認知症ケア指導管理士という資格をご紹介します。
認知症高齢者の介護に携わる方々のためのスキルアップ資格です。
本コラムでは、認知症ケア指導管理士の
■資格内容
■資格取得のメリット
■試験の概要
■上級資格・関連資格
■他の認知症資格との違い
について解説していきます。
認知症ケア指導管理士とは?
認知症ケア指導管理士は「一般財団法人 職業技能振興会」および「総合ケア推進協議会」が認定する民間資格です。認知症の方への適切なケアの知識・技術習得に加え、認知症ケアの指導・管理ができる人材の育成を目的としています。2010年に創設され、資格所有者は19000人を超えています。主に認知症介護に携わる介護職、医療職の方々、また介護をするご家族の方のための資格
です。 この資格で学べること
まずは認知症に対する理解を深め、そのうえで日常生活での支援、実践的なケアに関する技術を学んでいきます。基本的には公式テキストに沿って独学で進めていきます。
テキストの内容および試験の出題範囲は下記のとおりです。
・認知症高齢者の現状
・認知症の医学的理解
・認知症の心理的理解
・認知症ケアの理念と認知症ケア指導管理士の役割
・認知症ケアの実際
・日常生活支援
・認知症への薬物療法
・認知症への非薬物療法
・家族への支援
・認知症ケアにおける社会資源
資格取得のメリット
実践で生かせる知識・技術が身につく
短期間、独学で資格の取得が可能
認知症ケア指導管理士資格を取得する最大のメリットは、認知症ケアのスペシャリストとして、身に付けた知識やスキルを介護や医療の現場で生かせる
ことです。資格を取得することで給料アップやキャリアアップに直結することはありませんが、現場でのスキルアップは大いに期待できるでしょう。またスクールに通わず独学で進められるので、自身の都合に合わせて無理なく学べます。仕事や家庭と両立しながらの資格取得が可能です。費用をテキスト代と受験料のみで抑えられるのも良いところです。 試験の概要
ではここからは試験の概要、
■受験資格
■試験日時・場所・費用
■試験内容・難易度・合格率
■更新制度
について解説していきます。
◆受験資格
認知症ケア指導管理士に受験資格はありません。
資格・実務経験を問わず誰もが受験できます。
施設、病棟、学校などでの団体受験も可能です。
インターネットあるいは郵送で出願してください。
出願期間が設定されていますので、必ず期間内に申し込みましょう。
◆日程・場所・費用
■日程
年2回開催。例年7月と12月に実施されています。※2020年7月開催の第21回認知症ケア指導管理士(初級)と第8回 上級認知症ケア指導管理士(一次試験)試験は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため開催中止となりました。■会場
東京・大阪・札幌・仙台・名古屋・福岡・長崎・富山・秋田の9地域で実施。(各試験会場は、受験人数確定後に決まります。) ■費用
一般 :7,500円学生 :4,000円 (大学生・専門学校生・高校生)合格後に認定登録料として2,000円が別途必要
です。 ◆試験内容・難易度・合格率
■試験内容
試験問題は先述の「認知症ケア指導管理士試験(初級)公式テキスト」の中から出題されます。 出題科目 |
・認知症高齢者の現状
・認知症の医学的理解
・認知症の心理的理解
・認知症ケアの理念と 認知症ケア指導管理士の役割
・認知症ケアの実践
・日常生活支援
・認知症への薬物療法
・認知症への非薬物療法
・家族への支援
・認知症ケアにおける社会資源
・応用問題(時事問題など)
|
問題は60問・五肢択一のマークシート式での出題です。正解率7割が合格基準
です。(難易度で補正あり) ■難易度・合格率
資格取得キャリアカレッジの発表では、資格創設時からこれまでの累計の合格率は59.0%となっています。(2020年7月時点の受験者累計:32,682名/合格者累計:19,283名) 詳しくはこちらをご覧ください。過去の受験者情報|資格取得キャリアカレッジテキストの内容をしっかり学習して理解していなければ、合格は難しいでしょう。合否の結果は約6週間後に郵送で届きます。 ◆更新制度
認知症ケア指導管理士資格は2年に1度の更新手続き
が必要です。更新満了日の約2ヶ月前頃に案内が届きます。更新料は5,000円。試験や講習などはありません。 上級資格について
認知症ケア指導管理士のさらなるスキルアップ資格として「上級認知症ケア指導管理士」資格があります。 受験の条件として、認知症ケア指導管理士(初級)試験の合格は必須
となります。上級は初級と異なり、一次試験と二次試験があります。二次試験は一次試験合格者のみ受験できます。 マークシート形式の試験問題に加えて、認知症ケアを含めたケア全般に関する状況設定問題、ケアに関する思考を問う論述問題などが出題されます。 さらに詳しい情報は公式ページをご確認ください。上級認知症ケア指導管理士認定試験|資格取得キャリアカレッジ 他の認知症資格とどんな違いがあるの?
最後に、認知症ケアの他の資格についてもご紹介しておきましょう。 ・認知症ケア専門士・認知症介護実践者研修・認知症ライフパートナー 代表的なものを挙げてみました。これらの資格の特徴を簡単に説明します。 ◆認知症ケア専門士
資格所有者は3万人を超えており、認知症関連で最も知名度の高い資格
です。認知症介護のプロフェッショナルとして権威性もあります。受験するには認知症ケアの実務経験3年以上が必要。また筆記試験に加えて論述・面接があります。受験のハードル、難易度は認知症ケア指導管理士よりも高いといえるでしょう。<詳しくはこちら>■コラム「介護の現場で活躍できる認知症ケア専門士ってどんな資格?」◆認知症介護実践者研修
各都道府県や政令指定都市が実施する認知症介護の研修
です。 受講要件やカリキュラムの内容は、実施機関によって若干の違いがありますが、概ね「認知症介護の実務経験が2年以上あること」を受講要件として定めています。 この研修のメリットは、レベルに合わせてその先の研修も用意されていることです。認知症介護実践者研修の修了後、さらに実務経験を重ねて、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者研修とステップアップしていくことが可能
です。 <詳しくはこちら>■コラム「認知症ケアに携わるなら取るべき資格!認知症介護実践者研修ってなに?」◆認知症ライフパートナー
主に、認知症の方とのコミュニケーション技術に重きをおいた資格
です。認知症の方が好む音楽や運動、園芸などのアクティビティを活用したアクティビティ・ケアを計画・実施する技術が身につきます。3級から1級まであり段階的に学べ、3級と2級は誰でも受験可能です。 <詳しくはこちら>■コラム「認知症ライフパートナーとは?スキルアップしたい介護職におすすめ!」 まとめ
認知症ケア指導管理士資格について解説しました。
この資格で認知症への理解を深め、適切な対応やケアの方法を身につけることが、認知症高齢者の方々との信頼関係構築にもつながるでしょう。ほかの認知症資格に比べて取得しやすいのも魅力の一つです。
ぜひ資格を取得し、介護、医療の現場で役立ててください。
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