更新日:2021年08月04日
公開日:2019年10月28日
介護老人保健施設とは、医師の管理の下リハビリテーションや介護などを提供しながら、利用者さんの心身の回復を促し、自立した生活が送れるように支援する施設のことをいいます。介護老人保健施設は、特別養護老人ホームのように長期利用が可能である施設と違って、 在宅復帰を目指すことが前提となっています。そのため、入院するほどではないが、自宅で過ごすにはまだ不安があるという方にピッタリの施設で、病院と自宅の間の役割を担った施設といえるでしょう。
また、介護老人保健施設は医療ケアやリハビリテーションを提供していることから、 医師や看護師などの専門知識のあるスタッフが配置されているという特徴があります。
では、介護老人保健施設に入居するために、どのような条件を満たさなければならないのでしょうか。詳しくみてみましょう
介護老人保健施設には、基本的に 要介護1以上の認定を受けた高齢者 が入居できます。施設によっては、感染症を患っていないことや入院の必要がないことなど、追加条件を設定しているところもあります。
また、前述したように介護老人保健施設は入居者の在宅復帰を支援する施設です。就寝利用ができる他の介護施設とは違い、介護老人保健施設では 入居期間が3ヶ月~半年ほど と定められています。
しかし、入居期間が半年を過ぎたとしても、リハビリテーションの進捗状況によって、まだ介護が必要な場合などは無理やり退所させられるということはなく、入居期間は延長になります。
介護老人保健施設には、浴室やトイレ、洗面所などの日常生活を送るうえで必要な設備はすべて整っていますが、他の利用者さんと共有で使用することになります。
また、介護老人保健施設には、リハビリテーションの訓練をするうえで利用する機能訓練室があり、歩行訓練を行うための平行棒や運動療法の機器などが充実していることも、特徴のひとつといえます。
介護老人保健施設の居室タイプは、大部屋を4人ほどで共同利用する「多床室」が一般的となっています。現在、特別養護老人ホームでは1人で1部屋を利用する「従来型個室」や、個室と共有スペースがセットになっている「ユニット型個室」などへの変更が進められています。
しかし、入居期間が短期間の介護老人保健施設では、そのような運用が難しいのかユニット化への動きは滞っているところが多いようです。
介護老人保健施設の利用料金は、特別養護老人ホームと同じように地方自治体や社会福祉法人などの公的機関が運営しているため、比較的安く設定されています。入所する際の初期費用もかかりませんが、居室タイプによって多少料金に差が出てきます。
1ヶ月あたりのサービス自己負担額の目安については、以下の表を参考にご確認ください。(※1)
施設サービス費(1割負担の場合) | 約29,000円 |
居住費 | 約59,100円 |
食費 | 約41,400円 |
日常生活費 | 約10,000円(施設により設定) |
合計 | 約139,500円 |
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施設サービス費(1割負担の場合) | 約27,000円 |
居住費 | 約49,200円 |
食費 | 約41,400円 |
日常生活費 | 約10,000円(施設により設定) |
合計 | 約127,600円 |
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施設サービス費(1割負担の場合) | 約29,000円 |
居住費 | 約11,100円 |
食費 | 約41,400円 |
日常生活費 | 約10,000円(施設により設定) |
合計 | 約91,500円 |
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介護老人保健施設で提供しているサービスは、基本的な身体介助からリハビリテーション、医師や看護師による感染症の予防指導までと幅広いです。在宅復帰を目指している施設であるため、基本的な身体介助よりも医療ケアやリハビリテーションに力を入れている傾向にあります。
また、介護老人保健施設には「在宅強化型」と「従来型」の施設があります。「在宅強化型」の施設とは、在宅復帰率が50%以上、ベッドの回転率が10%以上(※)などの条件をクリアしている施設のことをいいます。「在宅強化型」は「従来型」より在宅復帰に貢献していることから、医療ケアやリハビリテーションのサービスが充実しており、利用料金も高く設定されています。
介護老人保健施設で働く介護士の仕事内容はというと、主に日常生活のお世話や身体介助が中心となり、利用者さんの身体の回復を重視したサービスの提供が求められています。そのうえ、医療ケアやリハビリテーションを行う医師や理学療法士と連携し、サポートを行うことも介護士の重要な仕事のひとつです。
※厚生労働省 介護老人保健施設(参考資料)
介護老人保健施設は、前述したとおり在宅復帰を目指す施設であり、短期入所が前提の施設であるため、入退所の回転率が高いです。よって、さまざまな利用者さんの介護に携わることができ、経験を積むことで 今後のサービス提供に活かすことができる でしょう。多くの経験を積んで介護士として成長したいという方には、ピッタリの職場といえます。
また、在宅復帰のために介護士は、理学療法士と利用者さんの自宅に訪問し、復帰ができる状況か判断したり、必要であれば住宅改修や福祉用具の手配を行ったりします。そのうえ、リハビリテーションに力を入れている施設であるため、他の施設では学べないような 専門スタッフとの連携や心身の回復に特化した介護について学ぶこともできます。
このように、介護老人保健施設で働くメリットは多くあります。
介護老人保健施設は、介護度のそれほど高くない方の在宅復帰を目指しているため、利用者さんの身体が回復していく様子を身近に感じることができます。
また、医師や看護師などが常駐しているため、医療の知識を深めることができるのも介護老人保健施設の良さといえるでしょう。高齢化社会に直面している日本において、医療の知識がある介護士は貴重な存在です。
他職種と連携しながら、リハビリテーションについて学びたいという方、スキルの幅を広げたいという方は、介護老人保健施設で働くことをおすすめします。
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