地域包括支援センターとは?役割や仕事内容、課題などわかりやすく解説します

更新日:2021年09月01日

公開日:2021年07月26日

地域包括支援センターってどんな施設?

全国に5000か所以上ある地域包括支援センター。
社会福祉士やケアマネージャーの求人でよく見かけるものの、具体的にどんな仕事をするんだろう?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

今回は地域包括支援センターとはどのような施設なのかを解説します。
役割や必要な職種、業務内容などをわかりやすくお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは、地域に暮らす高齢者の介護・医療・福祉・健康などをサポートする総合相談窓口で、全国に5000カ所以上(令和2年4月末時点)設置されています。

設置主体は市町村の自治体ですが、直営のセンターは少なく、全体の7割程度は市町村から委託を受けた法人(社会福祉法人や社会福祉協議会など)が管理・運営をしています。

地域包括支援センターでは地域の高齢者やそのご家族が住み慣れた街で安心して暮らすことができるように、医療や介護の相談に乗ったり、福祉サービスの紹介や関係機関との連携など、さまざまなサポートを行っています。

法律上の定義

介護保険法において、地域包括支援センターは次のように定義されています。

“地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上および福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設とする”

介護保険法第115条の46より抜粋

地域に住む高齢者に対して、包括的および継続的な支援を行う「地域包括ケアシステム」を実現するための核となる施設といえるでしょう。


地域包括ケアシステムとは
高齢者が重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで送ることができるよう、地域一体で支援する体制のこと。

<詳しくはこちら>
コラム「地域包括ケアシステムとはどんな制度?目的や構成要素を簡単に解説します」

役割

地域包括支援センターは、先述した通り地域包括ケアシステムを実現するための施設として設置されています。システム構築において、その中心を担うことが地域包括センターの役割です。

確かな知識と技術を持つ専門職員らがチームとして連携しながら各種サービスをコーディネートし、地域住民をサポートします。

設置区域

地域包括支援センターの設置区域は各市町村の判断に委ねられています。
各地域によって人口規模や業務量、財源などに差があるためです。

設置の目安は中学校区域(人口2~3万人程度の規模)に1カ所とされています。

利用対象者

利用対象となるのは、センターが所在する地域に住んでいる65歳以上の高齢者やその関係者(ご家族など)です。
要介護度にかかわらず、65歳以上の高齢者であれば全員が利用できます。

地域包括支援センターの事業内容

地域包括支援センターの事業内容

地域包括支援センターの必須事業は大きく2つです。

◆包括的支援事業
◆介護予防支援事業(介護予防ケアマネジメント)


加えて、市町村がセンターに委託できる「地域支援事業(任意事業)」「厚生労働省が定める事業」
があります。
それぞれの事業の具体的な内容を見ていきましょう。

包括的支援事業

包括的支援事業とは地域のケアマネジメントを総合的に行うために、次の4つを包括的に支援していくというものです。

・総合相談
・包括的・継続的ケアマネジメント
・権利擁護

総合相談

地域包括センターは、地域に暮らす高齢者のための医療・介護・福祉の総合相談窓口として機能します。

高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすためにはどういった支援が必要か、相談者一人ひとりの状況を把握した上で、必要なサービスや制度を紹介したり、関係機関を利用できるようにつなぐといった支援を行うものです。

包括的・継続的ケアマネジメント

高齢者が住み慣れた場所で安心して暮らせるように、また個々の高齢者の状況・変化に応じた包括的かつ継続的なケアマネジメントを行えるように、地域のネットワーク基盤、協力体制を整えます。

具体的には、個々のケアマネージャーのサポート、地域ケア会議の開催などが挙げられます。

権利擁護

権利侵害を受けている、または受ける可能性が高い高齢者の尊厳を守るために、権利侵害の予防や対応を専門的に行います。

具体的には、虐待被害の防止・対応、消費者被害や詐欺の防止・対応、成年後見制度の活用支援などを行います。

以上の3点が包括的支援事業にあたります。

指定介護予防支援 (介護予防ケアマネジメント)

もう一つの必須事業は指定介護予防支援(介護予防ケアマネジメント)です。

要支援者やこのまま何もしなければ介護が必要になるおそれの高い65歳以上の高齢者らに対して、要介護状態になることを予防するための支援を行います。

具体的には、介護保険の介護予防サービスやその他の必要な福祉サービスを適切に受けられるよう、予防給付に関するケアマネジメント業務を行うというものです。

対象者の心身の状況や置かれている環境などを把握し、アセスメント、課題分析を行ったうえで介護予防ケアプランを作成します。
また本人の意思に基づき、介護予防などの適切な事業を受けられるように包括的かつ効率的に実施されるように支援します。

<詳しくはこちら> 
コラム「『介護予防ケアマネジメント』の基本を知っておこう!」 

地域支援事業の任意事業

市町村が委託する地域支援事業は主に次の3つです。

1. 介護給付等に要する費用の適正化のための事業
2. 介護方法の指導や介護者の支援のために必要な事業
3. その他、介護保険事業の運営の安定化や自立支援のために必要な事業

(介護保険法 第115条の44 第2項より)

厚生労働省が定める事業

厚生労働省が定める事業は主に次の4つです。

1. 二次予防事業の対象者把握
2. 介護予防の普及啓発
3. 地域介護予防活動支援
4. 二次予防事業の評価および一次予防事業の評価(一部)

(介護保険法 第115条の45 第1項より)

地域包括支援センターに必要な職種

地域包括支援センターに必要な職種

地域包括ケアシステムの中核機関としてしっかりと機能するために、センターでは次のような人員基準が義務付けられています。

■包括的支援事業に係る人員基準
65歳以上の高齢者3000人~6000人ごとに、以下の職種を最低限、各1名配置
・社会福祉士
・保健師
・主任介護支援専門員
(準ずる者を含む)



■介護予防支援の人員基準
次に掲げる職種のうちから1名以上の必要な数を配置
(※下記のいずれかの資格を有すること)
・保健師
・介護支援専門員
・社会福祉士
・経験のある看護師
・3年以上経験の社会福祉主事


地域包括支援センターは介護予防支援事業所として指定を受けているため、包括的支援事業に必要な3職種だけでなく、介護予防支援の人員基準も満たしている必要があります。

社会福祉士

社会福祉士は介護や福祉サービスに関する相談に乗り、サポートするのが主業務です。
主に「総合相談」「権利擁護」の部分になります。

高齢者の状況に応じて適切な行政サービスや病院、施設、機関などを紹介、調整します。
保健師や主任ケアマネージャーと連携しながら業務を進めていかなければなりません。

具体的には
・介護保険の相談
・権利擁護
・成年後見制度の利用支援
・介護予防プランの作成
・生活習慣改善のアドバイス
・電話による相談対応
・家庭訪問
などの業務があります。

保健師

保健師は主に医療的な相談に乗りサポートするのが主業務です。
特に「介護予防マネジメント」の中心を担います。

必要に応じて医療機関・サービスの紹介、病院や保健所、薬局など関係各所への連絡・調整などを行うなど、医療知識が必要な場面で活躍します。

さらに、
・独居高齢者の家庭訪問
・介護予防の促進
・健康づくり教室などの企画
・体調管理の相談
・ケアプランの作成
など業務は多岐に渡ります。

主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)

主任介護支援専門員は「包括的・継続的マネジメント」を推進します。
つまり、高齢者の個々の状況に応じて、地域のサービス・社会資源を活用しながら、適切な支援を提供することです。

また、地域で働く介護支援専門員(ケアマネージャー)のサポートやアドバイスや地域ケア会議の開催なども主任介護支援専門員の重要な仕事です。

地域包括支援センターの職員に求められること

地域包括支援センターで働く職員は、地域包括ケアを実現するために次の4つの視点を持たなければなりません。

1|総合性
高齢者の多様な相談を総合的に受け止め、尊厳ある生活を継続するために必要な支援につなぐこと。

2|包括性
介護保険サービスだけでなく、医療・福祉サービスやボランティア活動など様々な社会資源を活用しながら支援すること。

3|継続性
高齢者の心身の状態変化に臨機応変に対応しながら、できる限り今まで通りの生活を続けられるように適切なサービスを継続的に提供すること。

4|予防性
地域の現状や未来予測を把握し、将来の課題を見据えた予防的対応をとること。

以上の4つの視点を持つことが求められます。

地域包括支援センターの課題

日本全国、多くの地域に設置されている地域包括支援センターですが、地域包括ケアシステムにおける中核機関として全てのセンターがうまく機能できているわけではありません。

地域によって高齢者数や財源、医療・介護人材の充足度はさまざまであるため、その地域にあった独自のシステム構築が求められます

また職員一人ひとりの業務量が多いことや、関係各所との連携、ネットワーク構築の難しさなども課題となっています。

地域包括ケアの歴史はまだ比較的浅く、システム構築には時間がかかります。
地域ごとに課題は異なり、それにともない、地域包括支援センターのあり方や職員の業務内容も変化していくことになるでしょう。

まとめ

地域包括支援センターを解説しました。
これからの高齢者医療・介護において欠かせない地域包括ケアシステムの中核機関として重要な役割を担います。

地域の高齢者の様々な困りごとに対応できる専門知識と経験を持つスペシャリストが求められる職場です。
スキルアップ、キャリアアップを目指したい介護支援専門員、社会福祉士の方にはとてもおすすめの職場といえるのではないでしょうか。
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