更新日:2020年06月13日
公開日:2019年10月10日
主任介護支援専門員とは、介護支援専門員の上位資格であり地域包括支援センターに配置が義務づけられている介護相談のスペシャリストのことをいいます。主任介護支援専門員は、十分な知識と実務経験のある介護支援専門員が「主任介護支援専門員研修」を受講することで資格を取得することができます。
主任介護支援専門員は、2006年に誕生した比較的新しい資格ですが、資格取得者は介護現場で必要不可欠な存在となっています。
主任介護支援専門員は、介護支援専門員をまとめる役割を担っています。新人介護支援専門員の育成を行ったり、介護サービス計画書を作成する際のアドバイスや指導を行ったり、事例検討会などの会議を開いたりして介護支援専門員のスキルアップを図っています。
また、介護支援専門員の指導を行うことも重要な仕事ですが、地域にある課題を発見しながら包括ケアシステムを構築することも、主任介護支援専門員には求められています。
主任介護支援専門員の仕事を行うには、介護支援専門員より広い視野と実務経験、豊富な知識が必要になってきます。
介護支援専門員より知識と経験の豊富な主任介護支援専門員の需要は、高まっている現状にあります。
主任介護支援専門員は、地域包括支援センターに配置が義務づけられていると述べましたが、介護関係のあらゆる職場において主任介護支援専門員は必要とされています。
他の職場の例を挙げると、居宅介護支援事業所、介護老人福祉施設、介護療養型医療施設など活躍できる職場は豊富にあります。
では、ここからは介護相談のエキスパートである主任介護支援専門員の資格を取得するメリットについて、詳しくみていきましょう。
主任介護支援専門員の資格を取得していれば、実務経験が豊富で技術もある人と評価されます。
また、専門性の高い知識を持つ介護支援専門員が、必要とされている現代において主任介護支援専門員は貴重な存在です。よって、主任介護支援専門員はあらゆる職場で必要とされており、転職をする際には多くの選択肢の中から理想の職場を探すことができるでしょう。
介護の資格の中には、難易度の高い国家試験を受けなければならない場合があります。
しかし、主任介護支援専門員になるには、ある程度の実務経験が必要にはなりますが、難しい試験などはなく主任介護支援専門員研修を修了するだけで、資格を取得することができます。よって、介護資格の中では取得しやすい資格といえるでしょう。
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主任介護支援専門員の資格を取得するには、各都道府県によって実施されている主任介護支援専門員研修を受講し、全課程を修了しなければなりません。ここからは、主任介護支援専門員の資格取得までの流れについて解説していきます。
主任介護支援専門員研修を受講するには、以下の4つの受験資格のうちいずれかを満たす必要があります。(※1)
専任の介護支援専門員として5年以上従事している者
「ケアマネジメントリーダー活動等支援事業の実施及び推進について」に基づくケアマネジメントリーダー養成研修を修了した者または日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネージャーであって、専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して3年以上である者
主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者
介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当と認める者
以上4つの受験資格がありますが、都道府県によってはこれらに加えて受験資格を別に規定しているところもあるため、あらかじめ確認が必要になります。
主任介護支援専門員研修の申込受付期間や、研修の実施日などについては地域によって日程が異なるため、詳しくは各都道府県のホームページをご覧ください。研修の実施日は都道府県によって違いますが、年2回に分けて研修を行っているところが多いようです。
受験料については、大阪府では60,000円、福岡県では30,000円とこちらも地域によって大きな差があるため、よく確認しておきましょう。
主任介護支援専門員研修は、12日間ほどで行われ70時間以上のカリキュラムを修了することで主任介護支援専門員の資格を取得することができます。また、研修は12日連続で行われるのではなく、1週間に1回ずつ行われ3ヶ月ほどで全課程を修了するという日程を組んでいるところが多いようです。
主任介護支援専門員研修で学習する内容や学習時間数については、以下のとおりになります。(※1)
科目 | 時間数 |
---|---|
主任介護支援専門員の役割と視点 | 講義5時間 |
ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援 | 講義2時間 |
ターミナルケア | 講義3時間 |
人材育成および業務管理 | 講義3時間 |
運営管理におけるリスクマネジメント | 講義3時間 |
地域援助技術 | 講義・演習6時間 |
ケアマネジメントに必要な医療との連携および多職種協働の実現 | 講義・演習6時間 |
対人援助者監督指導 | 講義・演習18時間 |
個別事例を通じた介護支援専門員に対する指導・支援の展開 | 講義・演習24時間 |
主任介護支援専門員研修合計時間数 | 70時間 |
2016年から主任介護支援専門員の資格に有効期間が定められ、資格を継続するには5年ごとに主任介護支援専門員更新研修の受講が必要になりました。更新研修は、9日間ほどで行われ46時間以上のカリキュラムを修了することで、資格の更新をすることができます。詳しい日程や受講料に関しては、各都道府県のホームページをご覧ください。
主任介護支援専門員更新研修で学習する内容や学習時間数については、以下のとおりになります。(※2)
科目 | 時間数 |
---|---|
介護保険制度および地域包括ケアシステムの動向 | 講義4時間 |
・主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導および支援の実践 ・リハビリテーションおよび福祉用具の活用に関する事例 | 講義・演習6時間 |
看取りなどにおける看護サービスの活用に関する事例 | 講義・演習6時間 |
認知症に関する事例 | 講義・演習6時間 |
入退院時などにおける医療との連携に関する事例 | 講義・演習6時間 |
家族への支援の視点が必要な事例 | 講義・演習6時間 |
社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例 | 講義・演習6時間 |
状態に応じた多様なサービスの活用に関する事例 | 講義・演習6時間 |
主任介護支援専門員更新研修合計時間数 | 46時間 |
(※2) 厚生労働省 主任介護支援専門員更新研修ガイドライン
主任介護支援専門員研修は、全カリキュラムを修了することで資格を取得できます。前述したとおり、基本的に修了試験などもないため、取得しやすい資格といえるでしょう。
ただし、研修受講者の定員は決まっており、定員を超える場合は抽選を行ったり、先着順となったりして研修を受けられない場合があります。
介護分野で働いていくと考えると介護支援専門員の資格取得を目指す人は多いでしょう。しかし、上位資格である主任介護支援専門員の資格を取得していれば、より専門性の高い知識を持っていると周りから評価され、信頼も得られます。
また、介護支援専門員のトップとして指導を行ったり、地域包括ケアを進めたりするため、仕事にやりがいを感じられるでしょう。介護支援専門員の資格を持っている方は、さらに知識を深め仕事を充実させるために、主任介護支援専門員の資格取得に挑戦してみてください。
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※掲載情報は公開日あるいは2020年06月13日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。