リスクマネジメントは介護現場に必要?事故情報の収集や実践方法などを解説!

リスクマネジメントについて悩む男性介護職
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「リスクマネジメントって介護現場で必要?」と思っている介護職がいるかもしれません。
リスクマネジメントを知り実践すれば介護現場での事故が減り災害への不安が無くなるかもしれませんよ。
そこで今回は介護現場でのリスクマネジメントについて、目的・重要性や実践方法などを解説します。
事故事例やリスクマネジメントに関する研修についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

リスクマネジメントの介護現場における目的・重要性

リスクマネジメントとは、以下の事故と災害に対する事前・事後の対応を指します。
  • 事前対応:おこるであろう事故・災害に対しての予測・予防
  • 事後対応:事故・災害がおきたあとに被害が拡大しないようするための対応
リスクマネジメントを行うことは、事故・災害の被害を少なくし、利用者様の安全やサービスの質の向上だけではなく、介護職員を守ることにもつながります
また、大規模な事故・災害がおきたときのリスクマネジメントをBCP(業務継続計画)と言い、以前から官公庁で導入が進められてきました。
そして、厚生労働省は令和6年度に、BCPを策定していない介護施設・事業所は減算となるように介護報酬を改定しました。
この改定は介護施設・事業所にBCPの策定を義務付けた制度と言えます。
介護施設・事業所の経営を維持していくうえでも、リスクマネジメントになってきたのです。

介護現場における事故事例とヒヤリハット

次に介護現場における事故事例とヒヤリハットを解説します。

介護現場でよくある事故事例

「介護現場で事故に遭遇したことのない介護職はいない」と言えるほど、いくら注意していても利用者様の事故がおきてしまいます。
介護現場での代表的な事故事例を改めて確認しましょう。
  • 浴室での転倒
  • 排泄時に便座から転落
  • 食事中の誤嚥・窒息
  • 食前・食後薬の誤薬
  • 私物の破損
上記のような事故は介護職なら誰でも経験したことがあるのではないでしょうか。
同じような事故を繰り返さないためにも、「浴室の床は滑りやすいので注意する」「薬は複数の職員で確認する」などの対応が必要です。
どのようなとき・場所で事故がおこりやりやすいかを意識しながら介護することもリスクマネジメントと言えます。

ヒヤリハットの活用が重要

前節のような介護現場での事故は一度経験しないと対策できないのでしょうか。
このような事故対策として重要なのが、ヒヤリハットの活用やハインリッヒの法則です。
ハインリッヒの法則は、330件の事故が以下のよう比率になることを示した法則です。
  • 無傷害事故:300件
  • 軽傷:29件
  • 重大な事故:1件
無傷害事故が介護現場でよく用いられるヒヤリハットであり、ヒヤリハットが積み重なると重大な事故を引きおこしてしまいます。
逆に考えればヒヤリハットの段階で対策を立てれば、重大な事故を回避できると考えられるのです。
ヒヤリハットを「利用者さんが怪我しなくてよかった」で終わらせるのではなく、「次回は利用者さんが大怪我するかもしれないからしっかり対策を立てよう」と考えることが重要になってきます。

介護現場におけるリスクマネジメントの実践方法

ここではリスクマネジメントの実践方法を解説します。
リスクマネジメントを実施することで事故の減少につながりますよ。

①事故・ヒヤリハットの情報収集

一つ目は施設・事業所内でおきた事故やヒヤリハットの情報を収集することです。
特別な作業のように感じますが、すでに提出された事故・ヒヤリハット報告書をぜひ活用してください。
ただ、事故やヒヤリハットを隠すような職場風土がある場合は、情報収集ができなくなり大きな事故につながる原因になってしまいます。
おきてしまった事故・ヒヤリハットで職員を過度に責めることをせず、再発防止へ向けた動きができる風土づくりも重要です。

②事故・ヒヤリハットの分析

二つ目は事故・ヒヤリハットの分析です。施設・事業所内ですでに導入されている分析方法があるかもしれません。
ただ、既存の分析方法を活用しても事故・ヒヤリハットが減らないようなら、分析方法の見直しも考えたほうがよいでしょう。
効果的・効率的に分析するためにも、以下のような分析方法を活用することをおすすめします。
  • 4M4E分析(4M5E分析)
  • なぜなぜ分析
  • 根本原因分析(RCA)
  • インシデントレポートKYT
  • SHEL/P-mSHELLモデル
なお、上記の分析方法によっては、次節で解説する「③対策の検討・実施」を含んでいるものもあります。
施設・事業所にあった分析方法を選んで取り入れてください。

③対策の検討・実施

三つ目は対策の検討・実施です。
検討・実施を行う際は、②の分析の結果を有効に活用しましょう。
対策の実施はその方法を職員が確認しやすいようにすると効果的です。
「可視化」や「見える化」ならどの方法を取り入れると、効果的・効率的に対策が実施できます

④リスクマネジメントの振り返り

四つ目は全体の振り返りです。「③対策の検討・実施」の対策が実施でき、効果を発揮しているか確認します。
もし、対策した事故やヒヤリハットが以前と変わらずおきるようなら、再度「②事故・ヒヤリハットの分析」を行います。
計画(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、対策・改善(Action)というPCDAサイクルを回すことが、介護のリスクマネジメントにおいても重要なのです。

事故・ヒヤリハットがおきたときの対応

前章では事故を少なくするためのリスクマネジメントを解説しました。
ここでは実際に事故がおきた場合にどのように対応するかを解説します。
この対応もリスクマネジメントの一つです。
実際に事故がおきた場合は以下のような対応をしなければなりません。
  1. 状況に応じた対応
  2. ご家族への連絡
  3. 原因調査・分析
  4. 関係機関への報告
1~4の対応を事前にマニュアル化することで、対応を留めることをせずスムーズに行えます
また、「3.原因調査・分析」については前章で解説した流れを活用し、事故の再発防止役立ててください。
「4.関係機関への報告」では指定された報告様式があるので、施設・事業所内で「3.原因調査・分析」を絡めて行う場合にも活用するとよいでしょう。
施設・事業所内で活用する際は、報告様式をカスタマイズして不足箇所を補うのも一つの方法です。

リスクマネジメントに必要な研修を実施する

リスクマネジメントにおいても研修の実施が重要です。
リスクマネジメント自体を学ぶリスクマネジメント研修は重要です。
ただ、リスクマネジメントの実施によって職員の介護などの知識・スキルの不足が判明することもあるでしょう。
そのような場合は、リスクマネジメントの一環として、介護技術研修などを実施していきます
研修によって不足を補い、事故がおきにくい施設・事業所にしていきましょう。

リスクマネジメントを実践し利用者・職員を守ろう!

リスクマネジメントの目的・重要性や実践方法、研修などを解説してきました。
リスクマネジメントが介護とは関係ないように感じている介護職員がいるかもしれませんが、とても重要な考え方です。
ぜひこの機会にリスクマネジメントを身につけてください。
そして、介護現場での実践し利用者様だけではなく介護職員も守り、安全な日々を過ごしていきましょう。
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