更新日:2023年04月13日
公開日:2021年06月04日
「訪問介護に興味があるけれど、自分に向いているのか分からない」
このように思っている方はいませんか?
すでに介護職として施設で働いていても、訪問介護となると少し不安を感じる方もいるはず。そこで、訪問介護に向いてる人の特徴や訪問介護での仕事内容、そして訪問介護員(ホームヘルパー)になるにはどうしたらいいのか、について解説していきたいと思います。
訪問介護にはどのような特徴があるのかみていきましょう。
訪問介護とは、利用者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)や介護福祉士(ケアワーカー)などが直接訪問し、直接身体に触れる身体介助(食事・入浴・排泄など)や家事などの生活援助(掃除・洗濯・調理など)などをおこなう介護サービスのことです。
要支援・要介護の高齢者が自立した生活を自宅で送れるように、生活のサポートをします。
訪問介護の特徴としては、利用者1人ひとりとじっくりと向き合い、その人に合った個別ケアをすることができることです。施設介護では難しい利用者の要望などをサービスに取り入れやすくなります。
訪問介護でおこなう仕事内容は、大きく「身体介助」「生活援助」「通院時の乗降介助」の3つに分けられます。
それぞれの仕事内容をみていきましょう。
【身体介助】
身体介護は利用者の身体を直接触れておこなう介護のことです。
身体介護のサービスに含まれている具体例は以下。
●食事介助
食事中の見守りや介助
●入浴介助
入浴の際の介助、洗髪、洗浄(顔、腕、足、陰部など)のサポート
利用者の状態によって全身浴の場合と部分浴の場合がある
●清拭
入浴ができない場合に体を拭いて清潔にする
●排泄介助
トイレへの誘導、排せつの介助、オムツ交換、排泄物の後始末など
●更衣介助
衣類を着脱する際の介助
●歩行介助
利用者の歩行レベルに合わせ、歩行をサポートする
●体位変換
床ずれの予防、防止のために体位を変える
●移乗介助
ベッドから車いすなどへの移乗をサポートする
●服薬介助
服薬の確認、服薬の介助、服薬後の様子確認など
●見守り的援助
自立支援をおこなうための見守り、声掛けなど
このように、利用者の身体の状態や精神の状態に合わせたケアをおこないます。
また、定められた研修を修了している訪問介護員(ホームヘルパー)であれば「たんの吸引」をおこなうことも可能です。
【生活援助】
生活援助は、利用者が一人暮らしの場合や家族や利用者本人が何らかの理由で家事ができない場合におこなう日常生活をサポートする介護サービスのこと。
生活援助のサービスに含まれている具体例は以下。
●掃除
利用者が普段使用している場所の掃除(居室、浴室、トイレ、台所など)、ゴミ出しなど
●洗濯
利用者の衣類を洗濯することから始まり「洗濯→干す→取り込む→畳む→タンスやクローゼットに収納する」までの一連の作業をおこなう
●食事の準備
調理食材の買い物、調理、配膳、片付けなど
●買い物代行
生活必需品の買い物の代行
●薬の受け取り
薬の受け取りの代行
生活援助は「利用者が一人暮らし」「同居の家族がおこなえない」など、何かしらの理由がある利用者宅へ訪問し、日常生活の家事を代わりにおこないます。
【通院時の乗降介助】
通院時の乗降介助は、いわゆる「介護保険タクシー」とばれるものです。
利用対象者は、要介護1~5の認定を受けている方。介護職員初任者研修以上の資格を持っていれば、運転手として通院などの乗車や降車の介助サービスをすることができます。
介護保険タクシーは、車いすやストレッチャーなどに乗ったまま乗車できる専用の車両を使用します。
介護タクシーを利用できる例は以下です。
●通院
●預貯金の引き出し
●選挙や役所への申請、届出など
●利用者本人が行かなければならない買い物(眼鏡や補聴器など)
訪問介護の目的は「利用者が自立した介護を送れるようにサポートする」ということであるため、訪問介護員(ホームヘルパー)が身体介護や生活支援などを全ておこなうという訳ではありません。施設介護と同じように、利用者の方ができないことをサポートします。
訪問介護に向いてる人とは、どのような性格でどのような能力を持っている人なのか見ていきましょう。
訪問介護に向いてる人の性格や持っておきたい能力は以下です。
●一人ひとりとしっかり向き合うことができる人
訪問介護は利用者に1人を対象としてサービスを提供します。そのため、利用者一人ひとりとしっかりと向き合いたいという方に向いています。
●些細なことにも気づくことができる人
利用者宅に最も多く訪問し長い時間を利用者と過ごすのは訪問介護員(ホームヘルパー)です。そのため、利用者の些細な変化に気付くこと、そして適切な対応をすることが求められます。
●臨機応変に対応できる人
訪問介護の場合、とくに臨機応変に対応できる人が向いているでしょう。
様々なサービスを一人でおこなうため、効率の良さを重視してしまいがちですが、その時その時で臨機応変に対応しながらサービスを提供していきます。
●責任感がある人
サービスの提供だけでなく、自身で判断し行動したこと全てに対して責任を持たなければなりません。施設でも責任感を持つことは同じですが、訪問介護の場合はより責任感を強く持っておく必要があります。
●判断力がある人
訪問介護は、基本的に1人で利用者宅へ訪問し、サービスをおこないます。
そのため、何かトラブルや緊急事態が起こった場合などは、冷静に判断して行動しなければなりません。
反対に、訪問介護に向いていない人とはどのような性格なのでしょうか?
ホームヘルパーに向いていない人の性格は以下です。
●効率の良さだけを重視する人
仕事をするうえで、効率良く仕事をこなすことは大切なことですが、介護の仕事では効率だけを求めてしまうのはよくありません。介護の仕事は、利用者のペースに合わせて動くことも多く、自分の思うように仕事が進まないことも多々あります。
「時間内にサービスを提供すること」は訪問介護において必要不可欠なことですが、利用者の気持ちを尊重することが最も大切です。
●責任感がない
訪問介護は1人で利用者宅へ行きサービスを提供します。そのため、自分が提供したサービスや判断したこと、行動すべてに責任を持つ必要があります。
施設での介護も同じですが、仕事が適当な人やなんでも人任せにするなど、責任感がない人は利用者や利用者家族だけでなく、周りにいるスタッフなど多くの方々に迷惑をかけることになるため介護に向いている性格とは言えません。
●大雑把な人
介護の仕事は、思いやりを持って丁寧に進めていかなければなりません。
訪問介護はサービス提供の時間が決められているため、手際よく仕事を進めていく必要があります。しかし、いくら短時間でサービスを終えれたとしても、雑な作業では利用者や家族、他のヘルパー達に迷惑をかけることになります。
感染予防の観点からも、清掃や消毒など清潔さが必要となるため、丁寧な仕事ができる人が求められます。
訪問介護員(ホームヘルパー)は、介護施設の勤務とは異なり「資格」が必要となります。
どのような資格があれば訪問介護員(ホームヘルパー)として働けるのでしょうか?
訪問介護員(ホームヘルパー)として働くためには、
・介護職員初任者研修
・介護福祉士実務者研修
・介護福祉士
のいずれか1つ以上の資格が必要です。
それぞれの取得方法について見ていきましょう。
介護職員初任者研修は「介護保険法施行規則」の改正によって、以前あった「ホームヘルパー2級」から名称が変更し新たにスタートした研修制度です。
介護職員初任者研修の研修内容は、旧ホームヘルパー2級相当となっており、介護職員として働くうえで必要な基礎知識、技術を学べます。
介護のスタートラインともいえる、民間資格です。
【受験資格】
学歴などの受験資格はなく、すべての方が対象
【受講方法】
民間団体、公営法人が運営するカリキュラム全課程(130時間)の講義受講し修了する。
修了後に行われる筆記試験を受け、合格することで修了者として認定されます。
◎介護職員初任者研修について詳しく知りたい方は以下のコラムもご覧ください。
「どんな資格?介護職員初任者研修を徹底調査!」
介護福祉士実務者研修は、介護についてより詳しく、幅広く知識や技術を身につけられる研修制度です。研修内容としては、以前のホームヘルパー1級や介護職員基礎研修の資格に加え、さらに1歩進んだ医療ケアについても学ぶことができます。
また介護福祉士実務者研修は、国家資格である介護福祉士の受験資格の一つとなっている研修です。介護福祉士の養成校卒業と同等レベルの知識、技術を習得することが可能です。
【受験資格】
学歴などの受験資格はなく、すべての方が対象
【受講方法】
介護福祉士実務者研修の講座があるスクールや通信講座にて、カリキュラム全課程(450時間)の講義を受講し修了することで、修了者として認定されます。
カリキュラム修了後の試験はありません。しかし、受講するスクールによっては修了試験や課題提出などをおこなっている場合もあります。
◎介護福祉士実務者研修について詳しく知りたい方は以下のコラムもご覧ください。
「介護福祉士実務者研修ってどんな資格?徹底調査しました!」
介護福祉士は、さまざまある介護資格のなかで最上位の資格で、唯一の国家資格となります。
介護福祉士は、介護福祉士国家試験を受験し合格者のみが介護福祉士として認定されます。
専門的な知識、技術を持っていることが必要とされるため、簡単に取得できる資格ではありません。
介護福祉士は、豊富な知識を活かして介護職員への指導や助言、他関係者との連携、環境整備など、多くの役割を担います。資格を取得していれば、社会的な信頼も厚くなるためキャリアアップを目指す方が多く受験しています。
【受験資格】
3つあるルートのうち、いずれかに該当していること。
ルート1:実務経験(3年以上)+実務者研修修了
ルート2:福祉系高校の卒業
ルート3:養成施設の卒業
【受験方法】
試験の開催:年1回のみ
例年「筆記試験:1月」「実技試験:3月」に開催している。
受験の申し込み期間:前年の8月~9月頃
介護福祉士資格の取得に関する詳細については、以下の公式サイトにてご確認ください。
「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」
◎介護福祉士について詳しく知りたい方は以下のコラムもご覧ください。
「介護職のプロを目指す!介護福祉士になるには?」
訪問介護の目的は「利用者が自立した介護を送れるようにサポートする」ということです。
利用者に対して、思いやりを持って業務をおこなえる方であれば、訪問介護員(ホームヘルパー)として向いている人といえるでしょう。
訪問介護は、1人で訪問しサービスを提供しますが、経験の浅い方が最初から1人で訪問するということは無く、必ず慣れるまで先輩と一緒に訪問します。
しかし、介護の仕事を始めたばかりの方やこれから介護職を目指す方で、1人で介護をおこなうことに不安を感じる方は、施設などで知識や技術を身につけてから訪問介護に転職するのもいいかもしれません。
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※掲載情報は公開日あるいは2023年04月13日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。