ケアマネジャーの仕事をやめたいと思ったら?やめたくなる理由から対処方法まで詳しく解説

女性利用者にPCを用いて介護保険について説明をするケアマネジャー
バナー広告

ケアマネジャーの離職率とは?

ケアマネジャーの離職率はどのくらいなのでしょうか。
2022年に公益財団法人介護労働安定センターが発表した「令和4年度介護労働実態調査」で職種別の離職率について調べた所、次のような結果が出ました。

離職率

全体

14.3%

訪問介護員

13.3%

サービス提供責任者

10.5%

介護職員

14.9%

ケアマネジャー単体での調査結果はなかったものの、上記の数値に近い離職率であることが予想されます。
一方、厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagでケアマネジャーの項目を見ると、2022年度の有効求人倍率が4.80倍だったことがわかります。
ケアマネジャーが退職してしまい、求人をかけているもののなかなか採用できない事業所が多いのが現実だと言えるでしょう。

ケアマネジャーが仕事をやめたいと感じる理由

ケアマネジャーは介護業界で一定の経験を積んでいるにもかかわらず、どうして仕事をやめたいと感じるのでしょうか。
「令和4年度介護労働実態調査」でケアマネジャーを対象に、直前の仕事(介護関係の仕事)をやめた理由をたずねた所、次のような結果が出ました。

直前の仕事(介護関係の仕事)をやめた理由

割合

人員整理・勧奨退職・法人解散・事業不振などのため

5.5%

他に良い仕事・職場があったため

16.2%

新しい資格を取ったから

25.6%

収入が少なかったため

15.4%

自分の将来の見込みが立たなかったため

14.1%

自分に向かない仕事だったため

3.3%

職場の人間関係に問題があったため

24.6%

法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため

24.9%

家族の転職・転勤、または事業所の移転のため

2.6%

定年・雇用契約の満了のため

3.5%

病気・高齢のため

2.8%

結婚・妊娠・出産・育児のため

5.9%

家族の介護・看護のため

3.5%

その他

14.5%

この結果で「新しい資格を取ったから」という理由が25.6%を占めたのは、前職で働きながらケアマネジャーの資格を取得し、現職に就いたからだと想像できます。
しかし「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」という理由が、職場の人間関係の問題という理由よりも退職理由として多いのが目を惹きます。
そのため、ケアマネジャーとして働く場合、事業所のビジョンやミッション、経営理念に共感できるかどうかが仕事を続けられるかどうかに大きな影響を及ぼしていると言えるでしょう。

ケアマネジャーをやめたいと感じた時の対処方法

ケアマネジャーをやめたいと感じた時には、どのように対処すればよいのでしょうか。
「令和4年度介護労働実態調査」の結果に出てきた退職理由別に3つにわけて解説します。

ケアマネジャーの仕事をやめて他業種に転職する

次の3つの理由でケアマネジャーをやめたいと感じた場合は、ケアマネジャーの仕事をやめて他業種に転職するのを検討した方がよいでしょう。
  • 自分に向いていなかった場合
  • 自分の将来の見込みが立たない場合
  • 収入が少なかった場合
3つともケアマネジャーとして働き続けても課題解決に至る可能性が低いためです。
まずケアマネジャーの仕事に向いていなかった場合ですが、向いていない仕事を長期的に続けることには次のようなデメリットがあります。
  1. 身体とメンタルの調子を崩す可能性が出てくる
  2. 仕事のパフォーマンスが低下し成果を挙げられなくなる
  3. 仕事へのモチベーションが低下しスキルが身につかない
  4. 人事評価に影響が出るため給与が上がりにくくなる
  5. 昇給がなく将来が不安になる
  6. 自己肯定感が下がり行動する意欲が低下する
デメリットとして挙げた項目のうち、番号の若い間に転職などの行動を起こせるのが望ましいですが、⑥の状態に至るとケアマネジャーを続けるのはとても苦しいのに退職できないといった状況におちいってしまいます。
そして将来の見込みが立たない状態で仕事を続けると、仕事を通じて自分がどうなりたいのかが不明確なまま仕事をすることとなるため、仕事にぶれや迷いが生じるでしょう。
長く続けると何のために仕事をしているのか次第にわからなくなっていき、働くこと自体への意欲を失ってしまうことにもつながりかねません。
最後に収入が少なかった場合ですが、介護保険サービス内で仕事をする以上、介護保険で処遇改善が行われない限りケアマネジャーの大幅な昇給は見込めません。
例えば事業所が介護保険外サービスを開始し、そこで得た利益を元に従業員の処遇を改善するといった動きがなければ、今後も業務と給与のバランスがよくないまま仕事を続けることとなるでしょう。
このような状態を避けるためにも、ケアマネジャーの仕事が向いていないとわかったら早めに他業種への転職を検討するのがおすすめです。

ケアマネジャーの仕事をやめて他の事業所に転職する

次の2つの理由でケアマネジャーをやめたいと感じた場合は、他の事業所への転職を考えた方がよいでしょう。
  • 法人や施設、事業所の理念や運営のあり方に不満があった場合
  • 人員整理、退職推奨などの場合
事業所の理念や運営のあり方に不満がある場合というのは、事業所が掲げたビジョンやミッション、経営理念などに共感できないということなので、どれだけ働いても目指す方向が自分の勤務する事業所とは異なるということになってしまいます。
ケアマネジャーの仕事自体に不満があるわけではないため、共感できるビジョンを掲げて運営をしている事業所に転職すれば、今よりも気持ちよく働くことができるでしょう。
また事業所が人員整理、退職推奨などを行う時というのは、経営状態があまり良くない可能性が高いです。
株式会社東京商工リサーチが2023年12月に発表した訪問介護事業者の倒産動向調査の結果によると、2023年の「訪問介護事業者」の倒産が12月15日までに60件となり、これまで年間最多だった2019年の58件を抜き、年間最多を更新したことがわかったのです。
介護事業者の倒産が珍しくない時代になったからこそ、将来のことを考えると少しでも安定した経営状態の事業所に転職した方がよいでしょう。

退職を再考する

職場の人間関係に問題があってケアマネジャーをやめたいと感じている場合は、本当に退職して後悔しないか一度は考え直してみるのがおすすめです。
自分の頭の中を整理するため、次の項目をメモなどに書き起こしてみましょう。
  • 体調やメンタルの調子はどうか
  • 今の職場で引き続き働くメリット
  • 退職するメリット
  • 人間関係で何か改善策はないか
体調やメンタルの調子がよくなく、通院治療をしながらでないと働けないなどの状態であれば近いうちに退職した方が望ましいでしょう。
しかし、今の職場で働くメリットが退職するメリットより多かったり、人間関係に改善策が思い浮かんだりする場合は、早急な退職は控えるのをおすすめします。
転職したからといって必ず今の事業所より良い環境であるとは限りませんし、何よりまだメリットや改善策が思い浮かぶのであれば、退職してから後悔する可能性があります。
自分の選択に対して後でよかったと思えるよう、冷静に考えてみましょう。

ケアマネジャーをやめてよかったと思うためには?

ではケアマネジャーをやめてよかったと思うためには、どのような行動を取るのが望ましいのでしょうか。
3つご紹介します。

就業規則に則って退職手続きをする

ケアマネジャーをやめてよかったと思うためにも、事業所の就業規則に則って退職手続きを行いましょう。
インターネット上では、よく介護業界で働く人がいきなり職場からいなくなったという内容や、それを支持する書き込みが見られますが、本当かどうかわからないそのような書き込みに惑わされるのは望ましくありません。
正社員のように労働期間を定めずに働いている従業員の場合、退職については民法で次のように定められています。
”(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法687条には雇用契約を結んでいるものの、雇用期間を定めずに働いている人の場合はいつでも雇用契約の解約を申し出ることができ、解約の申し入れの日から2週間後に雇用契約が終了すると記載されているのです。
そのため法律上は退職の2週間前までに事業所に退職の意思を伝えれば問題はありませんが、多くの事業所では就業規則で退職の意思は1~2か月前に上司に伝えるよう定めてあるため、それに従うのが望ましいでしょう。
退職までの流れは次の通りです。

時系列

退職に向けてすること

退職日の1か月前~2か月前

  • 退職の意思表示(口頭で伝える)
  • 退職日と有給消化の相談

退職日の1か月前

  • 退職届を提出(様式・書き方などは就業規則に従う)
  • 業務の引継ぎ

退職日

  • 書類の受け取り
  • 制服や備品の返却
業務の引継ぎは思わぬ所で時間がかかったりするため、余裕を持ってスケジューリングするようにしましょう。
また、退職日前後に受け取る書類の詳細は次の通りです。

書類の受け取りのタイミング

書類の名称

概要

退職前

退職所得の受給に関する申告書

  • 退職金制度のある事業所の場合退職金を受け取るために必要となる

退職日

雇用保険被保険証

  • 雇用保険に加入していることを証明するもので転職先に提出する

年金手帳

  • 公的年金制度の加入者に
  • 勤務先に預けている場合は受け取る
  • 転職先で提出が必要な場合もある

退職後

離職票

  • 退職者が失業手当の申請をする時に必要な公的な書類
  • 退職した日の翌日から起算して10日以内に事業所が申請手続きを行い退職者に手配しなければならない

源泉徴収票

  • 事業所から支払われた給与や所得税の総額を記載する書類
  • 転職先に提出する
退職前後に受け取る書類は重要なものばかりなので、もらい忘れがないか丁寧に確認しましょう。
また退職日には制服や備品を返却する必要がありますが、チェックリストなどを作って返し忘れを防ぐのがおすすめです。

退職前に転職先を決める

ケアマネジャーをやめてよかったと思うためにも、退職前に転職先は必ず決めておきましょう。
それなりに貯金があったとしても、収入が途絶えるというのは予想以上に不安なものです。
また退職後に転職活動を始めてしまうと、せっかく自分に合った事業所を見つけようとして退職したにもかかわらず、不安感から妥協して転職先を選んでしまうかもしれません。
自分が望む環境で働くためにも、退職のタイミングを間違えないようにするのが大切です。

後悔のないように仕事をやりきる

退職を事業所に伝えた後、見るからに仕事のモチベーションが下がる人がいますが、これでは後々ケアマネジャーをやめてよかったとは感じられないでしょう。
再度自分で選んだ仕事だということを思い起こし、お世話になった利用者の方々や周囲の方のためにも、最後まで後悔のないように仕事をやりきってください。
事業所で自分の力を最後まで発揮し成果を挙げてこそ、退職後にケアマネジャーをやめてよかったと心から思えるのではないでしょうか。

まとめ

ケアマネジャーをやめたいと感じたら、他業種への転職、他事業所への転職、退職を再考するという3つの選択肢がありますが、退職するメリットと引き続き働くメリット、人間関係などをメモなどで可視化し、整理して考えることが重要です。
この記事も参考にして、ぜひ後悔のない選択をしてください。

介護・福祉職へ就職・転職をお考えの方は、ぜひ介護ワーカーにご相談ください!
電話で相談バナー