訪問入浴介護とは?現状から働くのに向いてる人まで詳しくご紹介

訪問入浴介護の仕事に向いてる人は、「コミュニケーション能力が高い人」「健康で体力のある人」「チームで仕事をしたい人」です。
この記事では、この仕事の現状や課題などについてもご紹介します。
訪問入浴介護とは?
利用者の生活機能の維持や向上を目指して、身体の清潔の保持を目的に行われます。
訪問入浴介護に必要な人員と設備は次の通りです。
項目 | 概要 |
従業員 | ・指定訪問入浴介護事業者の事業所ごとの人数①看護師または准看護師 1名②介護職員 2名以上 |
管理者 | ・指定訪問入浴介護事業者は事業所ごとに専従の常勤管理者が必要 |
設備 | ・事業の運営に必要な広さを持つ専用の区画を設ける・訪問入浴介護のサービス提供に必要な設備と備品を備える |
訪問入浴介護の料金
加算条件と減算条件は次の通りです。
条件の種類 | 条件 | 割合(1回あたり) |
加算条件 | ・介護福祉士などを一定割合以上配置+研修等の実施 | ・36単位、24単位 |
・中山間地域などでのサービス提供 | ・5%~15% | |
減算条件 | ・介護職員3人によるサービス提供 | ・ー5% |
・清拭または部分浴でのサービス提供 | ・ー30% |
要介護度 | 自己負担額(1回あたり) |
要支援1~要支援2 | 845円 |
要介護1~要介護5 | 1,250円 |
訪問入浴介護を利用する理由
回答 | 割合 |
家の設備では介助が困難(もしくは設備がない) | 54% |
家族や訪問介護の介助では困難だから | 23% |
感染症や疾病等の理由で通所介護での入浴介助が利用できない | 11% |
その他 | 12% |
参考:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」
参考:厚生労働省「第142回社会保障審議会介護給付費分科会資料」
訪問入浴介護の現状
この調査結果を基に、訪問入浴介護の現状を「要介護度別の利用者数」「サービス提供時間」「介護サービスの質の向上のための取り組み」という3つの観点からご紹介します。
要介護度別の利用者数
| 全体 | 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
利用者数 | 37,051人 | 59人 | 259人 | 1,079人 | 3,080人 | 4,932人 | 10,457人 | 17,185人 |
割合 | 100% | 0.2% | 0.7% | 2.9% | 8.3% | 13.3% | 28.2% | 46.4% |
サービス提供時間
| 20分未満 | 20~40分未満 | 40~60分未満 | 60~90分未満 | 90分以上 | 無回答 |
通常のサービス | ー | 0.4% | 73.8% | 23.0% | 1.1% | 1.7% |
清拭 | ー | 14.9% | 65.7% | 5.9% | 0.2% | 13.4% |
部分浴(足浴・手浴・座浴・半身浴など身体の一部分だけをお湯につける入浴法) | 0.2% | 8.9% | 57.5% | 4.6% | 0.2% | 28.6% |
どの入浴方法においてもサービス提供時間は40分~60分未満の割合が一番多くなっていますが、清拭と部分浴では60分以上かかる割合は少なくなっています。
このことから訪問入浴介護には1件あたりおおむね1時間前後の時間がかかると言えるでしょう。
介護サービスの質の向上のための取り組み
取り組みの内容 | 回答数 | 割合 |
賃金アップ | 470 件 | 50.3% |
労働環境の改善 | 662件 | 70.8% |
長期継続的な雇用の確保 | 569件 | 60.9% |
ICT 機器・介護ロボットの活用 | 418件 | 44.7% |
キャリアパスの構築 | 519件 | 55.5% |
社会的地位の向上 | 299件 | 32.0% |
能力向上・資格取得に向けた支援の拡充 | 573件 | 61.3% |
福利厚生制度の充実 | 530件 | 56.7% |
出産・子育て等を応援する制度の充実 | 541件 | 57.9% |
家族の看護・介護を応援する制度の充実 | 414件 | 44.3% |
職場内のコミュニケーションの促進や親睦を図る取組(意見交換会、懇親会等)の実施 | 483件 | 51.7% |
職場内の人間関係の悩みや不安に対する対策(相談窓口の設置など) | 592件 | 63.3% |
利用者や利用者家族からのハラスメントに対する支援(相談窓口の設置など) | 542件 | 58.0% |
利用者や利用者家族との関係構築に対する支援(相談窓口の設置など) | 396件 | 42.4% |
その他 | 271件 | 29.0% |
無回答 | 49件 | 5.2% |
このことから、指定訪問入浴介護事業所では介護サービスの質を向上させるためには働きやすい環境を整え、質の高い人材の定着を図るのが大切だと考えているのがうかがえる結果となっています。
参考:デベロ老人福祉研究所「令和3年度老人保健健康増進等事業『訪問入浴介護の実態に関する調査研究事業』」
訪問入浴介護の課題
デベロ老人福祉研究所が発表した「令和3年度老人保健健康増進等事業『訪問入浴介護の実態に関する調査研究事業』」のアンケート結果を踏まえて3つご紹介します。
当日キャンセル
当日キャンセル回数 | 回答数 | 割合 |
0 回 | 163件 | 17.4% |
1~3 回 | 157件 | 16.8% |
4~6 回 | 364件 | 38.9% |
7~10 回 | 56件 | 6.0% |
10 回以上 | 164件 | 17.5% |
無回答 | 31件 | 3.3件 |
また当日キャンセルになった理由は次の通りです。
当日キャンセルの理由 | 回答数 | 割合 |
利用者の容態の変化 | 740件 | 79.1% |
介護者、家族の都合 | 475件 | 50.8% |
利用者の入浴拒否 | 361件 | 38.6% |
その他 | 43件 | 4.6% |
無回答 | 163件 | 17.4% |
当日キャンセルをした場合、料金は発生するのかをたずねてみると次のような結果でした。
当日キャンセル料金の有無 | 回答数 | 割合 |
有 | 67 件 | 7.2% |
無 | 828件 | 88.6% |
無回答 | 40件 | 4.3% |
人手不足
過不足の状況 | 回答数 | 割合 |
不足 | 486件 | 52.0% |
やや不足 | 264件 | 28.2% |
適当 | 155件 | 16.6% |
やや過剰 | 7件 | 0.7% |
過剰 | 4件 | 0.4% |
無回答 | 19件 | 2.0% |
| 0人 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5~9人 | 10人以上 | 無回答 |
採用者数 | 24.5% | 15.9% | 10.3% | 7.0% | 3.6% | 5.2% | 0.7% | 32.7 % |
離職者数 | 26.6 % | 16.8% | 11.3% | 5.7% | 2.9% | 3.5% | 0.4 % | 32.7% |
しかし、1年間の離職者数が5人以上と回答した事業所が3.9%、採用者数0人と回答した事業所が24.5%あり、退職する人が多い半面新しい人が補充されない人手不足な環境の事業所も一定数あるのが課題だと言えるでしょう。
サービス提供がうまくいかない時がある
苦労した例 | 回答数 | 割合 |
認知症(BPSD など) | 464件 | 49.6% |
医療器具などの装着 | 538件 | 57.5% |
感染症 | 466件 | 49.8% |
体格の問題 | 752件 | 80.4% |
複数の疾患を合併している | 397件 | 42.5% |
看取り期 | 510件 | 54.5% |
精神障害 | 393件 | 42.0% |
その他 | 295件 | 31.6% |
無回答 | 67件 | 7.2% |
医療器具などの装着、感染症、複数の疾患を合併しているなどの場合は医師のサポートがほしいと感じる場合も多いかもしれませんが、訪問入浴介護の人員基準では看護師がいれば問題がないため、その場で相談するのは難しいのが現状でしょう。
参考:デベロ老人福祉研究所「令和3年度老人保健健康増進等事業『訪問入浴介護の実態に関する調査研究事業』」
訪問入浴介護の仕事に向いてる人とは?
3つご紹介します。
コミュニケーション能力が高い人
1時間前後という短い時間内で安全・安心な入浴を実現させるためには、介護職員と介護職員間の連携が取れている必要があります。
また利用者や家族から都度最新の状況をお聴きし、臨機応変に対応する力も訪問入浴介護においては重要です。
健康で体力のある人
そのため、健康や体力に自信がある人は訪問入浴介護の仕事に向いてる人だと言えるでしょう。
チームで仕事をしたい人
協調性が高く、個人で目標を達成するよりチームで目標を達成する方が仕事にやりがいを感じる人は訪問入浴介護に向いていると言えるでしょう。
まとめ
人手不足でサービス提供があまりうまくいかない場合もあるなど課題も抱えていますが、そんな状況を変えようと事業所が働きやすい環境作りに前向きに取り組んでいるのもまた事実です。
この記事を読み、訪問入浴介護に向いているかもしれないと感じた人は、ぜひチャレンジしてみてください。






