ケアマネの実務研修とは?内容から大変な理由まで詳しく解説

ケアマネの実務研修の様子
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ケアマネジャー養成における介護支援専門員実務研修の位置づけ

ケアマネジャー養成における介護支援専門員実務研修の位置づけとはどのようなものなのでしょうか。
介護支援専門員の法律上の定義、介護支援専門員養成の流れ、ケアマネジャー研修の目的の3つの観点から説明します。

介護支援専門員の法律上の定義

介護保険法の第7条第5項では、介護支援専門員とは要介護認定を受けて要介護者、要支援者となった人からの相談を受け、心身の状況に応じた適切な介護保険サービスを受けられるよう市町村、介護サービス事業者との連絡調整を行う人と定義づけています。
また要介護者や要支援者が自立した日常生活を営むために必要な援助についての専門的な知識や技術があるとして、介護保険法第69条第7項の1に定められた介護支援専門員証の交付を受けた人とも記載されています。
その他介護保険法では介護支援専門員について次のように定めています。

介護保険法

概要

詳細

第69条第2項

  • 介護支援専門員の登録方法
  • 都道府県知事が厚生労働省令で規定した内容に基づいて行う介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、介護支援専門員実務研修の過程を修了した人が登録できる

第69条第7項の1

  • 介護支援専門員証の交付
  • 介護支援専門員の登録をした人は都道府県知事に対し介護支援専門員証の交付を申請できる

第69条第7項の3

  • 介護支援専門員証の有効期間
  • 5年間

第69条第8項の1

  • 介護支援専門員証の更新方法
  • 申請して更新を行う

第69条第8項の2

  • 介護支援専門員証の更新のために必要な研修
  • 都道府県知事が厚生労働省令で規定した内容に基づいて行う「更新研修」の受講が必要
ケアマネ向け研修で混同されやすいのが「実務研修」と「更新研修」ですが、実務研修は介護保険専門員として登録するのを目的とし、更新研修は介護支援専門員証の更新を目的としているという点で異なるのを覚えておきましょう。

介護支援専門員養成の流れ

介護支援専門員養成の流れは次の通りです。
  1. 介護支援専門員実務研修受講試験を受けて合格する
  2. 介護支援専門員実務研修を修了する
  3. 研修修了証明書の交付を受ける
  4. 都道府県で介護支援専門員として登録する
  5. 都道府県知事に介護支援専門員証の交付を申請する
厚生労働省では毎年介護支援専門員実務研修受講試験の合格率を発表していますが、2024年4月現在の最新の合格率は次の通りです。

回数と年度

合格率

第24回(2021年度)

23.3%

第25回(2022年度)

19.0 %

第26回(2023年度)

21.0%

介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければ、介護支援専門員実務研修は受講できないので、最初はまず試験の合格を目指すことが大切です。

ケアマネジャー研修の目的

厚生労働省のホームページに掲載されている「介護支援専門員資質向上事業ガイドライン」に記載されているケアマネの研修の目的は次の通りです。
  • ケアマネジメントの中枢を担うケアマネジャーを対象に、養成段階での介護支援専門員実務研修、働き始めている人が対象の研修を体系的に実施し、介護保険制度の基本理念を抜かりなく行い専門性の向上を図ることで適切なケアマネジメントを可能とする
  • 主任介護支援専門員は、地域包括ケアシステムの構築に向けて地域における課題の把握から、ケアマネジャーの育成などの役割を果たせる専門職を育成する
ケアマネ向け研修は、ケアマネジャーの資質を向上させることで利用者に適切なケアマネジメントを実施し、介護保険サービスの適切な運用につなげるのを目的として行われているのを覚えておきましょう。

ケアマネジャーの実務研修の内容

ケアマネジャーの実務研修の具体的な内容は、厚生労働省のホームページに掲載されている「介護支援専門員実務研修各科目のガイドライン」によって示されていますが、主な内容を抜粋してご紹介します。

期間

講義テーマ

内容

時間

前期

  • 介護保険制度の理念や現状とケアマネジメント
  • 介護保険制度の理念と現状他
  • 講義3時間
  • 自立支援のために行うケアマネジメントの基本
  • ケアマネジメントの成り立ちや機能の理解他
  • 講義と演習6時間
  • ケアマネジメントのプロセス
  • ケアマネジメントプロセスの全体像と各過程の関連他
  • 講義2時間
  • 介護支援専門員に求められるチームのマネジメント
  • チームアプローチの意義と目的の理解他
  • 講義と演習2時間
  • 生活の継続をサポートするための医療との連携と多職種協働の意義
  • 医療機関の役割の理解他
  • 講義3時間
  • 実習オリエンテーション
  • 実習の位置づけと目的の理解他
  • 講義1時間
  • ケアマネジメントの基礎技術に関する実習
  • 実習先におけるケアマネジメントのプロセスの体験他

後期

  • 実習振り返り
  • 実習の振り返り他
  • 講義と演習3時間
  • ケアマネジメントの展開 
  • 生活の継続と家族などを支える基本的なケアマネジメント
  • 高齢者の生理、心理、生活環境などの構造的な理解他
  • 講義と演習3時間
  • ケアマネジメントの展開
  • 看取りに関する事例
  • 看取りにおける介護支援専門員の役割や適切な姿勢の理解他
  • 講義と演習4時間
  • ケアマネジメントの展開
  • 地域共生社会の実現に向け他の法律や他の制度の活用が必要な事例のケアマネジメント
  • 他の法律や他の制度の活用が必要な事例を学ぶ必要性の理解他
  • 講義と演習3時間
  • アセスメントと居宅サービス計画などの作成の総合演習 
  • ケアマネジメントプロセスの実践他
  • 講義と演習 4時間
  • 研修全体を振り返っての意見交換、講評やネットワーク作り 
  • 研修修了後の学習課題の設定と実践他
  • 講義と演習2時間
ケアマネジャーの実務研修では介護保険の理念やケアマネジメントの基本から実習、またケアマネジメントをどのように展開するかまで多岐に渡る内容を学ぶのがわかります。
「介護支援専門員実務研修各科目のガイドライン」では、各講義テーマにおける「目的」「概要」「習得目標」「内容」「研修展開上の留意点」「法定外研修への接続」が記載されており、より研修のイメージがはっきりとわくようになっています。
実務研修でどのようなことが身につくのか理解してから研修に参加したい人は、厚生労働省のホームページで一度目を通してみるのがおすすめです。

ケアマネの実務研修の日程

ケアマネの実務研修の日程は都道府県別に次のページに記載されています。

都道府県

ケアマネの実務研修の日程が記載されているページ

北海道

一般社団法人北海道介護支援専門員協会

青森県

青森県「介護支援専門員に関する研修について」

岩手県

公益財団法人いきいき岩手支援財団「介護支援専門員実務研修」

宮城県

宮城県「介護支援専門員研修 実務研修」

秋田県

社会福祉法人秋田県社会福祉協議会「介護支援専門員(ケアマネジャー)」

山形県

山形県「介護支援専門員実務研修について」

福島県

社会福祉法人福島県社会福祉協議会「介護支援専門員研修」

茨城県

一般社団法人茨城県介護支援専門員協会「研修について」

栃木県

社会福祉法人とちぎ健康福祉協会生きがい健康部「介護支援専門員実務研修受講試験・研修のご案内」

群馬県

社会福祉法人群馬県社会福祉協議会「介護支援専門員研修」

埼玉県

社会福祉法人埼玉県社会福祉協議会「研修・試験」

千葉県

社会福祉法人千葉県社会福祉協議会「介護支援専門員の養成」

東京都

東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイト「実務研修」

神奈川県

神奈川県社会福祉協議会福祉研修センター「神奈川県介護支援専門員研修」

新潟県

社会福祉法人新潟県社会福祉協議会「最新情報」

富山県

富山県「富山県介護支援専門員研修について」

石川県

石川県「介護支援専門員にかかる研修について」

福井県

社会福祉法人福井県社会福祉協議会「介護支援専門員研修について」

山梨県

山梨県「介護支援専門員研修について」

長野県

長野県「介護支援専門員研修について」

岐阜県

社会福祉法人岐阜県福祉事業団研修サイト「介護支援専門員研修について」

静岡県

特定非営利活動法人静岡県介護支援専門員協会「令和5年度【実務研修】について|静岡県介護支援専門員協会」

愛知県

愛知県「介護支援専門員の研修制度について」

三重県

社会福祉法人三重県社会福祉協議会「研修情報」

滋賀県

滋賀県「介護支援専門員実務研修」

京都府

京都府「令和6年度介護支援専門員研修の実施計画について」

大阪府

大阪府「令和5年度(第26回)介護支援専門員実務研修の受講希望者(過年度合格者など)へのお知らせ」

兵庫県

兵庫県「介護支援専門員の研修・更新手続きについて(主任を除く)」

奈良県

社会福祉法人奈良県社会福祉協議会「ケアマネ実務研修」

和歌山県

和歌山県「介護支援専門員研修」

鳥取県

社会福祉法人鳥取県社会福祉協議会「1 介護支援専門員実務研修(再研修、実務未経験更新研修)」

島根県

社会福祉法人島根県社会福祉協議会島根県福祉人材センター「介護支援専門員研修」

岡山県

岡山県「介護支援専門員の研修について」

広島県

社会福祉法人広島県社会福祉協議会社会福祉研修センター「ケアマネ研修」

山口県

山口県介護支援専門員協会「令和5年度 山口県介護支援専門員実務研修の開催について」

徳島県

社会福祉法人徳島県社会福祉協議会とくしま・福祉の研修「介護支援専門員研修」

香川県

香川県ホームページには記載せず(研修受講試験に合格した人に個別送付)

愛媛県

愛媛県社会福祉協議会「介護支援専門員実務研修」

高知県

高知県「介護支援専門員の登録、資格の更新及び研修」

福岡県

福岡県「介護支援専門員実務研修(受講者向け)」

佐賀県

佐賀県「令和5年度介護支援専門員各種研修のご案内」

長崎県

長崎県介護支援専門員協会「令和5年度実務研修」

熊本県

一般財団法人保健福祉振興財団「令和5年度熊本県介護支援専門員実務研修」

大分県

大分県社会福祉介護研修センター「介護支援専門員」

宮崎県

一般社団法人宮崎県介護支援専門員協会「令和5年度 介護支援専門員実務研修の開催について」

鹿児島県

鹿児島県「令和6年度介護支援専門員法定研修について」

沖縄県

沖縄県「介護支援専門員研修等」

ケアマネの実務研修の日程は、更新研修などの他の研修の日程と同じページで発信されることが多いのを覚えておいてください。

ケアマネの実務研修が大変な理由

ケアマネの実務研修がしんどい、大変と言われる理由はどこにあるのでしょうか。
2023年3月に株式会社日本総合研究所が発表した「介護支援専門員の資質向上に関する研修等のあり方に関する調査研究事業報告書」の中で行われたアンケートの結果を基に3つご紹介します。

内容に課題がある

法定研修の内容や質について、どのような点に課題を感じているかを聞いた所、次のような結果が出ました。

回答

割合

演習の時間が長すぎる

46.5%

習得すべき知識・技術が含まれていない

30.6%

課題内容が難しすぎる

8.7%

結果から、ケアマネジャーが身に着けたい知識や技術が含まれていないにもかかわらず、長時間に渡って研修が行われるため、大変という印象になっているのがうかがえます。

費用が高い

法定研修の受講料に対してどのように感じているかをたずねた所、次のような結果でした。

回答

割合

高いと思う

74.2%

どちらかと言えば高いと思う

19.9%

ちょうどよい

5.0%

「高いと思う」「どちらかと言えば高いと思う」という回答の合計が94.1%で、ほとんどの人が受講料の負担をつらいと感じているのがわかります。

時間数が多い

法定研修の時間数についてどのように感じたかをたずねた所、次のような結果でした。

回答

割合

多い

62.7%

どちらかといえば多い

27.3%

ちょうどよい

8.8%

「多い」「どちらかといえば多い」と回答した人が90%となり、時間数が多いことも大変さにつながっているのがうかがえます。

まとめ

ケアマネの実務研修とは介護保険専門員として登録するのを目的とした研修のことで、各都道府県別に行われています。
大変だと感じる人も多い研修ですが、ケアマネジャーとして活躍するのを目指してぜひ積極的に取り組んでみてください。

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