保健福祉士法

介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法に基づいた国家資格なので、ケアマネジャーの受験資格に含まれているのです。
都道府県が行う介護支援専門員実務研修受講試験の詳細について知りたい人は、各都道府県のホームページから確認するのがおすすめです。
ケアマネジャーになって現場以外の仕事に就くというのも、介護福祉士の資格の1つの活かし方だと言えるでしょう。

認定介護福祉士

認定介護福祉士とはより質の高い介護実践や介護サービスマネジメント、介護と医療の連携強化、地域包括ケア等に対応するための考え方や知識、技術などを認定介護福祉士養成研修で身に着けた介護福祉士のことです。
認定介護福祉士養成研修の受講要件は次の4つです。
  • 介護福祉士の資格を持つこと
  • 介護福祉士資格取得後の実務経験が5年以上ある
  • 介護職員を対象とした現任研修の100時間以上の研修歴があること
  • 研修実施団体が課すレポート課題または受講試験において一定の水準の成績を修めていること(免除の場合あり)
介護福祉士の資格を持つだけではなく、その後5年以上の実務経験が必要なことに注意しましょう。
認定介護福祉士になってさらにレベルの高い介護サービスを提供できるようになるのも、介護福祉士の資格の活かし方の1つだと言えます。

喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修とは認定特定行為業務従事者となるのに必要な資格で、介護福祉士の資格を持っている人は取得することができます。
喀痰吸引等研修の資格を持つと、医師の指示の下にたんの吸引や経管栄養などのサービスを行えるようになるのです。
認定特定行為業務従事者となって、利用者が日常生活に必要なたんの吸引や経管栄養などのサービスを安全に行えるようになるのも、介護福祉士の資格を活かす方法の1つだと言えます。

介護福祉士の資格を活かして転職するには

介護福祉士の資格を活かして転職するにはどのような方法があるのでしょうか。
2つご紹介します。

介護福祉士の上位資格を取得して働く

介護福祉士の資格を活かし、その上位資格を取得して転職するという方法があります。
「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査」において職種・職位別の平均年収をたずねてみた所、次のような違いがありました。

職種

平均年収

訪問介護員・介護職員・生活支援員

243万円

介護支援専門員

325万円

介護福祉士の資格を取得して現場で介護に携わるのと、介護支援専門員の資格を取得して現場以外の仕事に就くのとでは平均年収が82万円も違うのです。
介護福祉士の上位資格を取得して転職すると、年収アップにもつながるのを覚えておきましょう。

他業種への転職

介護福祉士の資格を活かして全く別の業種に転職するというのも1つの方法で、営業や接客などが経験を活かしやすい職種としてよくおすすめされています。
しかし、「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査」において、現在福祉・介護・医療以外の分野で就労している介護福祉士35,388人に対し、福祉・介護・医療分野への再就業の意向をたずねた所、次のような結果が出たのです。

回答

割合

ぜひ働きたい

3.2%

条件が合えば働きたい

38.4%

働きたくない

27.8%

わからない

28.5%

無回答

2.0%

「ぜひ働きたい」「条件が合えば働きたい」と回答した人が合わせて40%にも上り、「働きたくない」と回答した人と比較しても10%程度多いという結果でした。
このことから介護福祉士の資格を活かして他業種に転職する際は、後悔のないよう慎重に検討する必要があると言えるでしょう。

まとめ

介護福祉士の資格でできる仕事は上位資格を取得するとできる現場以外の仕事、後進の育成、他業種などさまざまですが、自分が心地よく働ける環境で仕事ができるよう慎重に検討するのが望ましいでしょう。
この記事も参考にして、ぜひ介護福祉士の資格を活かして転職してみてください。

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