学校に通って介護福祉士になるには!養成施設の入学資格や学べること!

更新日:2023年04月13日

公開日:2021年03月23日

介護福祉士になるための養成学校について解説!!

介護・福祉業界で働きたい方や現在介護の仕事をしている方の中には、介護福祉士資格の取得を検討している方も多いかと思います。

「介護福祉士」は、介護職のプロフェッショナルであることを証明できる国家資格です。
取得方法はいくつかありますが、その中から今回は「学校に通って介護福祉士資格を取得する方法」について詳しく解説していきます。

学校に通って介護福祉士になる方法

介護福祉士資格を取得する方法のひとつに、「養成学校に通う」という方法があります。

国や都道府県が指定する養成施設で、介護福祉士の必要な知識や技術を習得します。
カリキュラムを修了し、卒業することで介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。

介護福祉士資格を取得する方法

まず大前提として、介護福祉士資格を取得する方法は「学校に通う」以外にもあります。
資格取得ルートは下記の4通りです。

介護福祉士資格取得ルート

引用:受験資格(資格取得ルート図)|公益財団法人社会福祉振興・試験センター


◆養成施設ルート
国や都道府県が指定する介護福祉士の学校・養成施設を卒業して、国家試験を受験するルート

◆実務経験ルート
3年以上の実務経験と実務者研修を修了し、国家試験を受験するルート

◆福祉系高校ルート
福祉系高校を卒業し、国家試験を受験するルート

◆経済連携協定(EPA)ルート
日本で介護福祉士の資格を得るために就労するインドネシア人とフィリピン人、ベトナム人のためのルート

<介護福祉士資格の取得方法について詳しくはコチラ>
コラム「介護職のプロを目指す!介護福祉士になるには?」

なお、どのルートで取得する場合にも国家試験に合格することは必須条件となっています。
養成施設ルートの場合も、学校に通えば介護福祉士になれるわけではなく、卒業しても国家試験に不合格なら介護福祉士資格を取得することはできませんのでご注意ください。(※)

※これまでは養成校を卒業すれば介護福祉士資格を取得できましたが、法改正により2023年以降の卒業生は試験の合格が必須となる予定です。
現在は試験の義務化が先送りされている状況で、「国家試験に不合格でも5年間は介護福祉士として働ける」という経過措置がとられています。

これから養成施設ルートで介護福祉士を目指す方は、国家試験は受けなければならないものと考えておいた方がよいでしょう。

<介護福祉士国家試験について詳しくはコチラ>
コラム「介護福祉士試験ってどんな試験?その内容を徹底調査!」

社会人から学校に通って介護福祉士になることも可能?

社会人から介護福祉士を目指す場合は実務経験ルートの方が多いかもしれませんが、養成施設ルートで取得することももちろん可能です。

その場合、最短1年(条件あり)~2年で国家試験の受験資格を得られるため、少しでも早く資格を取得したい方は学校に通って資格を取得することも選択肢のひとつではないかと思います。

ただ養成施設に通う場合は当然ですが学費がかかり、決して安くはありません。
一方、実務経験ルートなら学費などのコストをかけずに、むしろ給料をもらいながら実践で技術を身につけられるというメリットがあります。

「介護福祉士になって介護の仕事をしていく」という意思が固まっている社会人の方は、未経験から介護現場で実務経験を積んで資格を取るのが現実的ではないかと思います。

介護福祉士の学校について

介護福祉士の学校について

ではここからは介護福祉士の養成学校とはどういうところなのかをお伝えしていきます。

介護福祉士の養成学校とは、文部科学大臣・厚生労働大臣が指定する学校、もしくは都道府県知事が指定する養成施設を指します。

後述しますが、養成学校にはさまざまな種類があります。
学校によって学習期間やカリキュラム、学費、試験合格率や就職率など、それぞれに違いがあるため、自身が何を重視するのかをよく考えて選ぶ必要があります。

全国の学校数

介護福祉士の指定養成施設は全国に300校以上あります。
日本介護福祉士養成施設協会の調査では、令和元年12月時点で全国に375学科の養成課程があると発表されています。

首都圏や都市部だけでなく全国各地にあるため、比較的どの地域にお住まいでも通いやすいのではないかと思います。

全国の介護福祉士養成施設の詳細は下記サイトを参照下さい。
◆養成施設を見てみよう|公益社団法人 日本介護福祉士養成施設協会

養成学校の種類・違い

養成学校の種類と違いについて見ていきましょう。

養成学校は主に4種類あります。

4年制大学
福祉系の4年制大学です。短大や専門学校と比べて費用が高額になる場合が多いでしょう。
学習期間が4年と長いため、幅広い分野の知識・技術を身につけられるのがメリットです。

ただしカリキュラムは介護に関することだけではなく一般教養なども多いため、「介護福祉士資格を取る」という目的だけで通うには、費用や期間がもったいなく感じるかもしれません。


2年制・3年制 短期大学
短大の場合は、4年制大学と同様に一般教養の授業や実習もありますが、それらを2年(3年)の期間に詰め込んでいるため、授業、試験勉強、就活と忙しい日々を送ることになるでしょう。

4年制大学よりも実習時間が多い傾向にあります。


2年制・3年制 専門学校
大学と比較すると、専門学校の方がより介護福祉士に特化した学習ができるでしょう。
就職後、即戦力となるための現場で役立つ知識・技術を学ぶカリキュラムが多いことが特徴です。

「介護福祉士資格を取得し介護職としてキャリアを積んでいきたい」と決めている方には、専門学校が最も学びたいことを効率よく学べてよいのではないでしょうか。
一般企業への就職も見据えている場合には大学を選んだ方がよいかもしれません。

なお、学校によって費用や就職率にはばらつきがあるため、学校見学などに積極的に参加し比較検討することをおすすめします。


1年制
1年制の養成コースもあります。
これは主に保育士養成施設の卒業者が対象です。
福祉系大学や保育士養成施設の卒業者は、1年制以上の養成施設を卒業すれば介護福祉士の資格を取得できます。

夜間学校はある?通信制は?

「昼間に働きながら、夜に学びたい」という方には夜間学校に通うという選択肢もあります。
現在の仕事を辞めることなく、介護福祉士資格を取得することができます。

生徒の年齢層が幅広いことが特徴で、「若い人達と一緒に学習するのはちょっと抵抗が・・・」という方にもおすすめです。
ただし夜間コースがある学校は、全国的に見てもかなり数が少ないです。まずはお住まいの都道府県で調べてみてください。

次に通信制に関してですが、養成学校の目的には実技を修得することが含まれているため、通信制で学べる養成学校はありません
ただし、国家試験対策として学習するための通信講座はあります。

かかる学費は少なくとも150万~200万円以上

学校によって費用は異なりますが、安い場合でも100万円以上は確実にかかるでしょう。
相場としては入学金なども含めて1年目に100万円~150万円程度、2年目以降に50万円~100万円程度というところが多いでしょう。
4年制大学となると、500万円近く必要となります。

学校を選ぶ際は、行く目的や学びたいことは何かを明確にしたうえで、学校ごとにカリキュラム、就職率、学費などさまざまな情報を集め、総合的に判断することをおすすめします。

介護福祉士学校の入学方法

指定養成施設の入学資格は、高卒以上かそれに準ずる者とされています。
高卒資格がない方は、まず高等学校卒業程度認定試験などに合格する必要があります。

そして大学で学ぶ場合は大学受験が必要になります。
大学によって偏差値が異なりますのでいきたい大学に合わせて受験勉強が必要になります。

専門学校の場合は総合型選抜(AO入試)を採用しているところが多いでしょう。
総合型選抜(AO入試)とは志望理由などから意欲を判断基準にする入試で、書類選考や適正テスト、面接(面談)を設けていることが一般的です。

入学の難易度は高くありませんが、なぜ「介護福祉士を目指すのか」「どんな介護士になりたいか」など、面接で聞かれそうな質問の答えはしっかりと準備しておきましょう。

介護福祉士の養成学校で学べること

介護福祉士養成課程において必須とされているカリキュラムは下記の通りです。

- カリキュラム -
人間と社会人間の尊厳と自立 (30時間以上)

人間関係とコミュニケーション (60時間以上)

社会の理解 (60時間以上)

介護介護の基本 (180時間)

コミュニケーション技術 (60時間)

生活支援技術 (300時間)

介護過程 (150時間)

介護総合演習 (120時間)

介護実習 (450時間)

こころとからだのしくみこころとからだのしくみ (120時間)

発達と老化の理解 (60時間)

認知症の理解 (60時間)

障害の理解 (60時間)

医療的ケア医療的ケア

先述したとおり、大学の場合、上記の内容に加えて一般教養に関する授業もあります。
専門学校は実習など、現場で即戦力になれるような技術習得の授業が多いでしょう。

学習内容やカリキュラムはそれぞれの学校によって特色がありますので、ぜひ学校見学などを活用してみてください。

出典:介護福祉士養成課程 新カリキュラム 教育方法の手引き|厚生労働省

まとめ

介護福祉士の養成学校について解説しました。
時間や費用はかかりますが、専門的な知識や技術を基礎からしっかりと体系的に学べることが養成学校ルートで資格を取得するメリットです。
また同じ志を持った仲間に出会えることはかけがえのない財産になるのではないでしょうか。

本コラムが今後の進路を決めるうえで参考になれば幸いです。

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