更新日:2021年05月26日
公開日:2019年10月15日
社会福祉士は1987年に制度化された国家資格で、社会福祉業務に関して専門的な知識と技術を有する者に認められた資格です。
社会福祉士は身体の障害や環境上の理由から、日常生活を送るうえで支障がある方の相談に乗り、快適な生活が送れるようにアドバイスをしたり、福祉サービスを提供したりします。
社会福祉士の資格は国家資格ではありますが、医師のように資格がないと仕事ができないわけではありません。そのため、無資格者でも社会福祉業務を行うことはできます。
しかし、 資格を取得することで、「社会福祉業務の専門家」として社会から信用を得られるでしょう。
社会福祉士の仕事は子どもから大人まで幅広い年齢層を対象としており、分野も多岐に渡ります。
社会福祉士の仕事の中で最も主要なものが「相談業務」です。社会福祉士が担当する相談内容は高齢者介護や障害者支援、児童福祉、生活保護など社会福祉の分野すべてが対象となります。
「相談業務」において社会福祉士は相談者の悩みを聞き、ひとりひとりに対して真摯に向き合う姿勢が求められます。相談者としっかりコミュニケーションをとることはもちろんですが、相談者のご家族とも信頼関係を築くことが重要になります。
そのほかにも、社会福祉士は行政機関や医療機関などと情報共有を行う重要な仕事を任されています。円滑に仕事を進めていくためには、社会福祉士の存在が必要不可欠となっています。
社会福祉士の仕事内容についておわかりいただけたかと思います。では、社会福祉士の資格を取得するメリットは何があるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
社会福祉士の資格を取得していることで、資格手当がつく職場が多いようです。
また、社会福祉士は職場によって公務員としても働けるため、安定した収入が得られるうえに、福利厚生も充実しています。
他の職種であっても実務経験を積むことで、昇進の道も開けてきます。社会福祉士は福祉業界で給与水準が恵まれているといえるでしょう。
最近では個人で事務所を営業し、相談業務を行う「独立型社会福祉士」が増加しています。公益社団法人日本社会福祉士会の「独立型社会福祉士名簿」の登録要件を満たしている方は独立が可能です。
独立開業を行えば、自分自身で仕事を選ぶことができます。さらに、ほかの資格も取得していれば仕事の幅も広がるでしょう。
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社会福祉士の資格を取得するには、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが実施している国家試験を受験し、合格しなければなりません。受験資格や資格取得までの流れは以下のとおりになります。
社会福祉士国家試験の受験資格を得るためには12通りのパターンがあります。福祉系大学で指定科目を履修済の場合、短期養成施設へ通う必要がある場合、一般養成施設へ通う必要がある場合の3つのケースに沿って確認してみましょう。(※参照)
(※)公益財団法人社会福祉振興・試験センター
社会福祉士の資格を取得するには、以上のように12通りの受験資格を得る方法があります。一般的には福祉系の大学を卒業して国家試験を受ける方が多いです。
しかし、相談援助の経験がなくても一般大学(4年制)を卒業していれば、一般養成施設で講座を受講することで受験資格を得ることもできます。
受験資格が得られたらいよいよ試験に臨みましょう。ここからは公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページを参考に、社会福祉士国家試験の流れをご説明していきます。(※)
■受験申込について
受験申込受付期間は毎年9月上旬~10月上旬で、当日消印有効です。また、受験料は15,440円が必要となります。
受験申込を行うには、『受験の手引』を郵便はがきか、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページで事務局に請求し、取り寄せましょう。
『受験の手引』が届いたら申請に必要な書類を作成し、郵送で提出してください。
(※)『受験の手引』が届くまで数日かかるため、9月下旬には請求を済ませておいてください。
■国家試験について
国家試験は毎年2月上旬頃に行われます。試験の形式は筆記試験で多肢選択式の問題が19科目の中から150問出題されます。
■合格発表について
合格発表日は毎年3月中旬頃となっています。公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページに合格者の受験番号が公表されます。
■資格登録について
国家試験に合格できたら、合格証書に同封されている書類に必要事項を記入し、資格登録申請を行いましょう。
資格登録には登録免許税の15,000円と登録料の4,050円が必要になります。登録申請が問題なく受理されれば、申請後1ヶ月~1ヶ月半程度で登録証が手元に届きます。
(※)公益財団法人社会福祉振興・試験センター
ここ数年の社会福祉士国家試験の合格率は25%~30%(※)を推移している状況にあります。合格率が30%程度と聞くと合格は難しいと感じるかもしれません。
しかし、学校で学んだ内容をノートにまとめたり、国家試験対策講座を利用したりして、計画的に勉強していればそこまで難易度は高くないといえるでしょう。
合格ラインは総得点の約60%を得点し、かつ出題科目の18科目すべてにおいて得点することが条件です。すべての科目で得点が必要であるため、得意分野だけ勉強するのではなく、まんべんなく勉強することが重要です。
また、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページに過去問題が掲載されているため、繰り返し解くことをおすすめします。
(※)公益財団法人社会福祉振興・試験センター
前述したとおり、社会福祉士は幅広い分野の仕事を担当するため、働いている職場もさまざまです。主な就職先は社会福祉協議会や福祉事務所、児童相談所、老人福祉施設などになります。ほかにも医療機関や知的障害者施設で活躍している方もいらっしゃいます。
また、働いている職場によって社会福祉士は呼び方が変わります。例えば老人福祉施設であれば「生活相談員」、病院であれば「医療ソーシャルワーカー」、児童相談所であれば「児童福祉士」と呼ばれています。
どの職場で働くにしても利用者の気持ちを一番に考えて、適切なアドバイスをすることが重要になってきます。
社会福祉士の資格を取得するのは簡単なことではないかもしれませんが、資格を取得することで仕事の幅が広がります。そのため、社会福祉士はこれから介護分野で仕事をしようと考えている方や、今後介護分野でキャリアアップを望んでいる方にぜひ取っていただきたい資格となっています。多くの選択肢の中から自身に合った職場を見つけるためにも、資格取得をおすすめします。
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※掲載情報は公開日あるいは2021年05月26日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。