更新日:2023年05月31日
公開日:2023年05月31日
介護美容が注目されています。
少しずつですが介護美容のスキル・知識を学ぶスクールや、美容に特化したデイサービスが増えてきています。
ただ、「介護美容について学びたい」「介護美容の仕事がしたい」と思っても、情報があまりないのが現状です。
そこで今回は、介護美容の概要や知識・スキルが学べるスクール、求人状況などを解説します。
まずは、介護美容の効果や分野、かかわれる仕事について解説します。
介護美容は高齢者にとって必要なケアです。
人は年齢や住んでいる場所に関係なく整容をいつも行っています。特に美容は女性にとって必要不可欠と言えます。
そして、高齢になっても、たとえ介護施設に入居していようとも、女性が「いつまでも綺麗でいたい」と思うことは当然なのです。
介護美容により綺麗になることで、高齢女性であっても笑顔が絶えない健康的な毎日を過ごせます。
実際にいくつかの介護施設で介護美容が取り入れられています。
介護美容は、女性がいつまでも抱き続けている美への思いに応えるケアと言えるでしょう。
介護美容は、一般の美容と同じように様々な分野があります。
例えば、ヘアケアやメイク、ネイルケア、ハンドケア、リフレクソロジーなどです。
介護美容であるからと言って、サービス内容が異なっているわけではありません。
ただ、一般の美容と異なる点としては、高齢者の心身の状態に配慮してサービスを提供するということです。
高齢者によっては認知症や終末期の方がいるため、特有のコミュニケーションスキルが求められます。
介護美容の分野で活躍したい方は、ぜひ高齢者に対するコミュニケーションスキルを身につけてください。
介護美容は、美容師が行うヘアケアと、セラピストが行うメイク・ネイルケアなどに大きく分かれます。
両者の違いは以下のとおりです。
●美容師:外出が難しい高齢者のもとへ訪問しヘアケアを行う。美容師の資格が必要。臥位の状態でのヘアケアもある
●セラピスト:メイク・ネイルケア・エステなどの美容全般を行う知識・スキルが求められる
両者の共通点としては、介護施設や個人宅へ訪問してサービスを提供する点です。
なお、あまり多くはありませんが、介護美容に特化した介護施設のスタッフとして知識やスキルを活かす方法もあります。
介護美容を学べるスクールとして、介護美容研究所と日本介護美容セラピスト協会があります。
ここでは両スクールの講座を紹介します。
介護美容研究所では、訪問美容コースとケアビューティーコースの講座で介護美容が学べます。
学習期間は、訪問美容コースは約6ヵ月、ケアビューティーコースは専攻によって3ヵ月・6ヵ月・1年に分かれています。
二つのコースの内容は以下のとおりです。
対象者 | 内容 | |
---|---|---|
訪問美容コース | 美容師・理容師 | ベッド上でのカットスキルや施設・居宅での施術などが学べる。介護職員初任者研修が修了できる |
ケアビューティーコース | 介護士・看護師・美容に興味のある方 | 高齢者向けのメイクセラピー・ネイル・タッチケアなどが学べる |
校舎も東京都渋谷区と大阪府大阪市、福岡県福岡市、愛知県名古屋市にあるため、通学しやすい環境が整っています。
参照:介護美容研究所 公式サイト
介護美容研究所で学ぶメリットは、受講生だけではなく卒業生へのサポートが手厚いことです。
受講中は卒業後を見越したボランティア実習の案内や、進路に向けた個別カウンセリングなどを実施しています。
さらに卒業後も、情報提供や技術講座などを実施し卒業生をサポートしています。
日本介護美容セラピスト協会は、ビューティタッチセラピーという介護美容の概念を構築し、ビューティタッチセラピストを養成しています。
同協会のビューティタッチセラピスト認定基本講座は、6日間(36時間)のコースで内容は以下のとおりです。
受講時間 | 内容 | |
---|---|---|
ハンドセラピー講座 | 6時間(1日間) | 高齢者の皮膚や手の構造を学び、指先から肘までのハンドセラピーのトレーニングを実施 |
フェイシャルセラピー講座 | 12時間(2日間) | クレンジング・スキンケアなどのフェイシャルセラピーのトレーニングを実施 |
メーキャップセラピー講座 | 6時間(1日間) | メーキャップスキル獲得のトレーニングを実施 |
総合講座 | 6時間(1日間) | 上記コースのトレーニング実施と高齢者向け美容レッスンの開催方法を学習 |
介護基礎講座 | 6時間(1日間) | 高齢者の心理・病気や、福祉用具の使用方法などの基礎知識を学習 |
上記のように6日間で総合的に学べる内容になっています。
参照:日本介護美容セラピスト協会 公式サイト
日本介護美容セラピスト協会は、ビューティタッチセラピストの養成だけではなく、施設支援や地域づくりを考えています。
介護施設・病院などの支援や自治体・社会福祉協議会などと協力した地域づくりに積極的です。
同協会の活動は以下の二つの方法で行われています。
● 同協会認定セラピストの派遣
● 施設・社協スタッフなどをセラピストとして育成
介護美容の考えが施設や地域に広まれば、介護美容を学んだ方の活躍の場が広がっていくでしょう。
ここまで、介護美容の効果や知識・スキルが学べるスクールなどについて解説してきました。
最後は、介護美容関係者の求人状況や、美容に特化した介護施設の事例として「美スマイル」について解説します。
介護美容の求人は今後増えていくと予想できます。
介護施設での介護美容専門スタッフの求人は、現状では見つかりませんでした。
検索サイトで「介護美容 求人」というキーワードで検索すると、訪問美容サービス会社からの美容師の求人が多く見つかります。
ただ、キーワードを替えて「美容 デイサービス」で検索すると、数は少ないのですが介護美容に力を入れているデイサービスが見つかります。
介護施設も魅力的なサービスを提供して利用者様を確保したいはずです。
デイサービスの他にも、今後は高級有料老人ホームが介護美容を利用者様に提供するということも十分予想できます。
介護美容の知識・スキルを身につけて介護業界に売り込んでいきましょう。
株式会社サンスマイルが運営する「美スマイル」は、成城店と町田店がある介護美容専門のデイサービスです。
同デイサービスは、女性の美意識への尊重が健康につながるとの考えのもとで事業運営をしています。
特徴は、フェイシャルエステやネイルケア、リフレクソロジーなどの、複数の介護美容を行っていることです。
また、機能訓練・予防として、高齢者向けの整体やヨガ、ストレッチなども行っています。
介護美容の知識やスキルを活かせる介護事業所と言えるでしょう。
参照:デイサービス「美スマイル」 公式サイト
介護美容は、女性が年齢を重ねても笑顔で健康的に過ごすために必要なケアです。
女性が綺麗でいたいという思いは、高齢者になっても変わりません。
高齢者人口の増加を考えると、介護美容を行う介護美容師やセラピストが今後活躍していくでしょう。
介護美容に特化したデイサービスの数は現時点では少ないのですが、今後増えていくことが予想できます。
※掲載情報は公開日あるいは2023年05月31日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。