認知症ケア専門士が意味ないと言われる理由とは?優先資格も含めて解説!

認知症ケア専門士が意味ないと言われることを、介護職のみなさんはどう思いますか?
介護職の中には認知症ケア専門士を取得しようか真剣に悩んでいる方もいます。
この疑問が解決すれば、認知症ケア専門士の取得を考えているいないに関係なく、介護系資格の取得を明確に考えられるようになるでしょう。
そこで今回は、認知症ケア専門士を取得しても意味ないと言われる理由や、優先して取得したほうがよい資格などを解説します。
認知症ケアを身につけたい介護職は必見です。
認知症ケア指導管理士の取得は本当に意味がないのか?
なぜ、「認知症ケア指導管理士が意味ない」と言われてしまうのでしょうか。
「取得しても意味がいない」と言われることは、認知症ケア指導管理士に限ったことではなく、ほかの資格にもある現象です。
まずは、認知症ケア指導管理士が概要や意味がないと言われる理由などを通して、介護職の資格について考えてみましょう。
認知症ケア指導管理士は介護職のスキルアップを目的とした資格
認知症ケア指導管理士は、医療・介護現場で働くスタッフの認知症ケアのスキルアップを目的とし、一般財団法人職業技能振興会が設立した資格です。
受験資格はなく介護職に限定した資格ではありませんが、認知症の方とのかかわりが深い介護職のスキルアップに適していると言えます。
認知症ケア指導管理士は初級と上級に分かれていて、初級は2010年に、上級は2014年にスタートした比較的新しい資格です。
なぜ意味がないと言われるのか
なぜ、認知症ケア指導管理士を取得しても意味がないと言われるのでしょうか。
「意味がない」と言われる主な理由に以下のものがあります。
- 施設・事業所から評価されない
- 資格手当がつかない
- 就職・転職で有利にならない
上記の理由から、「取得しても意味がないかも・・・」と介護職が考えるのは当然かもしれません。
さらに、認知症ケア指導管理士は、取得後2年ごとに更新料5,000円が発生します。
資格を持っているだけで財布からお金が出ていく資格は、「意味がない」と言われても仕方がないかもしれません。
優先するべき資格は実務者研修・介護福祉士か
評価や資格手当などのさまざまな点から考えて、介護職として優先的に取得したほうよい資格に、介護福祉士実務者研修修了や介護福祉士資格があります。
この二つの資格には、認知症ケア指導管理士にはない評価や資格手当があるからです。
評価としては施設内だけにとどまらず、転職時に採用されやすくなるメリットがあります。
さらに、施設によっても異なりますが、実務者研修で1万円、介護福祉士なら2万円の資格手当がつくことも珍しくありません。
「どうしても認知症ケアを身につけたい」と思っている介護職がいるかもしれませんが、介護福祉士実務者研修や介護福祉士資格試験においても勉強が必要な分野です。
これは、認知症ケアが高齢者介護において必要不可欠な知識・スキルであることが大きく影響しています。
認知症ケア指導管理士とこの二つの資格の違いは、認知症ケアの勉強に特化しているかしていないかだけの話です。
認知症ケア指導管理士の取得は、この二つの資格のあとでも遅くはないでしょう。
認知症ケア指導管理士を取得するメリット・デメリット
「認知症ケア指導管理士が意味がない」という視点で解説してきましたが、メリットがないわけはありません。
ここではスキルアップというメリットと対外的な評価というデメリットを解説していきます。
認知症ケアのスキルアップが期待できる
メリットとして挙げられるのは認知症ケアの知識・スキルが身につくことです。
認知症ケア指導管理士は認知症ケアの勉強に特化した資格であるからです。
介護職にとって認知症ケアは必要不可欠な知識・スキルと言えます。
介護施設には認知症の利用者様が多くいて、その利用者様たちを介護するためには認知症ケアが身についていないと対応できません。
介護実務を通じても認知症ケアは身につきますが、認知症の利用者様を理解したケアをするためには実務以外での勉強が必要です。
その意味では、認知症ケア指導管理士の試験勉強を通じて、認知症ケアの知識・スキルが身につくことは大きなメリットなのです。
対外的な評価があまり期待できないかも・・・
デメリットは複数ありますが、代表的なものとしては対外的な評価が期待できないことです。
評価されない主な理由としては、認知症ケア指導管理士の介護職がいても介護施設は収入が増えないことが挙げられます。
介護施設の収入とは介護報酬であり、その介護報酬の増減は加算の金額によって決まります。
その加算の中には介護福祉士や介護福祉士実務者研修修了者の人数を一定割合以上求めるものがあり、両資格の人数が多いほど介護施設の収入が増える仕組みになっているのです。
一方、今回のテーマである認知症ケア指導管理士はこの加算が求めている資格に入っていなくて、同資格者が増えても介護報酬が増える仕組みにはなっていません。
つまり、介護報酬の加算が求めている資格に入っていないことが、「認知症ケア指導管理士が意味ない」と言われてしまう原因にもなっているのです。
認知症ケア指導管理士の試験概要
認知症ケア指導管理士にメリットやデメリットがあることがわかりました。
それらの踏まえて実際に試験を受けようとするときは、資格試験の概要を把握しなければなりません。
ここでは、試験月や合格基準などを解説します。
なお、認知症ケア指導管理士は初級と上級の二つに分かれています。
認知症ケア指導管理士(初級)
認知症ケア指導管理士(初級)の試験の概要は以下のとおりです。
- 試験月:7月・12月
- 受験料
一般:7,500円
学生:4,000円
- 受験資格:なし
- 出題数・形式:60問・五肢択一(マークシート方式)
- 合格基準:総得点の7割(問題の難易度で補正あり)
- 第1回~第23回(2010年7月~2021年7月)試験累計
受験者数:34,500名
合格者:20,410名
合格率:59.2%
合格率が高く年2回受験できるため、比較的挑戦しやすい資格試験であることがわかります。
上級認知症ケア指導管理士
上級認知症ケア指導管理士試験の概要は以下のとおりです。
- 試験月
一次試験:7月
二次試験:12月
- 受験料
一次試験:12,000円
二次試験:6,000円(一次試験合格者のみ)
- 受験資格:認知症ケア指導管理士(初級)を保持している方(原則)
- 出題数・形式:
一次試験:60問・五肢択一(マークシート方式)
二次試験:論述形式
- 合格基準
一次試験:合否通知時に合格最低点がわかる
二次試験:課題に対する対応力・判断力があること
- 第1回~第7回(2010年~2019年)試験累計
受験者数:1,987名
合格者:152名
合格率:7.6%
二段階の試験や論述形式の試験内容、合格率など、初級と比べて難易度がかなり高いことがわかります。
異なった見方をすれば、上級試験に合格することで高度な認知症ケアが身につくとも考えられます。
「認知症」がつくその他の資格とは
認知症ケア指導管理士のように「認知症」の名称がつき認知症ケアに特化した資格はほかにもあります。
最後は、認知症ケア指導管理士以外の認知症ケア特化型の資格を紹介します。
認知症介護実践者等養成事業にもとづく研修(資格)
超高齢社会が進み認知症の方が増加しています。
そのような社会的背景を踏まえ、国は認知症ケアができる人材を養成するため、「認知症介護実践者等養成事業」を実施しています。
同事業では、下表のように認知症介護基礎研修や認知症介護実践者研修などの複数の研修を実施しています。
受講資格 | 特徴 | |
認知症介護基礎研修 | 無 | 医療・福祉関係の資格がない介護職は受講が必要 |
認知症介護実践者研修 | 約2年以上の実務経験者など | 通所介護事業所に一人以上配置すると「認知症加算」がつく |
認知症介護実践リーダー研修 | 約5年以上の実務経験者 認知症介護実践者研修を終了して1年以上の者など | 入所施設に一定の割合以上配置すると「認知症専門ケア加算Ⅰ」がつく |
認知症介護指導者養成研修 | 認知症介護実践リーダー研修修了者 医療・福祉の国家資格保有者など | 入所施設に一定の要件を満たすると「認知症専門ケア加算Ⅱ」がつく |
認知症ケア指導管理士とは異なり、研修修了者を介護施設に配置すると加算がつくのが特徴です。
民間団体が実施している認知症関連資格
前節では国主導の資格を紹介しましたが、ここでは認知症ケア指導管理士と同じように民間団体が実施している資格を紹介します。
代表的な認知症ケア特化型の民間資格とその受験資格は以下のとおりです。
- 認知症介助士:なし
- 認知症ライフパートナー(1級・2級・3級):3級・2級はなし。1級は2級合格者のみ
- 認知症ケア専門士:3年以上の認知症ケアの実務経験
認知症ケア指導管理士と名称が酷似している認知症ケア専門士は、受験資格として3年以上の認知症ケアの実務経験が必要な資格試験です。
指定されているテキストの冊数も多く大変な試験であり、ステップアップ版として認知症ケア上級専門士があります。
認知症ケア特化型の資格はそれぞれ難易度も異なるため、複数の認知症ケア特化型の資格に挑戦し、介護職のスキルアップに役立てはいかがでしょうか。
認知症ケアを極めたいなら認知症ケア指導管理士を取得しよう!
認知症ケア指導管理士は認知症ケアのスキルアップができる資格です。
対外的な評価が期待できないというデメリットもありますが、試験勉強することで確実に認知症ケアの知識・スキルが身につきます。
認知症ケア特化型の資格(研修)はほかにもあり、難易度や受験(受講)資格がそれぞれ異なります。
認知症ケア指導管理士のテキストを開いてみて、自分に不足している分野が勉強できるようなら、認知症ケアを極めるためにも挑戦してはいかがでしょうか。
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