仕事内容やメリットは?特別養護老人ホーム(特養)ってどんな施設?

更新日:2020年03月05日

公開日:2019年10月28日

どんな施設?特別養護老人ホーム

■ 特別養護老人ホームの特徴とは?

特別養護老人ホームとは、社会福祉法人や地方自治体が運営する公的施設で「介護老人福祉施設」とも呼ばれています。施設を利用する方々の意思を尊重して、常に利用者さんの立場に立ったサービス提供を行うこととされています。特別養護老人ホームは、民間が運営する介護施設と比べて比較的入居費用が安い施設であるため、入居希望者に人気であり、競争率が高くなっています。

また、介護施設の本来の目的は在宅介護を目指すことですが、特別養護老人ホームは長期入所が前提になっている施設であるため、終身利用する方も多いのが特徴です。

■ 特別養護老人ホームの入居条件は?

では、人気の高い特別養護老人ホームに入居するには、どのような条件をクリアしなければならないかみていきましょう。

特別養護老人ホームは、あまりにも入居待機者が多い状態が続いていたため、平成27年から基本的に介護度が要介護3以上の方が、入居できるように条件が限定化されました。特別養護老人ホームを終身利用する方が多いのは、要介護度の高い利用者さんを受け入れていることが、大きく影響していると考えられるでしょう。

ただし、要介護1・2の方でも、やむを得ない事情により在宅での生活が困難であると認められた場合は、特例により入居が可能になります。

■要介護1・2の特例条件

  • 認知症であることで日常生活に支障をきたす症状が見られ、在宅での生活が困難である場合
  • 知的障害、精神障害などで日常生活に支障をきたす症状が見られ、在宅での生活が困難である場合
  • 家族から虐待を受けているなどの理由で心身の安全が確保できない場合
  • 単身世帯などで家族からの支援が期待できず、地域での介護サービスも十分認められていない場合

※参照 厚生労働省 介護老人福祉施設

■ 特別養護老人ホームの設備や利用料金について

特別養護老人ホームでは、設備の規定が細かく設定されています。

廊下の幅が1.8m以上でなければならなかったり、トイレには緊急時用のブザーを設置しなければならなかったり。特に居室には細かい規定があり、施設によって居室のタイプも大きく3つのタイプに分かれています。

以下では、居室の分類と利用料金について詳しくまとめてみました。

■ユニット型個室

ユニット型個室

ユニット型個室とは、10人ほどの少人数グループごとに共同生活室が設けられている居室タイプのことをいいます。ユニット型個室は、在宅に近い居住環境で利用者さん一人ひとりの個性や生活リズムに合わせたケアを行うことができると期待されているため、近年主流になってきている居室タイプです。

また、要介護5でサービス費1割負担の方が、ユニット型個室を利用した場合の1ヶ月あたりの自己負担額については、以下の表の通りになります。(※2)

施設サービス費(1割負担の場合)約27,500円
居住費約59,100円
食費約41,400円
日常生活費約10,000円(施設ごとに設定)
合計約138,000円

■従来型個室

従来型個室

従来型個室とは、その名の通り従来通りの運営の仕方で、個室が並んでいる居室タイプのことをいいます。従来型個室は、ユニット型個室と違って共同生活室などの共有スペースはありません。ユニット型個室が主流になってはいるものの、従来型個室の施設もまだ多い現状にあります。

また、従来型個室の場合、利用料金はユニット型個室より安くなります。要介護5でサービス費1割負担の方が、従来型個室を利用した場合の1ヶ月あたりの自己負担額については、以下の表の通りになります。(※2)

施設サービス費(1割負担の場合)約25,000円
居住費約34,500円
食費約41,400円
日常生活費約10,000円(施設ごとに設定)
合計約110,900円

■多床室

多床室

多床室とは、ひとつの部屋に複数人のベッドを設置した居室タイプのことをいいます。病院の大部屋のようにベッドの間は、カーテンなどでしか仕切られていないため、プライバシーの保護がしにくいという難点があります。

ただし、利用料金はユニット型個室や従来型個室と比べて最も安くなります。要介護5でサービス費1割負担の方が、多床室を利用した場合の1ヶ月あたりの自己負担額については、以下の表の通りになります。

施設サービス費(1割負担の場合)約25,000円
居住費約25,200円
食費約41,400円
日常生活費約10,000円(施設ごとに設定)
合計約101,600円

■ 特別養護老人ホームでのサービスや仕事内容

特別養護老人ホームで提供されているサービスは、食事や入浴、排せつなどの日常生活の介助から看護師による健康管理やリハビリなどです。最近では、「看取り」に取り組む特別養護老人ホームも増加しています。ただ、医師を配置している特別養護老人ホームはほとんどなく、看護師と介護職員で様々な介護を担当しています。

また、リハビリを行う際など専門的な知識が必要な場合は、理学療法士などの協力を得て身体機能の回復を目指しています。

仕事内容については、ユニット型と従来型の施設タイプ別で変わってきます。ユニット型の施設は、集団ケアより個別ケアを重要視しているため、1ユニットあたりの利用者人数が少なく、一人ひとりに寄り添ったケアがしやすいといえます。一方で、従来型の施設は、日常生活の介助を複数人のスタッフで行うため、協力しながら仕事ができます。そのうえ、仕事の流れがルーティン化されているところが多いため、仕事を覚えやすい利点があります。

■ 特別養護老人ホームで働くメリットとは?

特別養護老人ホームは、運営を社会福祉法人や地方自治体が行っているということで補助金を受けています。さらに、施設利用料が安いことから入居を望む方が多く、次々と利用者を受け入れています。このことから、特別養護老人ホームは、収益が安定しており扶養手当や住宅手当などの福利厚生が充実しているということが、一番のメリットといえるでしょう。

また、特別養護老人ホームでは、定期的に介護職員の研修を行うことが義務付けられており、ケアプランの作成など詳しい介護知識について学べます。よって、将来キャリアアップをしたいという方やケアマネージャーを目指しているという方には、おすすめの職場といえます。

■ まとめ

医療ニーズが高まっている現代において、終身利用する方が多い特別養護老人ホームでは、さらに介護職員の人員と知識を充実させる必要があります。

看取りに取り組む特別養護老人ホームが多いため、24時間体制で利用者さんの対応をしなければならず夜勤もありますが、要介護度の高い利用者さんの介護ができたり、ケアプランの作成の仕方を学べたりと他の施設ではできない経験もできます。

そのため、今後介護業界でステップアップしていきたいという方は、特別養護老人ホームで働くことを考えてみてはいかがでしょうか。

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※掲載情報は公開日あるいは2020年03月05日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。

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