介護の仕事は、チームワークがとても大切です。介護施設スタッフのチームワークの良し悪しによって、介護サービスの質が左右するといっても過言ではありません。
しかし「どのようにすればチームワークが良くなるのか分からない」という方は多いのではないでしょうか?
そこで、チームワークが大切な理由やチームワークが良くない施設の特徴、チームリーダーの必要性、チームワークを良くするコツなどについて解説していきたいと思います。
キャリアアップのためにチームリーダーを目指す方、またチームワークをより高めたいと考えている方などは、ぜひ参考に読んでみてください。
介護におけるチームワークとは?
チームワークとは「集団に属するメンバーが、同じ目標を達成するために行う共同作業」
という意味を指す言葉です。共同作業といっても、ビジネスシーンではメンバーと同じ作業をするだけでなく、仕事を細分化し役割を分け、チーム全体で一緒に進めていきます。介護においては「利用者さんの目標」がチームの目標
となり、職員それぞれが専門性を発揮し、協力しながら目標達成に向けてサービスを提供します。介護の仕事は、介護士さんをはじめ医師や看護師、理学療法士などのリハビリ専門職、ケアマネージャーなど多くの職種が連携を取り、介護サービスを進めていくチームケアです。そのため、それぞれの職種によって意識や行動がバラバラにならないようにすることが重要となってきます。 「チームワークが良くない」介護施設の特徴5つ!
チームワークが良くない介護施設の特徴は5つ!
どのような特徴があるのか見ていきましょう。また、働いている職場で同じようなことがないかチェックしてみてください。
<チームワークが良くない施設の特徴>
□ スタッフ同士のコミュニケーションが少ない
□ 基本の連携(報・連・相)ができていない
□ 個人主義な考え方が浸透している
□ スタッフのモチベーションが低い
□ チームケアに対する理解度が低い
-スタッフ同士のコミュニケーションが少ない-
介護スタッフ同士のコミュニケーション不足が見受けられる場合、チームワークが良くない施設であることがほとんど。スタッフ同士のコミュニケーションが少ないことで、他の職種ともうまく連携が取れずチームワークが低下してしまいます。
さらには、業務で気になることがあっても「聞きづらい」という空気を作ってしまい、後々大きな問題に発展することも。そうならないためにも、スタッフ間のコミュニケーションはとても大切です。
-基本の連携(報・連・相)ができていない-
介護現場でチームワークがとれていない場合、基本となる「報告・連絡・相談」ができていないことがほとんどです。介護の仕事は、1人の利用者さんに同じスタッフがずっと関わっていくわけではありません。担当などがある場合でも、他のスタッフ数名と交代しながら介護サービスを提供していきます。そのため、介護サービス中の「利用者の様子」や「気づいたこと」などを報告し、他スタッフと共有する
といった基本的な連携をしっかりと取ることが大切です。 -個人主義な考え方が浸透している-
個人主義な考え方が浸透している介護施設もチームワークは良いとは言えません。
前述したように、利用者さんに提供する介護サービスは1人で行うわけではないからです。
個人主義の考え方は、利用者さんに必要なサービスが提供されず、利用者さんの目標を遠ざけてしまう恐れもあります。
-スタッフのモチベーションが低い-
介護スタッフのモチベーションが低いと、おのずとチームワークも悪くなってきます。
なぜなら、モチベーションが低いと目標に対して前向きな気持ちが持てなくなり、仕事の質にも影響が出てきてしまうからです。
また、モチベーションが低いスタッフが多くなると愚痴を言うことが増え、新人さんやモチベーションが高い人までも巻き込まれ、モチベーションが低下してしまうという負のスパイラルになることも。
-チームケアに対する理解度が低い-
チームケアに対する理解が低い施設は、スタッフ同士の連携もあまりとれておらず、介護サービスもどこか事務的になりがち。そのため、利用者の様子や些細な変化に気づかず、後になって問題が発生してしまうこともあります。
自身の働いている職場に当てはまる項目はあったでしょうか?
チームワークが良くない介護施設の特徴から分かるのは、チームワークが低い施設ほど「チームリーダー」が機能していないということです。
では、つぎでチームリーダーが必要な理由についてみていきましょう。
チームリーダーが必要なワケ
良いチームワークを作り上げるためには、チームを引っ張るチームリーダーの存在は欠かせません。なぜなら、介護施設におけるチームリーダーの役割はとても重要だからです。チームリーダーの役割は、スタッフが働きやすい環境作りや利用者さんにとって居心地の良い環境作り、スタッフの指導・育成、また施設によってはシフト調整や会議への出席、介護計画書の作成など多岐に渡ります。もちろん、チームリーダー自身も現場で介護サービスを提供しますが、ただケアを行うだけではなくスタッフや利用者さんなどの様子も確認し、必要であればスタッフに知識や技術の指導や助言をおこないます。チームリーダーは、介護スタッフの士気を高め目標に向けてチームを引っ張るだけでなく、チームケアや他職種との連携を円滑に進めるためにも必要不可欠な存在です。
◎チームリーダーについて、もっと詳しく知りたい方は以下のコラムも読んでみてください!「介護リーダー・ユニットリーダー|仕事内容・給与についてご紹介!」 介護現場でのチームワークを良くするコツ!
介護現場でのチームワークを良くするコツを紹介したいと思います。
チームリーダーを目指している方やチームリーダーに抜擢された方など、参考にしてみてくださいね!
◆毎日10分のプチミーティング
チームワークを良くするコツ1つ目は、毎日行う10分ほどのプチミーティングです。プチミーティングはスタッフが集まりやすい時間帯を選び、基本的に「今後の予定・問題点・進捗状況」の3つを報告します。プチミーティングの利点は・スタッフ全員が集まり話す機会を作れる
・問題点や困ったことがあれば、すぐに聞ける環境を作れる
・すぐにスタッフと共有し問題解決に向けて考えられる
ということです。月1回などのミーティングなども大切ですが、それだけでは話すことが溜まるだけでなく、問題が先延ばしになり解決に時間がかかってしまいます。こまめに問題点を共有し解決できる場を設けることで、すぐに相談しやすくなり、問題解決にかかる時間も短くなります。自分の意見を伝えられ、自分とは違う意見を尊重し共感できる環境を作ることで、風通しの良い職場になりチームワークもおのずとよくなっていきます。 ◆目標を設定し目的意識を持つ
チームワークを良くするコツの2つ目は、目標を設定し目的意識を持つということです。「何のためにそのサービスを提供するのか?」を定期的にスタッフ全員で共有することで、それぞれがしっかりと目的意識を持って行動できるようになります。また、ここで大切なのは「自分たちで目標を考える」
ということ。目標を与えられるのではなく、自分たちで考えることで利用者さんの長期目標への理解が深まり、それぞれがより責任を持って行動できるようになります。チームリーダーは、担当スタッフの意見だけでなく、他のスタッフにも「どう思う?」と意見を聞き、チームで話し合える空気を作りスタッフ全員の意識を高めていきましょう。 ◆日ごろからコミュニケーションをしっかりと取る
チームワークを良くするコツ3つ目は、コミュニケーションをしっかりと取ることです。チームワークが良い施設は、スタッフ同士の会話量も多く、しっかりとコミュニケーションが取れています。スタッフ同士のコミュニケーションが少ない場合は、普段からチームリーダーが積極的に声をかけましょう。声のかけ方としてあまりよくないのは「何かあったら相談してね」です。これでは、新人さんやコミュニケーションが少ないスタッフは、相談しづらく感じてしまいます。何か困っていそうなスタッフを見かけたら「どうしたの?」「何があったのか聞かせて?」と、リーダー自ら聞きにいくことが大切です。
スタッフから相談してくるのを待つのではなく、積極的に話を聞きにいく
ことで会話の量を増やし、しっかりとコミュニケーションが取れるチームにしていきましょう。 まとめ
介護施設で働くスタッフのチームワークを良くするには、チームリーダーがしっかりと機能していることが重要なポイントです。
これからチームリーダーとしてスタッフをまとめていく方は、まずは3つのチームワークを良くするコツを実践してみてください。また、今後チームリーダーを目指す方も「目標の設定や目的意識を持ち仕事をする」「困っている後輩スタッフがいれば、積極的に話を聞きに行く」など、できることから実行してみましょう。 介護の転職なら介護ワーカー!