高齢者に骨折の危険をもたらすめまいの症状とは?

更新日:2023年04月09日

公開日:2020年04月16日

高齢者に骨折の危険をもたらすめまいの症状とは?

骨折は高齢者に重大な問題を引き起こします

要介護認定を受けた方のきっかけの10%以上が、骨折での転倒であるということをご存知ですか。高齢者が転倒した場合、うまく受け身が取れずに骨折につながることは多いです。骨粗しょう症や歩行に問題を抱えている「ロコモティブシンドローム」や歩行障害の方が多いことも、骨折が多い一因になっています。
高齢者の骨折は、長期化することも多く、足の骨折の場合は、ベッドで寝たきりの生活になることもしばしばです。長期のベッド上での入院生活は、そのまま寝たきりになるリスクを高めます。高齢者の骨折は、注意が必要です。
日常生活で、つまづいたり、滑ったりした転倒以外で、高齢者の骨折の大きな原因になるものは、「めまい」です。

めまいは現代の難病です

結論から先にお伝えしますと、めまいは原因不明の場合が非常に多いのです。いくつかの原因は、見つかっています。しかし、検査で異常は見つからなくても、めまいの症状を訴える方は多くいらっしゃいます。
いかに医学が発達したといっても、まだまだ万能ではないのです。人類は、いまだ風邪や水虫さえも根絶できていません。同じように、すべての人のめまいの原因を突き止めて、根治させることは、まだまだ難しいのです。

めまいの症状って?

めまいの症状の多くは、2つのタイプに分類されます。「ぐるぐると回る感じ」と「ふわふわとただよう感じ」です。しかし、めまいは違う形でも表れます。
体が沈むような感じ。周りの景色が上下や左右に揺れて見える。目の前が暗くなる。眠気とは違うのに頭がぼーっとする感じ。意識が遠のく感じ。体が左右に揺れる。船に乗っているような気がする。中に浮かんでいるような感じがする。
いかがでしょうか。軽くなら、日常生活で何度か体験したことがあるような感覚も多いですね。めまいを訴える方は、こんな症状が強く感じられて苦しんでいます。専門医によると、「地震かと思った」という患者からの訴えも非常に多いそうです。

めまいと立ちくらみは違います

ところで、目の前が真っ暗になるという症状は、急に立ちあがったときに体験される方も多いですね。「立ちくらみ」という表現を、一般的に使います。めまいは、立ちくらみと同じと思われている方も多いのではないでしょうか。
しかし、立ちくらみは、急に血圧が下がることで一時的に脳に血液が不足して起こる症状で、原因がはっきりとしています。急激に立ちあがったり、起き上がったりの動作をしないように気をつければ、予防することができます。完全には原因が特定できないめまいとはちがうのです。同じように低血糖での不調も、めまいと混同されます。

めまいの原因は全く分からないの?

では、めまいの原因は全く不明でしょうか。そんなことはありません。たくさんの医師が研究を重ねて下さっています。詳しいメカニズムは、専門のサイトもたくさんありますので、ここでは簡単に紹介させていただきます。
めまいの原因は、耳から、脳から、目から、首から、疾病から、そして、加齢からと言われています。それぞれの部分から、めまいを起こす仕組みは見つかってきています。
その他にも、自律神経の乱れ、体のゆがみ、首や肩のこりもめまいを起こす一因であることが、わかってきました。
例えば、空を見上げる、足元を見るなどの動きは、首の中の血管を圧迫して血流が悪くなります。脳の血流が滞ると、めまいが引き起こされます。
また、顎関節症は、耳の三半規管の近くのあごの関節が不調ですので、ここからめまいが起こることもあるそうです。
なぜ、「めまいは現代の難病である」か、お分かりになってきた方もいらっしゃるでしょう。
めまいの原因は多岐にわたっており、しかも、患者の中には複数の原因を抱えていることも考えられます。
めまいは、耳鼻科とよく言われますが、上記のような原因では、特定もできません。しかも、うつ病や薬の副作用が原因となる場合があります。
病院に行っても改善しない。薬を飲んだが、逆にひどくなった。心が沈む。めまいがさらに悪化した。そんな、負のスパイラルも十分考えられるのです。

めまいは現代の難病ですが、不治の病ではありません

医学はまだ万能ではありません。しかし、治療は確実に進歩しています。ですから、悲観することはありません。
めまいには、脳梗塞などの重大な疾患が隠れていることがあります。ですから、軽いうちに医師へ相談しましょう。
大きな原因が見つからなかった場合は、適切な治療を受けながら、症状とうまく付き合っていきましょう。まず心身をリラックスさせて、からだをやすませましょう。めまいがあった時を記録しておくと、どんな時に症状が出やすいのかを知ることができるので予防にもつながります。

※掲載情報は公開日あるいは2023年04月09日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。

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