更新日:2019年11月28日
公開日:2019年10月09日
認知症介護実践リーダー研修とは、認知症介護実践者研修で修得した知識や技術をさらに深め、チームで効果的に認知症介護を進めていける指導者を育成することを目的としてつくられました。
認知症介護実践リーダー研修は、「認知症介護実践者研修」を修了した方が認知症介護において指導者としての能力を養うために受講する研修です。さらに、認知症介護実践リーダー研修を修了した方は、介護保険施設において介護の質の改善について指導する能力が身につく「認知症介護指導者研修」を受講することができます。
専門性の高い知識と、効率よく介護を進めていける能力を修得することができる認知症介護実践リーダー研修。では、認知症介護実践リーダー研修の資格を取得することで、どのようなメリットが得られるのかをみていきましょう。
認知症介護実践リーダー研修は厚生労働省が指定する研修であり、認知症対応型施設では事業内容によって、研修修了者の配置が義務づけられているところがあります。
また、配置の義務がないところでも研修修了者を施設が雇うことで、「認知症加算」を取れるというメリットが施設側にあるため、認知症介護実践リーダー研修の資格を取得していれば就職・転職に有利に働くといえるでしょう。
認知症関連資格である認知症介護実践リーダー研修は、前述したとおり「認知症介護実践者研修」を修了しなければ受講することができません。認知症介護実践リーダー研修を受けることによって、知識や技術が得られるだけでなく、指導者という立場において必要とされるチームマネジメント能力を養うことができます。
さらに、「認知症介護指導者研修」の資格取得を目指している方は、認知症介護実践リーダー研修を修了することが必須条件となっています。
これから介護施設で指導者として仕事をしたいと考えている方は、取っておきたい資格といえるでしょう。
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認知症介護実践リーダー研修の資格を取得するためには、各都道府県の指定する事業所が実施している研修を受講し、全課程を修了する必要があります。
ここからは、認知症介護実践リーダー研修の受講資格や研修のカリキュラムについてご紹介します。
認知症介護実践リーダー研修を受講できるのは、「介護業務に5年以上携わり実務経験を積んでいる者で、認知症実践者研修を修了してから1年以上経っている者」という条件があります。
また、チームリーダーやチームリーダー補佐などの役職についている方が、基本的に研修受講対象者となります。ただし、役職についていなくても認知症支援の向上について役割を担う方や意欲のある方であれば、例外的に受講が可能になる場合もあります。例外に当てはまる可能性がある場合は、各都道府県に一度問い合わせて詳しい状況を確認しておきましょう。
認知症介護実践リーダー研修は、前述したとおり各都道府県の指定や委託を受けた事業所が実施しています。そのため、受講申込の時期や研修スケジュールは地域によって違いがあり統一されていません。
受講料に関しては、無料で研修を受講できる場合があれば、5万円以上の費用がかかる場合もあり全国的にばらつきがあります。申込の方法もそれぞれ違うため、各都道府県のホームページを確認し情報収集をしておきましょう。
また、研修は受講定員が定められており、50名ほどの場合は応募者が定員を超えることがあります。その場合は、抽選で受講者を決めるところもあり、研修を受けられない方も出てきます。
認知症介護実践リーダー研修のカリキュラムは、講義・演習、他施設実習、自施設実習の3つで構成されています。
講義・演習は8~10日間程度、他施設実習は複数の施設の中から1ヶ所実習先を選び3~5日程度実習を行います。そして、自施設実習では4週間程度の期間で自身が設定した課題に取り組んでいきます。
講義・演習は1ヶ月に3~4回のペースで行われるところが多いため、研修の全課程を修了するには3ヶ月程度かかる計算になります。
認知症介護実践リーダー研修は、申込時期や研修スケジュールなどは地域によって異なりますが、カリキュラムと標準的な研修時間数は決められています。
ただし、カリキュラムも地域の実情によって時間数を増減させることが可能となっているため、研修期間に地域の差が出てきます。講義・演習、他施設実習、自施設実習を修了した方に修了証書が交付されます。
認知症介護実践リーダー研修の学習科目や内容、研修時間数については以下の表をご覧ください。(※)
科目 | 内容 | 時間数 | |
---|---|---|---|
講義 + 演習 | 1. 認知症介護の理念 | 研修のねらい | 1時間 |
生活支援のための認知症介護のあり方 | 2時間 | ||
介護現場の介護理念の構築 | 3時間 | ||
介護現場の認知症介護のあり方に関するアセスメント | 3時間 | ||
研修参加中の自己課題の設定 | 1時間 | ||
2. 認知症介護のための組織論 | 実践リーダーの役割と視点 | 2時間 | |
サービス展開のための リスクマネジメント | 3時間 | ||
高齢者支援のための家族支援の方策 | 3時間 | ||
介護現場の環境を整える方策 | 3時間 | ||
地域資源の活用と展開 | 3時間 | ||
3. 人材育成のための技法 | 人材育成の考え方 | 1.5時間 | |
効果的な ケースカンファレンスの持ち方 | 4時間 | ||
スーパービジョンと コーチング | 5時間 | ||
人材育成の企画立案と 伝達・表現技法 | 3時間 | ||
事例演習(1) | 3時間 | ||
事例演習(2) | 3時間 | ||
4. チームケアのための事例演習 | 事例演習展開のための講義 | 1.5時間 | |
事例演習(1) | 5時間 | ||
事例演習(2) | 5時間 | ||
実習 | 実習課題設定 | 2時間 | |
実習(1) : 外部実習 | 3日以上 | ||
実習(2) : 職場実習 | 4週間 | ||
実習結果報告を通してのまとめ | 1日 |
(※) 厚生労働省 認知症介護実践者等養成事業の円滑な運営について
認知症介護実践リーダー研修は、研修の最後に学習内容の確認のための試験などがないため、研修の全課程を修了すれば資格を取得できます。ただし、地域によっては研修受講申込時に課題レポートの提出を求められる場合があります。
認知症に関する知識があり、指導者として認知症介護を進めていける認知症介護実践リーダー研修の資格取得者は、認知症を患っている高齢者が増加している現代において、介護分野全体で必要とされています。認知症実践者研修を修了している方は、さらにチームマネジメント能力を身につけるためにも、認知症介護実践リーダー研修の資格取得をおすすめします。キャリアアップを目標としている方や認知症介護の知識を深めたいと考えている方は、認知症介護実践リーダー研修の資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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